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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 監視国家中国の拡大 (企業財務 M&A/村藤功)

監視国家中国の拡大

村藤功 企業財務 M&A

20/01/14

今日は、監視国家中国の拡大という話をしたいと思います。中国のハイテク化がすごい勢いで進んでいます。半導体も2018年には15%くらいしか自国で作っていなかったのですが、2020年までに40%、2025年には70%にしようと言っているわけです。5Gサービスが去年の11月に始まったのですが、これで何が起こると思いますか? 5Gになって超高速・大容量の通信が可能になり、監視国家中国ですから、より監視が強化されることになるでしょう。既に1億くらいの監視カメラがあり、それから顔認証の会社などもあります。アメリカで売れなくても、中国国内ではすごい勢いで監視カメラや顔認証システムが売れているという状況です。

いつどこで誰が何をするのかが全て筒抜けで自由がなくなるという監視国家にどんどんなっていくところです。宇宙には測位衛星があり、アメリカのはGPSと言いますが、中国のは北斗といいます。これも2018年段階で35基を打ち上げていて、アメリカの31基より多いのです。2019年で129か国が北斗を使っているという状況になってきています。それから、海底通信ケーブルも張り巡らして、中華人民共和国の影響下にある国はどんどんとデジタル化、さらに、監視国家化されているのです。

ここで思い出してほしい事は、一帯一路です。陸路と海路でヨーロッパに繋ぐという覚書を結んだ国が130か国あり、その人口は50億人で、2,000プロジェクトになっています。これが、どんどんデジタル・シルクロードになっているわけですよ。そうするとその国にも5Gだとか、衛星だとか、カメラとか、顔認証とか、海底ケーブルが繋がってしまって、シルクロード上の国も監視国家に段々なっていくということになりかねません。それを恐れているのはどこでしょうか? 一つは香港ですね。香港が去年の夏から条例改正案反対と言い始めて、11月には香港区議会選挙で民主派が8割を獲得しました。これにも関わらず、中国共産党は抑えこもうとしているので、アメリカが11月末に香港人権法を通しました。香港が返還されるときに一国二制度にすると約束したので、一国二制度が機能しなければ、香港の優遇措置を見直して、香港からアメリカに輸出するものも関税をかけるというのが香港人権法です。中国は、勿論、内政干渉と怒っているという状況ですね。

そういった中で米中貿易戦争は、去年の12月に第一次合意がありました。これは9月の1,100億ドルに15%課すと言ったのを7.5%と半分にしたり、12月に導入する予定だった1,600億ドルへの15%は見送ったりしたということです。しかし、まだ最初の方の500億ドルに25%だとか、去年の5月の2,000億ドルに25%が残っています。このようにアメリカが輸入関税をかけることになると、日本企業もアメリカ企業も含めて、中国にいる外国企業はどう対応したらいいのでしょうか。中国からの輸出に対して、結局、関税が掛かるようになるので、それなら中国に拠点を置かずに違う国からアメリカに輸出するということを考えるわけですよね。では、その拠点は一体何の拠点か、ということです。製造拠点は移して、そこからアメリカに輸出しても大丈夫ですけれど、販売拠点を移すわけにはいきません。何故なら、中国は巨大なマーケットなので、中国に販売しないといけないのです。

中国に販売拠点は残して、製造拠点をASEANに移したり、或いはAIとかIoTとかロボットが働くのだったら安い国に行かなくてもいいので、日本に戻したりすることも可能なわけですよね。今、日本企業は日本に戻せ、台湾企業はもう台湾に戻せ、みたいなことを一生懸命やっています。そういう意味では、ASEANの中の安い賃金のところに行くという手も今までのようにありますけれど、そうではなく、元に戻す選択肢もあるのです。アメリカが世界中から戻ってこいと言っているのと同様に、日本も日本に戻すという手も本当はあるという話です。

アメリカにはなかなか輸出出来なくなったけれど、中国がどんどん広がってきています。5Gに関わるだけで2030年までに260兆円くらいのマーケットが中国関連で生じると言われています。中国の経済成長は2018年に6.5%前後の目標だったのが実績6.6%、去年は6.0%から6.5%と言ったのが、まだ発表されていませんけれど、6.0%から6.2%くらい。来年くらいは6%程度と、そういう意味では一頃に比べると随分下がっていますけれど、日本より全然高く、中国は相変わらず成長中です。

今日のまとめです。中国のハイテク化が進みつつある中で、中国の監視社会化がすごい勢いで進んでいます。国内市場は既に巨大ですけれど、一帯一路による内陸部開発だとか、周辺国の貿易拡大だとか、宇宙の測位衛星、陸の5G、海底ケーブル等で、マーケットやデータネットワークが拡大しつつあります。日本とかアメリカ企業を含む中国以外の企業は、製造拠点の移転は出来ても、販売では拡大する中国市場を追わざるを得ないということですね。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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