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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 一般消費者にも普及し始めたリゾート (マーケティング/岩下仁)

一般消費者にも普及し始めたリゾート

岩下仁 マーケティング

19/12/04

前回は別荘を所有する代わりに会員制リゾートホテルを選択する富裕層の方が増えているということについてお話しました。とはいえ、別荘にしても会員制リゾートにしても一般消費者にはなかなか手が届かない話だと思います。今回は富裕層でなくても楽しめる新しいリゾートサービス、バケーションレンタルについて御紹介したいと思います。

バケーションレンタルは簡単に言うと「貸別荘」の事です。最近、住宅宿泊事業法、つまり民泊新法という法律の改正によって法的にホテル業を営んでない人も一定の手続きを踏むと既存の住居、あるいは別荘を宿泊施設として一般の消費者の方に貸すことが出来るようになりました。民泊という名前ですでに利用されている方も多いと思います。最近では、その中でも個人が持っている別荘を貸すことをバケーションレンタルとよんでいます。アメリカやヨーロッパでは以前から知られているサービスでしたが、実は最近日本でもすごい普及率で、旅行サイトの一休.comでは2018年4月から2019年3月までの予約成約率が前年同時期の2倍程度になったようです。どうしてこんな風にバケーションレンタルが人気になったのでしょうか。最近では地方の老朽化した別荘の空き家が増えていて、管理に困っている富裕層のオーナーが増えています。富裕層が所有している別荘は使用しない間はむしろ無用の長物ですので、この住宅宿泊事業法を利用してレンタルしようという傾向が高まったのです。別荘のオーナーにとっても、自分が使用していない時に貸しますので、お金も入りますし、かといってそこまで値段を上げる必要もないし、更には空き家にしておくよりもむしろ家が傷みません。貸す方であるオーナーも、借りる方である消費者もwinwinの関係になるわけです。このバケーションレンタルは別荘やコンドミニアムなどを1棟でレンタルする事が多いのですが、人気の秘密はその値段です。バケーションレンタル予約サイトを運営する一休.comによりますと、部屋の広さは100平方メートルから200平方メートルで、平均単価はおよそ5万円です。例えば友人の4名~5名で利用すると、1人あたりの単価は1万円ほどと、割と手頃な価格になります。実際4、5名での利用が全体の約45%を占めているようです。

民泊新法の後押しもあって人気が高まっているバケーションレンタルですが、値段の安さだけではなく、他にも人気の理由があります。1つ目として子供を連れて行きやすいという点です。例えば私の友人は出産を機にバケーションレンタルを利用するようになったと言っていました。やはり小さいお子さんが一緒だと急に泣き出したり騒いだりすることもありますので、ホテルだと周囲に気を使っていたそうですが、バケーションレンタルであれば別荘の1棟レンタルですので周囲に気兼ねすることなく楽しめたそうです。

2つ目が予約がしやすい点です。例えば5、6人の家族や友人のグループでホテルを予約する場合、複数の部屋を予約しなければならないケースが多いです。部屋が離れてしまったり、フロアが違ったりと決める幹事はなかなか大変です。バケーションレンタルだと、1棟で最低4、5名は使えますので、ホテルの部屋を何部屋も抑える必要がありません。

第3にバケーションレンタルでは施設ごとの個性を楽しめる点があります。ホテルの部屋は通常値段によって広さや設備こそ異なっていると思いますが、たいていのお部屋が似通っていてデザインにあまり個性は感じられないと思います。一方バケーションレンタルは家主が集客力を高めるために、様々な工夫を凝らしています。例えば山梨県鳴沢村にある「イル&コーホテル イン マウントフジ」は、富士山麓1,000メートルの高地で、約3,100平方メートルの広大な敷地の別荘を貸し切りで使えます。建物は延べ床面積250平方メートルの2階建ての大型別荘を借りられます。最大10名まで宿泊出来て、料金は15万円程度です。薪ストーブやオーブン付のシステムキッチンなどを備えていて、雰囲気もとても良いそうです。

こういったユニークな施設が次々に登場している一方でバケーションレンタルには課題もあるようです。それはバケーションレンタルの認知度にあるかと思います。世界最大のバケーションレンタル予約サイト、ホームウェイ日本法人が実施した調査では、国内で1棟貸しを利用した事がある人の割合は22%程度に留まるようです。ただ写真を示して利用したいかどうかという意向を尋ねると、利用したいとの回答が74%にも上ったそうです。こういったことを考えると、マーケティングの段階としては知名度を高めて1回利用してもらい、コンテンツの良さを知ってもらう、そういったことが重要な段階と言えます。ホームウェイ日本法人社長の木村氏は知れば良さが分かる、ポテンシャルは高い、と言っています。

今日のまとめ:
今回は近年急速に広まるばケーションレンタルについてとりあげてました。これまでは富裕層が利用するイメージが強かった別荘や1棟貸しが法律の改正もあり供給量が増えたことで、一般の人にも利用しやすくなっているようです。今後もバケーションレンタルから目が離せないと言えるでしょう。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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