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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ケンブリッジレポート2019(3):車椅子対応(2) (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

ケンブリッジレポート2019(3):車椅子対応(2)

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

19/12/25

今年も学生と一緒にケンブリッジに行き、今回は学生の中に車椅子を使う方がいて、車椅子でどのように過ごしたかという話をしています。

今日は外出する、つまりケンブリッジ大学の外へ行った時の様々な事について話したいと思います。イギリスの建物等は古いので中々大変だ、バリアフリーではないという話をしましたが、500年前に作られたバスがないように、交通機関は後から作られたものですし、比較的こちらからも学ぶ事があるような点が沢山ありました。ケンブリッジのバスはほとんどがノンステップというもので歩道から渡し板も何もなく、つまり運転手さんも何もせずにそのままスーっと入れるようなことが多かったです。日本だと運転手さんが渡し板を出してくれたりしますが、それもないということでした。勿論イギリス全土でそうとは限らないと思います。

それから鉄道です。これは日本でも車椅子の方が通る所だけゲートが太くなっていたり通路が広くなっていたりします。そういう事は勿論ありますが、素晴らしいなと思ったのが鉄道関係はほとんどの駅にも、「どこまで対応しているか」という情報が必ず書いてあり、ホームページで事前にチェックすることもありますが、原則としてキチンとしたマークが付いていれば、エレベーターを利用して車内にも専用のスペースがあって、乗り込む時も自分で入れるというのが普通です。ただし、職員が渡し板を渡さないといけないような時は、電話で予約するというような形になっていました。それと驚いたのは、車椅子を支援している人、介助者が休むための専用席が車椅子の専用スペースの近くにありました。これは日本では見ないことだと思いました。もし既に対応されている鉄道会社があったら申し訳ないですが、素晴らしいと思いました。それに対して、インフラの古い地下鉄は非常に大変です。ロンドンの地下鉄です。元々古くて非常にホームも狭いので、その対応には最初からランクがあって、階段その他については、エレベータも無いところがあるし、車椅子は絶対ダメという所もあるし、すべてが整っている所もあるし、いろんな条件があるけど、この条件をクリアさえすれば大丈夫だというような、いくつかランクに分かれていました。どんな装備もあるからぜひ来て下さいといった駅は十駅に一駅くらいしかまだありませんでした。

地下鉄は元々バリアフリーを考えずに作られていて、実際に行ってみると分かりますが、路線と通路が複雑に入り組んでいて、中々エレベーターを掘るスペースが無いなどです。ある所では、バリアフリーは完璧な状態だからというので安心して行ったところ、地上から目的の路線のホールに出るまで、エレベーターを3基乗り継がないといけないということがありました。これではかなり時間に余裕をみておかないと、スケジュールがうまくいかないということが分かって、車椅子に乗られる方の場合には予めどういうタイプの駅を使うか、それによってエレベーターが何基あるからどのくらい余計に時間がかかるか、というのを少しリサーチしないとやはり大変だ、という風に思った次第です。

それからタクシーが問題でした。車椅子の大きさによってセダン型の後ろの座席やトランクに入る場合とそうでない場合がありました。事前にリサーチすれば、車の種類によってトランクの大きさも分かりますし、大きい様だったら最初から日本で言うジャンボタクシーを頼まなければいけないわけです。利用のし方が少し複雑なところがあって、やはり事前にリサーチが必要なので、車椅子に乗らない方に比べると大変だということをヒシヒシと感じました。自走式といって自分で漕ぐことが出来る車椅子がありますが、そうでなくて押すだけのものだと比較的小さいので、セダン型でも乗ります。自走式の場合、タクシーに載せられるかどうか、ちょっと微妙なところがあるという感じでした。

その他、イギリスでは色んな施設のバリアフリーが進んでいるので、いわゆる博物館とか美術館とか劇場とか観光施設のアクセシビリティがよく出来ていたという印象があります。恐らくそれに関する法律があるのだと思います。どんな小さな設備でも、廃墟でほとんど係員がいない様な小さな施設でも、必ずアクセスビリティの情報はホームページに載っています。車椅子だとここまで行ける、全部行ける、いやこれは行けない、のような事が細かく書いてあります。勿論、車椅子だけではなく、視覚障害の方や色々な問題を抱えている方毎に細かな説明が書いてあって、すごく進んでいると思いました。特に感激したのが博物館、美術館を歩いて、陳列品の間をすり抜けるのですけれども、丁度標準的な車椅子の幅以上に通路を取るように必ず出来ています。自慢して書いたりはしてないけれども、成る程こういう対応をしているのかと思って、翻って日本の施設を見ると、やはり狭くて通ることができないと思い当たるところが沢山あります。

イギリスは非常に大雑把で困る事も沢山あるのに、こういう事になるとすごく親切です。イギリスで私たちが困っている時には、通行人が「大丈夫か?」「大丈夫か?」と言ってワーっと押し寄せてきてくれます。日本ではこちらから声を掛けないと手を出してくれません。日本では通行人自ら「大丈夫ですか?」と声を掛けることがかえって失礼ではないか、という人もいるそうで、文化の差だと思いました。それでインフラが不便な分もカバーされているのだろうなと感じました。

今日のまとめ:
今日は、車椅子で海外研修へ行かれる学生への対応で、外出した時の話をまとめました。何かの参考になれば幸いです。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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