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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 環境とストレス (産業組織心理学、社会心理学/三上聡美)

環境とストレス

三上聡美 産業組織心理学、社会心理学

19/10/30

今日は環境とストレスについてお話をします。
みなさんはストレスを感じやすい方ですか?
ストレス社会という言葉がすっかり定着した現代ではありますが、ストレスになる原因は様々です。私自身はストレスを感じやすい方だと思っているのですが、大学時代に「ストレスを感じない」という友人がいました。その友人は「チョコレートを食べれば大概のことは許せる」と言っていました。ストレスを感じやすいと思っている自分にとっては、チョコレートを食べればストレスは感じないという彼女の話は不思議でたまりませんでしたが、今思えば彼女は彼女なりのストレスを無意識的に抱えていて、チョコレートを食べることが彼女のストレス解消法だったのだろうなというふうにふと思います。

「ストレス」は何らかの刺激によって心や体の反応に歪みが生じることと言われています。心理学では、ストレスの説明をボールで例えることが多いのです。ボールは通常丸い形をしていますよね。軽くつついたくらいでは丸い形に特に変化は生じません。しかし、強く握ったり、バットで打ったりすると、ボールはへこんだりして形は変化してしまいます。このとき、何故ボールの形が変化するかというと、バットに撃たれるなどの外からの力が、ボールを丸い状態へ留めておくという力を上回ったから、ということになります。このように、バットに打たれるという外部の力が、ボールという内部の力よりも上回って内部の力を変化させるという状態が「ストレスが掛かっている状態」となります。

人間の話で言うと、仕事の量が多すぎるとか、人間関係のもめ事に巻き込まれたというような出来事による負担が、その出来事に遭遇した人の問題処理能力や忍耐力を上回るときに、ボールのようにへこんでしまう状態のようにストレス状態となるのです。環境の中にも、騒音や人混みといったような人に不快感を与える要因は色々あり、そうした要因がストレスを引き起こします。環境から起こるストレスを「環境ストレス」と呼んでいます。
この環境ストレスには4種類あると言われています。まず1つ目は「大変動」というものです。大変動とは、地震や台風による災害といったような、私達の生活に大きな脅威をもたらす出来事です。災害等の多くは突発的に起こるため予測することがとても難しいですし、影響を受ける人の数が多いことも特徴となります。更に、大変動の脅威に対しては個人で対処することは不可能であることが多く、災害などの直接的な影響が治まった後に時間を掛けて復興や再建が行われます。この大変動によるストレスは非常に強く、「PTSD」を引き起こす場合もあります。
2つ目は「ライフイベント」です。ライフイベントは引越や就職、転職など金銭の節目となるような出来事になります。ライフイベントは、結婚や離婚等による家族環境の変化、就職や失業等による就業や経済環境の変化、入学や卒業等の教育環境の変化のように、普段の生活に様々な変化をもたらすもので、変化が大きくなるほどストレスも大きくなります。心理学者のホームズとレイはライフイベントを経験した後に普段通りの生活に戻るまでに掛かる時間について検討し、この様々なライフイベントのストレスの強さを数値化しています。みなさんはライフイベントで最も大きなストレスは何だと思いますか。
ホームズとレイによると、ライフイベントで最も大きなストレスは「配偶者の死」とされています。このときのストレスの強さは100になります。その次が「離婚」で、ストレスの強さは73です。その次が「夫婦の別居」で、ストレスの強さは65です。また、クリスマスのストレスの強さが12と出ており、楽しいイベントもストレスになるとされています。いいことか悪い出来事かに関わらず、その出来事によって変化が生じ、それに対処する能力が必要な場合には、その出来事がストレスになる可能性が多いです。ライフイベントによるストレスの対処は、大災害のようにストレスとなる出来事が落ちついた後に行われることが多いですが、大災害のように多くの人が影響を受けることはありません。
3つ目の環境ストレスは「日々の厄介事」です。日々の厄介事とは、電車が混雑しているとか、通勤時間が長いなどの日常生活の一部として経験される、様々な不快な出来事を指します。この日々の厄介事によるストレスは、大災害やライフイベントに比べると、ストレスは小さく、その影響も短期的なものであることが殆どです。しかし、日常的、或いは慢性的に繰り返し経験されることが多いため、そういった影響が積み重なって私達の心や体に大きな影響を与えることもあります。
4つ目は「背景ストレッサー」です。ストレッサーとは、ストレスの原因になるもののことをいいます。先程、ストレスをボールに例えて説明しましたが、ボールの形を変えてしまうことがストレッサーになります。背景ストレッサーとは、騒音や交通渋滞等の慢性的で不快な環境の特徴を言います。日々の厄介事と同じように、背景ストレッサーは日常にあふれたものであり、一つ一つの影響は弱いものが殆どですが、ストレスが積み重なると深刻な影響が出る場合があります。

このように私達の心や体に影響を与えている環境要素はたくさんあるのです。
では、今日のまとめです。
環境が私達に影響を与えるものは多く、時にはストレスとなるものもあります。環境が原因となるストレスを環境ストレスと呼びます。今日は環境ストレスの4つの種類についてお話をしました。

分野: 社会心理学・組織心理学 |スピーカー: 三上聡美

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