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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 幸福・成功のための哲学24ー本心良心② (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

幸福・成功のための哲学24ー本心良心②

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

19/10/14

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。
 前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 本心良心 -続き-
(1) 本心良心の法則の意義
 心の法則の第7は、「本心良心の法則」である。これは、人生において判断や行動を行う場合に、心の奥深くにある深い理性という本心良心を基準として行う場合には、正しい判断や行動が行えるというものである。この本心良心は、人間であれば、誰でも心の奥底に生まれつき必ず持っている深い理性のことであると同時に、心の回帰点でもある。

(2) 気づく力
 この本心良心を常に正常に働かせるためには、普段から瞑想などによって心を静め、感情をできるだけ上手くコントロールして、真実を心眼で観(み)、奥底から発せられている純粋で正しい内心の声を内部の耳で正確に聞き、その声に従って考え、行動する、という努力をしなければならない。このためには、常に自己の行動を反省し、心を浄化し、自分の状況を正しく把握し、その状況において何が最もベストであるのかに「気づく力」を鍛えることに努めなければならない。

(3) 人間性と野獣性
 感情の統制に関連して、人間と動物の違いには、どのようなものがあるのであろうか。
 これに関して、図表1のように、動物は本来自己統制を知らないということがある。それゆえ、自己の感情や本能のまま考え、行動することは、野獣性の発露である。他方、人間が人間たるゆえんは、克己心をもち、自己統制を自分の意志で自由に行えるということである。これは、深い理性や本心良心という本当の人間性の発露である。

図表1 自己統制と欲望
happiness24-1.png

 このようにいっても、他方において、動物の野獣性は、自然界における食物連鎖の法則の下における循環の法則に従って、常に一定の限界を持っており、通常その限界を超えては発揮されない。他方、人間の利己的な感情の欲望は、自然界におけるような限界を有せず、例えば、金貨を富士山と同じ高さに積み上げても満足するものではなく、例えば、地球温暖化に伴う異常気象に見られるように、母なる自然を破壊してしまうような非常に強力な力を持っている。

(4) 理性と本心良心
 善悪の判断基準として、利己的な感情ではなく、理性に従えばよいのではないだろうか。
 これに関して、これは正確には正しくはない。というのは、哲学的にいえば、「理性」には、自我的理性と無我的理性の二つのものがあるからである。「自我的理性」とは、自我(自己の利害)を基礎として物事を論理的・客観的に考えて判断を行うものである。他方、「無我的理性」ないし「本心良心」とは、自己の利害を離れ、それを超越して、物事を論理的・客観的に考え、ないし直観的に判断を行い、正しい方向性や判断を示すものである。しかし、日常生活においては、一般に前者の自我的理性で判断を行っていることがほとんどである。他方、本心良心はこのうち後者の無我的理性に属するものである。なお、本心良心は、論理的な思考の結果生じるものではなく、心の奥底から直観的に善悪を感じる力である。
 このような本心良心を発揮するためには、常日頃から心を清く、美しく、浄化するように努めなければならない。図表2のように、心には、感情、自我的理性及び無我的理性の3層のものがあるが、自己の本当の心は深い理性としての無我的理性である。

図表2 感情・理性と本心良心の関係
happiness24-2.png

 この場合、例えば、"America first"を掲げる米国との外交交渉などに典型的に見られるように、多くの社会生活に実際に利用されているのは、自我的理性である。これは、現実の生活において悪いものではない。ただし、常に本心良心も考慮し、両者のバランスを取るべきであろう。
 そして、感情と自我的理性の共通点は、その基礎に自我ないし自己の利害があるという利己主義的なものであるという点である。なお、これらは、自己保全のために人間に与えられているものなので、これらを完全に否定することはできない。しかし、社会生活を上手く行っていくためには、少なくてもそれらを上手くコントロールする必要がある。そして、これらの自我に従って行動した場合には、他人や社会の利害と対立する可能性が高い。
 これに対して、無我的理性は、利己主義的な自己の利害を離れた人類共通の客観的で、純粋な判断基準である。そして、判断に迷ったときには、この無我的理性ないし本心良心に従って、判断や行動を行うことが最も良いものとなる。例えば、判断に迷ったときは、自己の利害を超え、(「人間性の欠如・人間失格」とならないように)人間としての尊厳を持ち、無我的な「人間として何が正しいのか」(稲盛和夫)ということに基づいて判断を行うことが大切である。
 しかも、哲学的に深く考察した場合には、本当の自分は、外部刺激によって激しく揺れ動く感情や自我的理性ではなく、深い理性である本心良心の方である。それゆえ、本当の幸せは、この本心良心が心地よい状態のときに感じられる。すなわち、私たちは、一般に良心の呵責(かしゃく)がない時が本当に心地よいことを日常的に経験している。本当の自分を知る人こそが本当の賢人である。

2 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、「本心良心」で生きることが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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