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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > VUCA時代⑩感じる力・言語・コミュニケーション力 (リーダーシップ開発、倫理、価値観/村尾佳子)

VUCA時代⑩感じる力・言語・コミュニケーション力

村尾佳子 リーダーシップ開発、倫理、価値観

19/09/23

これからの時代に必要な力についてお話ししています。今日は言葉、そしてコミュニケーションについてのお話です。最後に人間に残る部分として、言葉は非常に大事な部分です。
日本は、ハイコンテクスト文化の国と言われています。ハイコンテクストというのは、人とコミュニケーションを図る時に前提となる文脈や価値観、背景が非常に近い状態のことを言います。日本人は同じ日本語を喋りますし、一般的な価値観が大方共有された文化になっています。様々な国にルーツを持つ人々が集まって国を成している諸外国に比べて、日本は、民族性や経済力、文化度などが非常に近い人々が集まっている状態であり、コミュニケーションをとる際に、比較的容易に相手の意図を察しあうことが可能です。そのため、全てを語らなくても相手の言いたい内容が通じたり、大体「こんな感じの事あるよね」、「そうだよね」など曖昧なままコミュニケーションを進めることが可能です。

このコンテクストというのは、主に時間や体験の共有によって形成されるため「同じ釜の飯を食った」という言葉があるように、同じ教育を受けて、同じ言語を喋って、同じ時代を生きてきた人たちは、家族像など様々な面で統一性が非常に高い特徴があります。かつて終身雇用制が普通だった時代には、1つの会社に入ったら退職までその会社で過ごすため、その会社のコンテクストに染まり、退職後、別の会社に再就職したら全くこれまでのやり方が通じないという状況が生じていました。「うちの会社の常識は、そちらの会社の非常識だった」というようなことが日本では多くあります。

これは、実は日本では、聞き手の能力がとても高く、相手の意図を汲む・察する能力に長けているため、たとえコミュニケーション相手の会話能力が弱くても、察してもらえるわけです。結果として、話し手の責任も問われず、曖昧なままでもOK、ロジックがなくっても言いたいことが伝わるのでコミュニケーション出来るのが日本語です。
しかし、欧米は逆です。主語・述語・目的が明確です。そのため、話し手側の努力が必要です。多国籍国家の場合、そもそも前提とする価値観が異なるため、相手に自分の意図を正確に伝えるためには、話し手が努力をして前提を揃えて、「こういう前提でこうなんです」「言葉の定義はこういう定義です」と話し手が努力して丁寧にコミュニケーションをとっていく必要があります。そのため、言葉にもすごく拘るという人も多いです。

まずは、日本と諸外国との違い、特徴を理解することが非常に大事です。更に日本ではこれまでは「転職をする」という文化もあまり無かったため、一つの会社に長く勤めていたわけです。しかし、これからの時代は社外の人や多職種の人など、全く違う人とプロジェクトを組んでく、あるいは外国の人と仕事をするなどグローバルで多様な環境の中で仕事をしていく機会も増えてきています。「何か少し最近、コミュニケーションがしんどいな」と感じている方がいらっしゃるとしたら、今お伝えしたような前提の違いからきているかもしれません。よく転職した人が、前の会社ではすごい実績を上げていたのに、新しい会社に来たら全く実績が上がらないということがありますが、それは自分の前提をこちらが伝えなくても相手にくみ取ってもらえる環境下だったから出来ただけで、前提を伝えることが不得意だと次の会社では上手くいかないみたいなことが起こる可能性があります。

今、AIがどんどん生活の中に取り入れられてきています。これまでは、日本語は非常に文法構成が特殊で、中国語や英語と全く異なるため、言葉の壁が新規参入の障壁になっていました。例えば、海外から日本に新規参入しようとしても、日本語に翻訳してくれる人が居ないと日本市場に参入出来ないということがありました。しかし、今後どんどん技術が発達していくとそれも自動翻訳機能で突破できる日が来るかもしれません。何がGoogle翻訳などAIの世界で扱われる言語力なのか、人間にしか出来ない言語力はどこなのかという見極めをしながら、人間に残るコミュニケーションの力を鍛えていく、あるいは、そこで戦っていくことは可能です。

今後の自分の能力開発を考える上で、1つの強みとして言葉を扱うことが得意な方は、人間にしかできない言語力をもっと鍛えていくといった発想があっても良いのではないかと思います。言葉はその人の世界観の豊かさだと思います。ピッタリの言葉がなかったら表現しきれないわけですが、言葉が豊かな人は、絶妙な違いを上手く表現できたり、的確な言葉で表現したりすることができます。語彙力の豊かさが可能にする世界があると思うので、そうしたまだ人間にしかできない能力を磨いていくと良いのではないでしょうか。特に日本においては中々翻訳できないこともあるため、大事な力だと思います。

自分が持っていない言葉を持ってる人と出会っていくと新しい世界とか言葉が広がります。言葉が広がるということは、情感が広がって世界観が広がっていくということに繋がるため、そういった意味では沢山の人と出会って、普段接する機会のない全く違う領域の専門家とお話をすることで、どんどんどんどん言葉を扱えるところが広がっていくのではないかと思います。

個人的には下手に英語を学ぶよりも、豊かな日本語を操る能力の方が価値が出るかもしれないと思うことがあります。言葉を扱っていく力。そして、言葉以外のボディランゲージも含めて、いかにコミュニケーションを豊かにしていくか。それを人間にしか出来ない能力として鍛えていくという発想もとても大事なのではないかと思います。

では、今日のまとめです。
人間にしか出来ないところは何処なのかということは、これからの能力開発を考えていく上でも極めて重要な中心概念です。自分が得意でやりたいこと、人間にしか出来ないことが何かを見つけながら、楽しみながら能力開発をしていってほしいと思います。

分野: リーダーシップ開発/倫理/価値観 |スピーカー: 村尾佳子

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