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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ビジネスパーソンの悩み相談⑱セクション制について (リーダーシップ領域/田久保 善彦)

ビジネスパーソンの悩み相談⑱セクション制について

田久保 善彦 リーダーシップ領域

19/09/30

今日のお悩みは「セクション」についてのお悩みです。セクションが異なるとなかなか情報が通じないことが多く、縦割りを止めたいのだが、なかなかやめられないというご相談です。

あらゆる会社・学校・組織を見渡してみても縦割りが全くないというところはありません。どうしてもある程度の規模になってくれば、部署・チームに分けざるを得ない状態になります。それは何故かというと、やはり1人のリーダー(マネジャー)がしっかりと見ることが出来る人間には限度があるためです。仮にスーパーマンのような人がいて一度に100人全員を見ることができるのであれば可能かもしれませんが、一般的にはやはり7~8人位が限度だと言われます。人間は自分が帰属している最も小さいチームに強い帰属意識を持つため、会社があり、部門があり、部があり、課があって更にチームがあるとすると、人間は「チーム」という最小の集団に自分の帰属意識を凄く求めるようになります。そうすると、何となく私は何々会社の人間ということよりも、私は何々チームの人間であるということが感覚的にも強くなってしまうため、壁が生まれたり、情報の囲い込みが生まれたりするというのが人間の本能なのです。しかし、これは非常にもったいないことです。他の部署の情報を知っていれば、こちらにも活かせたかも知れませんし、相手にとっても有益な情報があったかもしれません。しかし、所属意識が壁となって情報の共有が阻まれてしまう可能性があるのです。

では、どうしたら良いのかというと「これは人間の本能である」と割り切って捉え、縦割りがあるということは、情報の囲い込みがあるということを前提に、組織や仕組みなりを作っていくことが重要になってくるわけです。

ここで一つ、最近多くの会社で取り入れられているようなフリーアドレスを例に考えてみましょう。席が固定されていると、AチームはAチームの場所に毎日座っているわけですが、Aチーム・Bチーム・Cチームの3チームからなるA部をフリーアドレスと決めると、明日隣に座っている人は、別のチームの人かも知れません。そうすると、喋らないわけにもいかず、隣でなにやっているのか気になってくるかもしれません。このように、いわゆる会社の机を固定しないというフリーアドレスは部門の垣根を下げるための1つの良い方法かも知れません。

それから、情報を共有することが良いことだという社風を作っていくってことも重要だと思います。情報を発信して下さいと言われて発信しても、誰も何にも反応してくれないとなると発信する意欲がなくなってしまいます。フェイスブックなどに代表されるSNSは、何か発信すれば「いいね」が付き、その「いいね」を貰うのが嬉しくてまた発信するという人間の心を上手く使った仕組みになっていると思います。例えば、そういう「いいね」機能のようなものを会社のコミュニケーションツールに使っていくというのは、最近多くの会社が取り入れ始めています。本当に良いと思ったこと発信したら、SNSで「いいね」がつくように、会社の情報発信の際にも簡単にコメント出来るような機能が付いていれば「ありがとうございます」くらい付くかもしれません。メールでわざわざ「今回のこの情報をありがとうございます」と毎回返信するかと言われると、書かないですよね。しかも、個人宛てのメールではなく、会社のみんなが読めるような状態にしていたら、「誰かが返事するだろう」と思って、返事しないことも多々あります。そのため、基本的には人間というのはそうなりがちであるということを前提にした上で、情報システムや物理的な席の配置などを工夫していく必要があります。単なる精神論で「もっと共有した方が良い」と言うだけでは、人間の本能に反しているような気がします。

「失われた何十年...」という言い方をしますけれども、今から20~30年前の日本の会社には社員食堂があり、昼になるとみんなそこでご飯食べていて、隣の部署の人々と情報交換が出来ていました。社員旅行みたいなものに行きました、忘年会ありました、花見に行っていました、社内で運動会を開催していましたなど、社員間のコミュニケーションを円滑にするような仕組みがいっぱいあったと思います。しかし、この20年ほどの間に、「コスト削減」という名の元に社員旅行がなくなり、宴会がなくなり、社内の飲み会がなくなり...コミュニケーションの場がなくなってしまっていったわけで。にも関わらず、縦割りはけしからんとだけ言っていても、話は進みません。

意外とグーグルのような会社は、クラブ活動が凄い盛んだったり、社員食堂が豪華で美味しいという話を耳にします。従業員のコミュニケーションを円滑にする要素は他にもたくさんあると思います。日本の会社には、これから先こういうことが本当に大事だと思うのであれば、精神論だけではなく、どうしたら社員間のコミュニケーションを円滑にすることができるのかを構図的に考える必要があるのではないかと思います。

では、今日のまとめです。
セクション割りの話はどこにでもあると思います。チームが壁となり、情報共有を阻んでしまうというのは人間の本能です。人間は本能的にそうなってしまうということを前提に、情報システム、席の配置、イベントをもう1回復活させる、運動会を実施するなど、目的を設定した上で一番効果的なものを、もう1度復活させる、あるいは新しく導入するといった工夫をしてみていただけたらと思います。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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