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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > トランプの世界 (企業財務 M&A/村藤功)

トランプの世界

村藤功 企業財務 M&A

19/08/28

今日もトランプさんのお話をしたいと思います。トランプ体制に我々が信じられる人は、まだいるのでしょうか。マティス国防長官とかケリー主席補佐官とか、立派な人たちが色々いたじゃないですか。しかし、気が付くといなくなっています。マティス国防長官が辞めてから、なかなか次の国防長官が決まりませんでした。

最近、エスパー国防長官にやっと決まったかと思ったら、色々大変なこと言い出しているわけですよ。核軍縮の中で、INFとSTARTという2つありました。しかし、INFは8月2日に失効したのでもうありません。アメリカに言わせれば、ロシアは約束を守っていないし、中国は元々約束に入ってないということで、「意味がない」と言っています。新しいエスパー国防長官は、アジアに中距離ミサイルを配備する必要があるとしています。アジアとは、例えば、日本とか韓国みたいな同盟国のことです。そのミサイルとは何かいうと、超音速ミサイル。今、アメリカとロシアと中国で、どこでも1時間で撃てる超音速ミサイルの開発競争をしているところです。それができたら日本に置こうみたいな話にアメリカの中ではなっていて、そんなことをするのだったらうちもアジアに置くとロシアが言っており、中国は元々アジアですからもちろん置くのですよ。どこからか、とんでもない音速のミサイルが飛んでくる。さらにそれに核が乗っかっていたりすると、正直に言うと日本が受ける脅威は北朝鮮どころのではありません。また、STARTと言う、大陸間弾道弾(ICBM)に関する条約は一応まだあるのだけど、これにもアメリカは中国が入ってないしロシアも約束を守ってないと言っていて、多分更新できないでしょう。2021年2月に切れる予定でまだ一応有効だけど、核軍縮の約束をひとつは破って、もうひとつももう止めようよと今言っているというのが、エスパー国防長官が国防を担当するアメリカです。

2つ目の困った話です。モラー特別検察官がロシアゲートの捜査報告書を出しました。それを見てバー司法長官は「なるほど、白ね。」と言って、何にもなかったみたいなことを言っています。それを聞いてトランプ大統領は喜んじゃったのですが、モラー特別検査官は「でも、本当に言いたかったことはちょっと違う。現職大統領は起訴できないルールがあるから、起訴していないだけだ」みたいなことぶつぶつつぶやいたもので、みんなびっくりしました。最近、モラー特別検察官対バー司法長官の戦いが問題になっているところです。

ともかく弾劾手続きが始まらなかったので、来年の大統領選挙は恐らくトランプが再選するでしょう。共和党は何と9割以上がトランプ支持という恐ろしい状況です。トランプさんがいったい何をしているのかというと、貿易赤字が80兆円位あり、40兆円位は対中国だけどその半分位なくせとまず言ってみました。しかし、簡単に中国がOKしなかったもので、関税上げるぞと言いました。第1弾と第2弾を合わせて500億ドルに25%の関税。3弾目の2000億ドルについて今年の5月から25%関税掛けるという話で、第4弾として残りの3000億ドル分について9月から10%関税を掛けるぞと言ったのですよ。そうしたら、アメリカ人やアメリカ企業も含めて悲鳴を上げたもので、トランプ大統領はちょっと考えて、それなら第4弾のうち4割は9月から10%に上げるけど、6割は12月15日のクリスマスの仕入れが終わって、みんなクリスマスの買い物ができてからにする、と言ったのです。でも10%は終わりではなくて、トランプ的に言うと10%はファーストジャブで、もうちょっと経つと25%まで上げるということで、まだ何か延々ともうやっているなという感じです。

アメリカにとって2番目に貿易赤字が大きい相手国はメキシコです。アメリカ市場に売りたいのだったらサプライチェーンを変えろ、メキシコにある製造工場はそのままは許さんぞ、みたいなことをやっています。また、貧困とか国の独裁者にいじめられている中南米の人達がどんどん北上してメキシコを通ってアメリカに来るので、これを止めるために壁を作りたがっています。議会が壁を作る予算を許さないので、国防費を流用することを思いつきました。裁判所は、一旦「許さん」と言ったのですが、この間最高裁がOKしちゃったのですよ。それでトランプは狂喜乱舞して、最高裁だって俺の言っていること認めているだろうと言って、国防費を流用してメキシコに壁を作ったのです。それから、メキシコに次に何を言ったかというと、中国の関税25%で味を占めたのか、関税を使ってメキシコからの流入を止めようとしたのです。まず5%上げるぞ、それでも流入が止まらないのだったら10%にするぞ、その次15%、20%、最後は25%だと叫んだわけです。メキシコも困り、とり敢えずメキシコ南部の他の国から入って来る国境に人を置いて、入ってこないようにすると言ったらしいのです。ところが、治安部隊がそこで何するかというと、何か眺めているだけらしいのですよ。入って来てどんどん行こうとする人達をどうやって強制的に止めるのかというと、銃殺するわけにもいかないし、簡単には止められません。

そうすると時間の問題かもしれません。またトランプが怒って、5%だ、10%だ、15%だと言い始めると、困るのは企業です。メキシコの安い労働賃金で何か安い物を作ってアメリカに売ろうみたいに思っているのが、5%、10%、15%と関税がかってきちゃうと、メキシコに製造工場を作るプランももう無理になって来る。中国に25%みたいな話も、それならベトナムに移そうとかフィリピンに移そうとかするでしょう。しかし、アメリカにとって別に中国からの輸入がベトナムやメキシコからの輸入になっても、同じ輸入ですから赤字が減るわけではありません。中国に対する赤字が減るだけで全体の赤字は全然減らないのです。だから、いったいどういう意味があるのか良く分からない。中国とアメリカの貿易戦争で何が起こっているかというと、中国のアメリカ製品に対する不買運動でアメリカの中国に対する輸出の方がすごい勢いで下がっています。何やっているのか良く分からないのだけど、言うことを聞かないと許さんという状況ですね。

今日のまとめです。トランプが来年再選される可能性が高まっています。米中貿易戦争でいったい何を結局得ることができるのかは良く分からないのだけど、アメリカ国民は対中戦争に喜び、世界中の企業は困っています。アメリカ市場に売りたい人はサプライチェーン変えないといけないかもしれないし、かといって中国市場は存在して拡大しているところなのでそれを忘れるわけにもいかない。アメリカと中国の両方に売るためにいったいどこに何を作ったらいいのかということで、みんな頭が痛いという状況です。

分野: その他 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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