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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 九州の港湾の将来像① (国際経営、国際物流/星野裕志)

九州の港湾の将来像①

星野裕志 国際経営、国際物流

19/08/05

唐突ですが、日本にはいくつくらいの港があるか想像できますか?今年の4月時点での国土交通省の調査では、全国で合計993港もあるそうです。日本の鉄道の駅は、JR私鉄を合わせて9,000 を超えるようですので、その一割程度ですが、それでも全国に大変な数の港が点在していることになります。その中で特に重要なのが、海外との貿易などに活用される国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾と呼ばれるものですが、これらの種別の港だけでも全国に125あります。博多港と北九州港の2港が国際拠点港湾に指定されていて、その他九州には25港の重要港湾があり、合わせると全国の5分の一以上にあたる27港があります。更に全体では、なんと国内993の港のうち315港が九州にあります。九州は離島も漁港もありますが、日本全体の3割以上が九州ということになります。

最近、北欧の国を訪問することが多いのですが、コペンハーゲン、ストックホルム、ヘルシンキなど、港を中心に首都が形成されていて、実際に今でも船が交通手段として重要な役割を持っています。特にデンマークやスウェーデンは、海洋に乗り出したバイキングの伝統がありますから、余計に市民の間に、海や船に対する親近感があるようです。その点、福岡でも直ぐそばに博多港があっても、残念ながらなかなか港を意識することは、ないかと思います。そこで、港の存在を改めて考えるということで、九州にある港湾とその将来像についてお話をしたいと思います。

最近は福岡にも長崎にも、頻繁にクルーズ船が寄港しています。クルーズ船の寄港は、観光客を運んできてくれるという点で、重要な役割を果たしていますが、それ以外にも、港は九州経済にとっても私達の生活にとっても、とても大きな意味を持っています。港の役割を改めて見直して、将来の九州の発展に貢献する港湾のあり方を提言するために、まさに産学官の関係者が共同で一年半討議した結果を、最近「KYUSHUコネクトポート構想 2030年に向けた九州管内の港湾施策」という報告書にまとめました。この委員長を担当させていただいたので、その内容を少しお話させていただきます。

まず九州において、港の持つ役割と重要性と考えると、3つに集約できるかと思います。1つ目は、交流・交易の活性化です。アジア地域の活力を取り込むために、海外との貿易の促進あるいはクルーズ船、高速船やフェリーによる人的交流の活発化が、ますます期待されます。先ほど言われた博多港と長崎は、昨年のクルーズ船の寄港数において、国内で第一位と二位でしたが、クルーズ船の乗客の消費は、内需の拡大や雇用に寄与しています。

2つ目は、地域活力の創造です。九州は自動車アイランド、半導体アイランドとも言われていますし、国内の約2割の生産量を持つ農作物もありますが、これらの産業を支えるためには、港湾が不可欠になります。

3つ目は、暮らしの質と防災性の向上です。九州には多くの離島があります。安定的な離島航路を運営することで住民の生活を守り、また環境と調和しながら自然災害への備えなどの点でも、港は大きな役割を担っているといえます。離島の生活は船と港が担っていると言えますし、台風や洪水、地震などの自然災害の際には、救援物資の輸送なども、必要になります。

交流・交易の活性化、地域活力の創造、暮らしの質と防災性の向上と、港の持つ3つの役割についてお話しましたが、九州の特性から考えると、港は特に重要なインフラストラクチャーと言えます。特に九州にとって港が重要な理由は、まずはアジアとの近接性が挙げられます。近いからこそ様々なビジネス・チャンスに繋げられることになります。例えば、韓国から自動車部品を輸入して、完成車を中国に輸出すること、あるいは農作物を香港に輸出すると行った点です。

さらに、その近接性からクルーズ船の寄港の多さもそうですが、アジアと繋がる多くの地方航路があって、直接の貿易が可能になります。国内でも特に、ロケーションにおいて優位性があるといえます。また先ほどお話したとおり、九州の多くの離島の存在や自然災害のリスクの高さも、他の地域よりも考慮するべき点かと思います。

今日のまとめ:
産学官の関係者が、九州の発展に貢献する港湾のあり方をまとめた「KYUSHUコネクトポート構想 2030年に向けた九州管内の港湾施策」という報告書の内容をご紹介しました。
数において、日本全国の3割を占める九州の港湾の存在は、交流・交易の活性化、地域活力の創造、暮らしの質と防災性の向上といった3つの点で、大変に重要であることをお話しました。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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