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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ジョンソンのEU離脱 (企業財務 M&A/村藤功)

ジョンソンのEU離脱

村藤功 企業財務 M&A

19/08/27

今日は、ジョンソンのEU離脱という話です。振り返ると、国民投票をしたのは2016年6月です。3年くらい前で、あれからすごく時間が経ちました。2年半前ぐらいの2017年3月に離脱通知を出して、それから2年後の今年3月には離脱している予定だったのです。ところが、去年の11月に作った暫定案について、イギリス議会が全然OKを出してくれません。今年の1月から3月にかけて3回も議会に提案したのだけど、圧倒的多数で否決されました。イギリス議会は、6月まで待ってと言えと。ところが、EU側は6月まで待っても無駄ではないのか、10月ぐらいでないと無理でしょうというので、10月にしようとなりました。ただし、待てというのだったら5月のEU選挙には出てねということです。今はEU選挙が終わって、10月末離脱の予定です。そのため、6月に延長をEUにお願い出来なかった責任を取って、メイ首相からボリス・ジョンションに変わったのです。外部から見るとそれは彼女の責任なのかというのは疑問なのですけど、「私のミッションだったEU離脱が出来ませんでした、ごめんさない」と言いながらメイ首相は辞めていった。

ジョンソンは元々国民投票の頃から絶対離脱するぞと考えており、首相になった途端にEUのトゥスク大統領にちょっと合意案を変えて欲しいと言いました。アイルランド問題への対応策は暫定案の中で1回合意したのですが、ジョンソンは不満です。北アイルランドとアイルランドは揉めていて、テロが数多く起こりました。もし、ちゃんと国境を作って管理するとまた揉め事が起こるのではないのかというので、国境管理どうするのかが問題です。暫定案の中ではいい方法を思いつかなかったら北アイルランドだけでなくて、イギリス全体が関税同盟に残ってしまうというので、それは絶対嫌だとイギリス議会は合意をしなかったのです。ジョンソンはそこのところは暫定案から削除してと言ったのですが、トゥスク大統領は前から変更に応じないと言っているでしょうと応じませんでした。

EUの3トップって知っていますか? メルケルさんは実質上のトップですけど、EUのトップではなくてドイツのトップです。EUのトップは、ユンケル委員長です。それから、トゥスク大統領とヨーロッパの中央銀行であるECBの総裁がいます。EUの選挙が5月にあったのですけど、EU議会の新勢力に応じてトップが変わるのです。これまで委員長はユンケルさんでしたが秋からフォンデアライエン委員長になって、トゥスク大統領がシャルル・ミッシェル大統領に代わって、ECBのドラギ総裁がラガルド総裁というIMFの専務だった人に代わります。そう意味では、現在のユンケル委員長とかトゥスク大統領といったもう任期が終わる事が分かっている人に色々言っても、OKするわけがありません。次のトップじゃないと色々な事を決められないでしょうと普通は思うでしょう。

ボリス・ジョンソン新首相は、暫定合意案はイギリス議会で不人気でこのままじゃ通せないから、アイルランド問題の安全弁として良いことを思いつかなかったら関税同盟に残るという部分を削除してくれないかと、現在のトゥスク大統領に言いました。しかし、トゥスク大統領は駄目と言っているでしょうと全然対応していません。おそらく、新しい委員長・大統領が出てくるまで対応出来るわけがないという状況です。

それならどうするのということで、保守党が何をやっているのかです。合意なき離脱は嫌だという人達がたくさんおり、合意なき離脱を強行しようとすると内閣不信任案が出て来る。保守党の中でも合意なき離脱は大嫌いな人がいっぱいいるので合意なき離脱を強行しようとすれば内閣不信任が成立する可能性があります。不信任が成立するのは嫌なので議会を閉じようかという悪巧みが1つあり、そんなことが出来るのかと法廷争いに今なっているところです。そこで、不信任はいいとして、不信任されてその後解散総選挙するまで時間があるから、解散総選挙の前に強行離脱してしまえ、離脱の後に解散総選挙だ、というのをジョンソン首相が画策しているところです。

一方で、労働党です。労働党の党首は元々穏健離脱で関税同盟に残ればいいと言っていました。そこで、第2回目の国民投票をやってもいいという立場に今変わってきているのです。イギリスのルールでは、内閣不信任から14日以内に新政権を組閣できれば解散総選挙はしなくていいというのがあります。14日以内に反ジョンソンの組閣をして、離脱時期を10月末から延ばし、延ばしながら2回目の国民投票をやろうというのを、今、労働党が画策しているところです。

保守党と労働党が色々なことを画策しています。国内政治ですからどっちが勝つのか分からず、これから9月~10月に向けてばたばたするでしょう。そして、10月~11月になり片方の当事者であるEU委員長・大統領が代わっても、おそらく変更にOKとかはしないでしょう。多分議会を閉じるみたいな案は無理ですけど、議会を閉じなくても不信任されて、だけど強硬離脱するのは出来るかもしれない。合意なき離脱の場合はお金なんか払わないとジョンソンは言っているし、けっこう大変な事になっています。

今日のまとめです。メイ首相がボリス・ジョンソン首相に代わったのですけど、よく分からないことになっています。ジョンソン首相は議会を閉鎖しようとか解散総選挙前に強硬離脱しようとか言っているのですけど、労働党は内閣不信任をして反ジョンソン内閣を組閣して離脱時期を遅らせて2回目の国民投票をしようというので、これからどうなるのかまだしばらく目が離せないという状況ですね。

分野: その他 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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