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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 印象操作の機能と種類 (産業組織心理学、社会心理学/三上聡美)

印象操作の機能と種類

三上聡美 産業組織心理学、社会心理学

19/07/16

前回は、人は自分自身を良く見せようと印象操作をするということについてお話しました。
心理学ではこのことを「自己呈示」と呼びますが、人はだれに対しても同じ自分を見せているわけではないということです。人は、気に入られたいと思う相手には自分を良く見せようとし、きちんとしないといけない面接の場面などでは、スーツをビシッと着て仕事が出来るということをアピールするようなこともするわけです。そして、それは意識的な場合も無意識に行っている場合もあるということです。

今日は、「印象操作の機能と種類」についてお話します。

まずは、印象操作の機能を3つほどご紹介します。

1つ目は「報酬の獲得や損失の回避」です。
印象操作をすることで、自分自身のプラスのものを得たり、マイナスのことを避けたりすることができます。上司に贈り物をしたり、良い部下を演じることで次の昇進を期待することが例として挙げられます。

2つ目は「自尊心の高揚と維持」です。
自尊心はプライドのことと捉えてください。他人からよい評価を受けることで自尊心が高まります。
急な仕事が入った場合に、残業して仕事を頑張ったことを同僚や上司から褒められたり感謝されたりすると自尊心は高まりますよね。

3つ目は「アイデンティティーの確立」です。自分は優しい人間だと思っていても、他人からはそう思われていないというように、自分自身が思う自分と、他の人が思う印象がズレていることがあります。そういった場合、例えばバスの中でお年寄りに席を譲るなど優しいイメージの印象操作を行うことで、他の人から優しい人間だと認めてもらうことが出来ます。そして自分でも改めて、自分は優しい人間であるとアイデンティティーを確立するのです。

前回も触れましたが、「印象操作する」というとどうしてもマイナスのイメージがあり、あえて意図的にそうするというイメージがありますが、印象操作することによって自分がそういう人間であるというアイデンティティーが確立されるなどプラスに働くこともあります。

さて、ここまで印象操作の機能についてお話をしましたが、次は印象操作の種類についてお話します。
印象操作の仕方については「主張的な印象操作」と「防衛的な印象操作」の大きく2つに分けられます。

「主張的な印象操作」とは、相手に積極的に良い印象や悪い印象を与えようとするものです。主張的な印象操作の種類にはいくつかありますが、その中から今回は3つご紹介します。

1つ目は「取り入り」です。
お世辞を言ったり、相手の意見に合わせたりすることで、相手から好意的に見てもらおうとすることです。

2つ目は「自己宣伝」です。自分が優れた知識や技術を持っていることをアピールすることで能力があると思われようとすることです。

3つ目は「威嚇」です。相手に恐怖感を抱かせて相手に自分の要求を受け入れさせようとすることです。

次に「防衛的な印象操作」についてです。防衛的な印象操作とは、相手から否定的な印象を抱かれた場合に、自分のイメージをそれ以上傷つかないようにしたり、少しでも良い方向に変えようとするものになります。

1つ目は「言い訳」です。自分に責任があるということを回避しようとします。
2つ目は「謝罪」です。被害を与えたことに対する責任を認めることで相手を納得させたり許しを求めたりします。
3つ目は「セルフ・ハンディーキャッピング」です。自分の能力が評価の対象になる可能性がある場合に、そこで高い評価を受けられるかどうか自信がない場合に、あえて不利な条件を作り出すことになります。試験の当日に「昨日は用事があって全然勉強が出来なかった」というというのもこの例になります。

この「主張的な印象操作」と「防衛的な印象操作」とは別に、日本人に特徴的な印象操作として「謙遜」があります。謙遜をすることで相手から好意的な評価を得られることもあります。

例えば、自分は駄目な人間だといった謙遜をすることで、「そんなことないよ、あなたはいい人だよ」といった好意的な評価を引き出すことが出来ます。ただし、常に謙遜している場合には、相手から良い評価を得られるとは限りません。あまり謙遜しすぎると良い評価をもらいたがっている人だと思われてしまうこともあるため注意が必要です。

さて、ここまで印象操作の種類についてお話してきましたが、相手に対してどのように自分を見せることが効果的なのでしょうか。こんな言い方をするともっともらしい見せ方があるような感じがしますが、大切なことは「無理をしない」ということだそうです。
例えば、明るい性格の人がおとなしい性格の人に振る舞おうとしても上手くはいきません。逆におとなしい性格の人が明るい性格の人に振る舞おうとしても上手くはいきません。また就職活動などでは正直な自分をアピールする方が良いという研究もあるそうです。結局いい格好して就職試験に合格してもその後一緒に働いたらやはり色んなことがわかってくるため、最初から正直に自分を出すということが大切なのかもしれません。

では、今日のまとめです。
今日は、「印象操作の種類と機能」についてお話しました。私達は、人と関わるときにありのままの自分を常に見せる必要はありません。時と場合によって印象操作を行っていけば良いのですが、あまり計算高く印象操作をしようとすると、それが返って裏目に出てしまって印象を悪くしてしまう可能性もあるため、適度な印象操作を心がけましょう。

分野: 社会心理学・組織心理学 |スピーカー: 三上聡美

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