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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中国のアメリカ対応 (企業財務 M&A/村藤功)

中国のアメリカ対応

村藤功 企業財務 M&A

19/07/09

今日は、中国のアメリカ対応という話です。ちなみに中国の共産党員って9000万人ぐらいで、14億人の6%です。すごい少数で多数の人達を管理しているという状況ですけど、周りの香港とか台湾あたりも取り込もうとして大変な事になっています。アメリカと揉めているために周りの、日本や韓国を取り込もうとしています。日本には今年トランプ大統領が来たので、来年の桜が満開の頃に国賓として習近平さんにお越し頂こうということになりました。韓国は、アメリカと中国のどっちが大事なんだ、と今中国に踏み絵を踏まされているところです。韓国は中国経由でけっこうアメリカに売っているので、アメリカも中国も両方大事で、そういう事を言われるととても困ります。ところが、中国経由でアメリカに売ろうとすると25%関税とか色々あるので、サムソン電子とかLG電子や自動車メーカーはどうしたらいいか分からないという状況ですよ。

そもそも、中国の国際的な経常収支はどうなっているのか知っていますか? 経常収支の中には、貿易収支とサービス収支があります。貿易収支は4000億ドルの黒字ですけど、サービス収支は3000億ドルの赤字です。貿易収支だけで見ると世界中に売りまくっているように見えるのですけど、サービス収支は大変な赤字なのです。海外に中国人が旅行に行って爆買いをして帰ってくるといった、実質的な貿易みたいなことを個人でやっているというようなことを含めると、本当にそんなに大きな貿易赤字なのかというのも疑惑です。また、中国が大きくなってきているので、人民元決済もけっこう増えています。今までドルの決済はSWIFTを通してやっていたのですけど、CIPSという中国の人民元決済もすごい勢いで今増えています。今ではドル決済の4分の1から3分の1ぐらいまで増えつつあるところで、将来どうなるか分からない状況です。アメリカは、結局、アメリカ市場にアクセスさせない為に関税25%を課すみたいな戦いをやっているわけですけど、中国は何をやっているかというと、一帯一路で市場拡大をやっています。ヨーロッパまでの陸路と海路で65か国を通り、合計44億人の人口がそこにいて、2000を超えるプロジェクトがあるのです。したがって、アメリカが閉じても中国市場が拡大を続けているというのが今の現状です。

RCEPという、交渉中の自由貿易協定があります。これは中国とかインドとかパシフィックが参加予定の協定ですけど、この間、中国がインドとパシフィック外しを提案したのです。インドは大国ですけど関税でまだ保護したいので、関税撤廃反対です。パシフィックはアメリカの言いなりなのでインドとパシフィックを外してやれという風に中国が言い出しました。そうしないと今年中に合意出来そうにないということで、見通しが悪くなってきました。米中の貿易戦争が今最大の世界の経済問題ですけど、この間第3弾として2000億ドルまでの関税を25%にしました。G20で習近平とトランプの会談があって第4弾の3000億ドル分については、25%の関税を先送りにしました。まだ少し交渉をすることにし、ファーウェイにもアメリカ企業から多少は売ることにするみたいな事を合意しました。現在汎用品10億ドルまでは各企業が取引していいのではという話になりつつあります。

中国市場が拡大しているので、アメリカ企業は、本当は中国に売りたいのです。アメリカはアメリカの事だけを考えていればいいわけではなくて、これはトランプとしても必ずしも無視出来ない事です。本当に残りの3000億ドルに25%の関税をかけられるのかどうかというのはちょっと怪しい話です。2018年の中国の実質経済成長は6.5%前後と言っていたのですけど、2019年度は6.0~6.5%と言っています。アメリカが25%関税をかけて、アメリカ市場に売るための工場を中国から他に移すとかそういう事をやり始めると、6%を切るのではないかという疑いがあるのです。中国は6%を切りたくないもので、一帯一路で中国市場拡大を加速しつつあるという状況です。

一方、中国で豚コレラが発生したので、豚肉でトラブっています。中国人民にとっては豚肉はとても大事で、中国が豚を買い始めると世界中の豚肉価格が上がるため、これは大変な事ですよ。大豆はアメリカからの輸入が7割ぐらい減ったので、中国としてはしょうがないから補助金を出す事にしました。大豆も豆腐を作るために中国にとっては大事で、大豆が無いと困るということですけど、ころころ補助金を変えられても不安定な補助金を頼りに農作物の変更はしにくいと中国の農民がなかなか言う事を聞いてくれず中国も困っているわけです。今回のG20の合意というのは、大豆をまたアメリカから買うという話も中に入っているような状況ですね。

中国の小売りに何が起こっているか知っていますか? 外資で言えばウォルマートとカルフールが大きなスーパーを中国に持っていました。ところがウォルマートはアリババに押されています。中国では、eコマース(ネット通販)がすごい勢いです。ネット通販でアリババに次ぐ第2番に京東(ジンドン)と言う会社があり、ネット2位のテンセントの傘下にあるところですけど、そこに出資したりして何とか対抗しようとしています。しかし、それでもあまりうまくいかなくて、15店舗ぐらい閉鎖したところです。カルフールはギブアップしました。カルフールは中国で210店舗ぐらいの巨大なスーパーを持っているのですけど、駄目だという事で8割ぐらいは蘇寧電器に売却したのです。蘇寧電器はアリババが2割ぐらい持っており、そう意味ではアリババがすごい勢いです。ウォルマートとカルフールは、なかなかやっていけなくなってきたという状況ですね。

今日のまとめです。中国がもう工場でなくて市場になったので、アメリカも市場だし中国も市場だという中で、色々な事を考えないといけなくなりました。アメリカは、自分の市場に売りたいのだったら中国から売るなみたいなことを言うので、みんなアメリカ向けのサプライチェーンを変えないといけないわけです。しかし、アメリカ企業も含めて企業は中国市場にも売りたいので、中国市場とアメリカ市場の両方に対応する為にどうしたらいいのか考える必要があります。中国は一帯一路プロジェクトで市場拡大しつつある一方で、アメリカは、言う事を聞かないと自分のマーケットを閉じると言い始めています。G20で第4弾の3000億ドルに対して25%の関税をかけるというのはみんな困るのでとりあえずやめたのですけど、まだ先送りと言っており、これからの話次第ではまた復活するかもしれません。そうなると、世界経済は一体どうなるのか見えないという状況です。

分野: その他 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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