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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 企業を守るクライシスマネジメント (企業倫理、リスクマネジメント/平野琢)

企業を守るクライシスマネジメント

平野琢 企業倫理、リスクマネジメント

19/07/30

災害産業事故、従業員の不祥事、テロなど企業を取り巻く危険は様々に存在します。このような危険から企業を守るため、近年ではリスクマネジメントに加えてクライシスマネジメントが重要であることが指摘されています。今日はこのクライシスマネジメントがなぜ重要なのか。そして企業がどのように取り組むべきなのかについて話します。

クライシスマネジメントとは企業などの組織そのものの存続が脅かされるような危機的状況に陥った際に、組織として被害を最小限に抑えたり、2次的な被害を回避する為の対処方法のことで、リスクマネジメントとクライシスマネジメントは違うものと捉えて下さい。簡単に言うと、リスクマネジメントは組織が危機に陥らないように予防する活動、クライシスマネジメントは予防していても組織が危機に陥ってしまった際に対処する活動となります。火災を事例に簡単にまとめますと、火事が起きないようにあらかじめ予防する活動がリスクマネジメント、それでも火事が起きてしまった場合に被害を最小限にする活動がクライシスマネジメントとなります。

最近の状況を見ていると、リスクマネジメントだけではなくてクライシスマネジメントも大変に重要であると言えます。事前に予想出来ない危機が企業において発生している点が、企業においてクライシスマネジメントに取り組まなければならない大きな理由だと私は考えます。企業を取り巻く危機というものは、社会や技術の変化とともに複雑化し、かつ増加していると言われています。このような背景から近年では企業が事前に予想出来なかった危機に突然直面する事例が増えています。

例えば昨今話題となった、従業員による業務中の悪戯行動をSNS上にアップし企業イメージに大きな悪影響を及ぼし、バカッターなどと言われた事件があったと思いますが、これなどはよい事例です。企業がこのような想定外の危機に実際に直面した回数が近年増加しているという調査結果も存在しています。そういったことが起きた時にどう対応するのかということが大変重要で、クライシスマネジメントのポイントになります。

リスクマネジメントは基本的に事前に想定した危機の発生予防を目的としているため、元々予想出来なかった危機に対してはある意味無防備でした。結果、クライシスマネジメントの準備を行っていないと、もし想定していなかった危機に陥った際に、成す術もなく重大な被害を被ってしまい、企業はその存続すら危うくなってしまうということがあるのです。

ではクライシスマネジメントにどのように取り組んだらよいのか。簡単にまとめれば大切なことは2つあると思います。1つは日常から危機は必ず起きるという前提を元に備えを行っておくということです。具体的には突然危機が発生する事を想定した時の対応手順や組織体制の整備、またそれらをマニュアルにまとめて教育することを日常から行っていくことが重要となります。2つ目はより過酷な状況を想定しておくということです。大規模な災害やテロなどが発生した際は、日常生活に必須なインフラが機能していない、あるいは経営者や責任者に連絡がつかないなど、危機を乗り越えるために重要な機能が失われたり、機能しない場合が多くあります。このような重要な機能がなくなってしまったことを覚悟の上で、被害を最小限に抑える、2次的な被害を回避する、速やかに復旧を図れる方法を考えておくこと、それらが非常に重要となります。平時から危機は必ず起こるという前提を元に最も過酷な状況を想定して準備を行う、これがクライシスマネジメントに取り組む際の重要な指針となります。

具体的な企業の取組みを見てみると、クライシスマネジメントに取り組む企業においては危機に陥った際の緊急の組織体制や対応手順、そして情報の伝達や公開や広報のやり方まであらかじめ入念に定めている企業が多くあります。また、これらの企業では定められた手順や組織体制は分かり易いマニュアルに落とされていて、社員に周知徹底が図られていることが多いです。私が調査した企業においては小さなカードに緊急連絡先やこのような危機が発生した際の対処方法をまとめて、社員全員に配布しているなどの事例も見ることが出来ました。リスナーの方の中にも自社の危機管理マニュアルや緊急対応マニュアルなどを見た人も多いのではないでしょうか。また危機に陥った際の過酷な状況を想定して必要な物を備蓄したり、それらの入手が難しくなったことを考えて外部の組織に援助や協力をあらかじめ約束してもらっているような事例もあるようです。さらに進んだ取り組みをしている企業では、危機に陥った状況を実際にシミュレーションする訓練を行い企業の対応力を高める、これをクライシストレーニングと言いますが、これを毎年行っている企業も存在しています。

今日のまとめ:
クライシスマネジメントとは企業の存続が危ぶまれるような危機的状況に陥った際に、被害を最小限に抑える対処法のことです。様々な想定外の危機が起こる現代社会において、企業がクライシスマネジメントに取り組むことは大変重要だと言えます。平時から危機は必ず起こるという前提を元に最も過酷な状況を想定して準備を行うことが大切だと言えます。

分野: 企業倫理 経営リスクマネジメント |スピーカー: 平野琢

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