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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > なくしたものにとらわれず未来志向で生きよう (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

なくしたものにとらわれず未来志向で生きよう

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

19/07/04

今日は、『失くしてしまった物に拘るのは止めて未来志向で生きよう』という話です。
経済学の用語では『サンクコスト』と呼びます。『サンキュー』という『サンク』ではなくて『沈んでしまった』という意味の言葉の『サンク』です。

例えば、本を買いました。読み始めたら、予想と違ってとてもつまらない本でした。そんな時どうしましたか?「せっかくお金を出して買った本だから最後まで読まなければもったいない」と考えて最後まで読んだ人も多いのではないのでしょうか。その結果どうなりましたか?本を買ったお金と、本を読んだ時間の両方を損したわけです。つまらないと分かっている本を読んでもつまらないに決まっているわけですから。

今日の話で大事なのは、払ってしまったお金は戻ってこないのだから、払ってしまったお金の事は忘れよう、ということです。本を買った時に払ったお金は、本を読んでも読まなくてもどうせ戻ってきません。それならば、本を買う時に払ってしまったお金のことを忘れて、今から何をすれば自分が幸せになれるのかを考えるべきだということです。その本を読むのか、散歩に行くのか、昼寝をするのかどれが一番あなたにとって幸せなのか、それだけを考えれば良いんです。レストランに入った時も同じです。出てきた料理がとても不味かったら、食べずに帰って家でお茶漬けを食べる方が幸せかもしれません。レストランの場合、折角作ってもらった料理を食べずに残して帰るのは失礼だということで、そういう理由で無理して食べる場合は仕方ないですが、例えば食べ放題の店に行ってとても不味かったら、これは食べずに帰ってくるのが正しいでしょう。

元を取ることに意味があるわけではないので、レストランにお金を払った以上、その時点で払ったお金のことを忘れて、今から一番自分が幸せになる為には、と考えるということです。会社の仕事でも似たようなことはありますね。例えば、工場が7割方完成した頃にライバルが画期的な製品を発売してしまいました。この工場が完成しても作った製品はあまり売れそうもありません。そうなった時に、会社の中でどんな議論が行われるか。今工事を止めてしまったら今まで払った工事代金が全部無駄になってしまうじゃないか、工事を止めるなんてとんでもない、もったいないぞと言う人が出て来て、最後まで工事を完成させる会社がきっと多いでしょう。その結果として工場が完成したとすると、結局その工場は使われないわけですから工場建設代金が全額無駄になってしまうということになるわけです。途中で止めていれば建設代金の7割だけを無駄にすれば済んだのに、最後まで作ってしまったから建設代金の10割が無駄になってしまったということになるわけです。このように払った代金を無駄にするのがもったいないから最後まで本を読んだり工場を完成させたりする人が多いわけですが、その理由は払ってしまったお金がもったいないからというだけではなくて、自分は馬鹿な選択をしたんだと思いたくないということもあるようです。買った本を読まなければその時点で損が確定して、「なんでこんな本を買っちゃったんだろう。俺はこんな本を買って馬鹿だったな」と思って自分を責めなければいけないわけです。それはとても辛いことなので、この本を最後まで読めばもしかしたら面白いかもしれないぞ、と考えて読むわけです。でもまあ大体の場合は読み終わって、やはりつまらなかったなと思うのですが、そこで負け惜しみを言って、「少しはおもしろかったんだから、本を買ったのは馬鹿な選択じゃなかったな」と自分を慰める、そんな人もいるかもしれません。あまりお勧めできません。工場建設の場合はさらに問題が複雑で、工場の建設を途中で止めましょうというのは、工場の建設を止めた社長が馬鹿な選択をしたんだから改めましょうよって言っているみたいに聞こえるわけです。サラリーマンとしてはとてもそんなことを言い出せないということがあって、誰も止めましょうと言いださずに工場の建設が進んでしまいます。

株式投資についても同様に、払ってしまったお金のことは忘れようっていうことが言えると思います。株式投資、500円で買った株が800円に値上がりしました、どうしたらいいでしょうか。1,000円で買った株が800円に値下がりしてしまったんですけれど、どうしたらいいでしょうかという相談を受けることがあります。どちらの場合も考えることは同じです。この株はこれから800円より高くなるか安くなるかどっちだろうということだけを考えればいいんですね。1,000円で買った株であろうと、500円で買った株であろうとこれから800円より高くなると思えば持っていればいいし、安くなると思えば売ればいいんですね。でも、1,000円で買った株が800円に値下がりすると、今売ったら損が確定してしまう。だから売らずに持っていよう。もしかして値段が戻れば損をせずに済むかもしれないと考える人が多いのです。でも、売らずに持っていたらさらに値下がりするリスクもあるわけですからそこは冷静に判断しましょう。人間は何か損した時の悔しさが儲かった時の嬉しさの2倍だっていう話があるみたいです。だから損が確定するということをとても嫌います。損が確定したらとても悔しいからそれはいやだ、なんとかして値段が戻るのを待とう、って考える人が多いみたいです。でも、それは危険なことで、値下がりするリスクも当然あるわけですから、冷静に判断するべきなんですが、冷静に判断するために一番いいのは毎朝持っている株を全部売るんですね。改めてどの株を買おうかなって考えるんです。そうするとこの株は今800円だけど800円より高くなるかな、安くなるかな、この株買おうかな、止めようかなっていうふうに考えればいいんです。勿論、本当にそれをやると手間もかかるし売買手数料もかかりますから、本当にはやらないですが、頭の中で全部売ったつもりになるということが大事です。ですから昨日までの損とか得とかは今朝一回全部頭の中で売って、昨日はいくら損したな、まあでもそれは昨日のことだ、今日はどうしよう、と一から考えるということです。

今日のまとめ:
払ってしまったお金は戻ってきませんから、未来志向で自分が一番幸せになれる選択肢を探しましょう。買った株は値下がりしても、買った値段のことを忘れて今後の株価の予想に従って取引しましょう。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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