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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 経営環境の変化と自動車産業の対応 (企業財務 M&A/村藤功)

経営環境の変化と自動車産業の対応

村藤功 企業財務 M&A

19/06/27

今日は、経営環境の変化と自動車産業の対応という話をしたいと思います。色々世の中の変化は進み、自動車産業もガラッと変わらなくてはいけないような状況になってきてしまって、大変なことになっています。そもそも、トランプが大統領になってしまったおかげで中国やメキシコからアメリカに輸出すると25%の関税だと言われ、また、イギリスがEUから離脱してしまう為、イギリスで生産していた日本の自動車企業はEU内に生産拠点をおくことを検討しています。生産拠点の見直しが今アメリカ・EUで起こっているのです。また、環境規制も、EUが2030年までに2021年比でCO2排出量の37.5%削減とか、中国は今年から新環境車を10%は作らなくてはいけず、さらにこれが来年には12%になります。日本でも2030年までにリッター25.4㎞走るようにする等、環境対策として色々なことが言われ始めました。

その様な中で、CASE(Connected-Autonomous-Shared-Electricity)といって、電気自動車とか自動運転車とかシェアード自動車とかの話が出てきたわけです。2018年では新環境車は世界では250万台で、その内中国が半分だという程度のものが、2030年つまりあと10年少しくらいで、10倍くらいになるのではないかという話になってきています。しかし、ガソリン車と電気自動車はかなり違うのです。そうなった時に、日本のシェアは一体どうなってしまうのでしょうか? これまで日本は水素自動車に力を入れており、電気自動車はそんなには中心になって追いかけていませんでした。ところが、すごい勢いで電気自動車が走ったもので、皆、ヤバいと言って電気自動車に取り組んでいます。

しかし、色々な人達が、色々なことを言っています。この間、突然、東京電力が電柱にEV充電器を作りましょうと言い始めたのです。また、通信では今の4Gから5Gに早く移った方が勝ちみたいな競争もあるのですが、交差点の信号を5Gの基地局に使おうという話が起きたりとかもあります。電気自動車の競争と5G導入の競争、両方とも電柱使えとか信号機使えとか、あるものを使ってとりあえず早くやれというような話になりつつあります。自動運転車でも、プライスウォーターハウスクーパースは2030年までに8000万台のレベル4以上の自動運転車が世界で導入されるとしています。日本ではレベル3までは法律改正をしたのですが、レベル4とかレベル5といった人間がそこにいないようなものになってくると、相当色々なことしないと無理ということで、今皆で取り組んでいます。

シェアード自動車の話は、アジアではどこが強いのでしょうか? アメリカのUberは、最近赤字になってきています。Uber中国は、滴滴(DiDi)という中国の会社が買ってしまったりとか、シンガポールのグラブだとかインドネシアのゴジェックとかそういうシェアード自動車サービスを提供する会社もたくさん出て来ています。しかし、運転手に8割くらいお金をあげないといけないにも関わらず、研究開発にそれなりにお金がかかり、残り2割ではやっていけないということで、Uberはついに赤字になりました。

自動車会社としては、CASEの世界にいかなきゃいけないみたいになってくるのですが、一人じゃ無理です。そこで、世界中でグループを作って役割分担をしながら皆でやらないとどうも無理という話になってきて、GMやトヨタといった本当の大手までがくっつき始めたという状況なのです。トヨタはこの間ソフトバンクと一緒に「MONET Technologies」というライドシェア専用の自動運転車を作り、来年くらいにはアメリカ・中国・日本で販売する車はすべてコネクテッドカーにしようとか、もう今年からサブスクリプションサービスという、お金をいくらか払えばずっと自動車に乗っていいよみたいなサービスを作り始めています。新車販売の会社かと思っていたら車に乗るというサービスを提供する会社になるということを言い始めて、何を言っているんだと皆言っていたのですけれど、本当にバタバタとすごい勢いで色々なことが変わっています。

日産はご存じのようにゴーンさんが捕まってしまってしまい、これからどうするのでしょうか? ルノーの裏のフランス政府が何かいろんなことを言って日産が嫌がっているという状況から、突然、イタリアのフィアットがルノーとフィフティー・フィフティーでくっつきたいみたいなことを言い始めたので、日産は一瞬ヒヤッとしました。ルノーとフィアットがくっついてしまったら、日産より相当大きくなってしまうので、日産はマイノリティとして発言権が無くなるのではないかと思ったのです。しかし、フランス政府が欲張って、ルノーとフィアットがくっつくのはいいけれど、くっついた時にフランス政府に関与させろとか、ルノー優位の統合にしようみたいなことを言い始めたのでフィアットが嫌がってしまい、「やっぱり私の提案は取り下げます」と言って、フランス政府がそんな面倒くさいこと言うならルノーと統合するのは止めたと提案を取り下げました。

フィアットは元々クライスラーを買っているのです。アメリカではクライスラーのジープを売っており、アメリカでは結構強い会社です。フィアットとルノーと日産が全部くっついてしまったら世界一の自動車メーカーが出来るということだったのですけれど、出来ると思ったら出来なかったということで、とりあえずフィアットはいなくなったのですけれど、ルノーは相変わらず裏にフランス政府がいて日産をコントロールしようというところで、今度の株主総会でも色んな案で色々もめており、これから一体どうなるのかなという状況ですよね。

今日のまとめです。ネットに繋がった電気自動運転車や、ライドシェアの動きが進みつつあります。ガソリン車から電気自動車へはすごい転換なので、単独では技術も資金もとても対応できないということで、トヨタとソフトバンクとGMが組んだりとか、フォルクスワーゲンとフォードが組んだりとか、世界的な連携が進み始めました。フィアットとルノーが統合するのかと思ったら、フランス政府が欲張ったのでとりあえずは破綻しました。しかし、ルノーと日産は一体どうなるのでしょうか? ゴーンさんはもう悪い人ということで忘れようという事になってしまっています。ゴーンさんの問題でちょっと対応が遅れたのですけれど、ルノー・日産グループがどのように自動車業界の経営環境の変化に対応しようかという話はこれから対応を急がねばならない状況です。

分野: その他 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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