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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > トランプ政策とサプライチェーンへの激震 (企業財務 M&A/村藤功)

トランプ政策とサプライチェーンへの激震

村藤功 企業財務 M&A

19/06/26

今日は、トランプ政策とサプライチェーンへの激震という話をしたいと思います。ロシアゲートの捜査報告書がやっと提出されました。モラー特別捜査官がものすごく一生懸命調べたのですけれど、司法省のバー司法長官が証拠不十分で白、みたいなことを言ったのです。モラー特別捜査官は本当にそう言いたかったのかちょっと疑問で、モラー特別捜査官に言わせれば、本当はかなり黒に近いのだけれど現職大統領を起訴できないルールがあるので議会に委ねよう、ということです。完全な有罪とか完全な無罪とかは証明が出来なかったみたいなのですけれど、バー司法長官は白と言ったものでトランプ大統領は喜んでしまって、「白だ、白だ」と言っているわけです。

その為、トランプ大統領が再選されるのではという話になってきました。共和党も90%以上がトランプ支持で、共和党の代表はトランプで固まったという状況です。民主党はトランプ相手だったら勝てるだろうと、今、二十数人も候補者が出てきてちょっと困っている状況です。トランプ大統領は6月18日に出馬表明をして、前は"Make America Great Again"なんて言っていたのが、今度は"Keep America Great"なんて言っています。

しかし、例えばメキシコ国境は一体どうなっているのでしょうか? メキシコに壁を作って入れないようにしようと言っていたじゃないですか。トランプ大統領は、メキシコが対策を取らないのだったら6月1日にメキシコからの関税を5%にして、それから毎月5%ずつ上げていって、25%まで上げると言っていました。しかし、メキシコが上げられたら困ると言って、メキシコの南にあるグアテマラとメキシコの国境に治安部隊を置いて、メキシコに入るところで止めると言ったもので、それなら頑張っているようだから関税は止めようかとなっています。アメリカにとって、中国に次いで二番目に大きな輸入国はメキシコです。そういう意味で、中国とは今貿易戦争をやっているわけですけれど、メキシコともやったら結構大変なことになるのです。

アメリカはとても大きな市場なもので、中国からアメリカに売るとか、メキシコからアメリカに売るとかして、世界中の色々な企業がアメリカに売るためのサプライチェーンを作っています。ところが、中国から売ると25%関税がかかるとか、メキシコから売ると今は関税がゼロだけど、また5%、10%から25%まで上がるかもしれないということになると、メキシコにそもそも工場を作っていいのだろうかと、色々皆悩ましいことになっているわけです。そういう意味で、トランプさんの"Make America Great"のおかげで世界のサプライチェーンが激震しているのです。

そもそも、本当にトランプ大統領が当選するのかですが、どう思いますか? 民主党の一番人気はバイデンさんという人で、過去二回負けているとか、もう76歳になっているとか、セクハラ問題を抱えているとか、色々しょうがないことがある人です。トランプでなくなるのはいいのだけれど、本当にバイデンでいいのかという疑惑もある位です。民主党が出している対抗馬はそんなたいしたものではなくて、バイデンの次の2番は誰かですが、バーニー・サンダースという人が結構人気ですけれど、この人も77歳なのです。アメリカは小さい政府で国民の自由を大事にするという政策を共和党は随分やってきて、民主党はどちらかというと大きな政府の立場です。しかし、今更大きな政府と言われてもいやだって思う国民は結構います。そういう意味では、トランプ大統領は本当にかなりしょうがない人ですけれど、また大統領になってもおかしくないという状況になってきています。

去年、イラン核合意からアメリカが離脱しました。その結果、イランから買ってはいけなくなりました。最初、石油は買ってはいけないという適用から除外されていたので、日本は買っても良かったのだけれど、その後、適用除外はもう駄目という話になって買えなくなりました。さらに今年の6月には突然、ホルムズ海峡でタンカー2隻が攻撃されたのです。これって一体誰がやったのかということで、アメリカ、イギリスとかサウジアラビアは、イランに責任有りと言っています。イラン傘下の「フーシ」という、イエメンでイランが支援する武装組織がやったのではないのか、という疑いがあるのですが、フーシの裏にはイランがいるということで、フーシがするのもイランがするのも一緒だと主張しています。一方で、アメリカの対抗馬である中国やロシアは、すぐ戦争ということにしないで自制した方がいいよと言っています。日本にとってもそんな簡単に戦争されても困るので、とりあえずイランとアメリカの仲立ちに入らなきゃと安倍さんがイランに行ったのですが、その時にタンカーが攻撃されたという困ったことになっているという状況ですよね。

中国に対する関税ですが、今第3弾まで来ていて、もうすぐ第4弾という話をしています。第1弾・第2弾が500億ドル分だったのですけれど、第3弾は2000億ドル分について25%関税かけるという話でした。これって、ある程度去年の12月から中国とアメリカで交渉していて、結構中国としては妥協していたのですけれど、何だかまるでアメリカに不平等条約を強制されているみたいだよねという声が中国国内で挙がってきたのです。ある日突然、やっぱり不平等条約を強制されるのは嫌だみたいなことを中国が言い出して、トランプ大統領が交渉の約束を破ったと怒ってしまいました。今までの合意はなんだったのだと言いながら、2000億ドルに25%関税を掛けてしまいました。G20が大阪でもうすぐはじまるわけですけれど、そこで合意ができなければ残っている3000億ドル分についても25%掛けると言っています。そうすると、世界経済は成長がかなり止まり、中国は目標としている6%を達成出来ないという状況になり、一帯一路で中国市場を拡大しないともう駄目かなという困ったことになってきました。

今日のまとめです。ロシア疑惑が証拠不十分の不発に終わって、大統領選挙ではトランプが再選される可能性が強まってきました。中国は相当妥協したのですけれど、結局交渉決裂して、今2000億ドルについて関税25%、残る3000億ドルについてもG20で合意できなければ25%にすると言っています。そうなると世界経済は減速の方向になりそうです。

分野: その他 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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