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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 富裕層消費①イノベーティブ・レストランの出現 (マーケティング/岩下仁)

富裕層消費①イノベーティブ・レストランの出現

岩下仁 マーケティング

19/06/13

前回、前々回とアート作品という比較的富裕層の市場を取り上げてきたと思います。今回も富裕層の消費にフォーカスをして話を進めたいと思います。実は日本の富裕層、アベノミクスの効果で増えています。ここに新たなビジネスチャンスの可能性があるわけです。更に、富裕層の特徴としまして一人当たりの消費額が一般の方よりも非常に多いということで、客数を稼がなくても十分な利益を見込めるという特徴もあります。野村総合研究所によると、富裕層とは負債を除いた金融資産を1億円以上保有している世帯の事です。株高などの影響もありまして、このような富裕層の世帯は10年前に比べてかなり増えたと言われています。それに伴い、富裕層にターゲットを絞った商品やサービスが次々と生まれているのです。これだけボリュームが増えますと、ターゲットにもしやすくなるということがあるとは思います。

この富裕層ですが、代表的な消費するものとして食事が挙げられると思います。昔からの高級食材と言いますと、キャビア・フォアグラ・トリュフといったものが挙げられます。しかしながら、現在では富裕層はそういった高級食材にグルメを求めるだけではなく、食事自体にイノベーティブさを求めているそうです。このイノベーティブさですが、新しい食材をつくったりこれまでにある食材を組み合わせて、今までに無かった料理を作り出していくことを示します。イノベーティブを言い替えますと革新性のあるということで、シェフの思想や哲学が反映されている、他店にはないこだわりの料理を提供するレストランになると思います。

例えば、富裕層達の間で話題となっているレストランの一つに、昨年6月に東京の飯田橋にオープンしました「INUA」というレストランがあります。このレストランですが、イギリスの会社が毎年出している「世界のレストラン50」で何度も世界一になったデンマークのレストラン「ノーマ」のヘッドシェフであったレネ・レゼピさんがパートナーシップを結んでいるそうです。ディナーのコースは、なんと一人およそ5万円。INUAの特徴ですが、3人のスタッフさんが日本中を飛び回って探し出した食材を元に、常識にとらわれない調理法でこれまでにない味を生みだしている点です。例えば人気メニューの一つに、作りたての湯葉と季節のお花というものがあります。こちらは食べられるお花を湯葉で包んだ料理でして、作りたての湯葉の中にナスタチウムのお花と5種類のハーブソテーが入っているそうです。とにかく非常にユニークな食材を使っているみたいです。

他にもイノベーティブなレストラン、日本で開店後最速で三つ星を獲得した大阪のレストラン「HAJIME」というところもあります。ディナーの客単価はなんと一人8万円です。看板メニューは直径60㎝程の大皿に盛り付けられた「地球」というメニューです。このかなり大きい大皿に約100種類の野菜を並べまして大地を表現すると共に、貝エキスのエスプーマで雲を表現しています。エスプーマはムースみたいな感じのもので、それが宇宙から見た地球を見立てた料理になっています。

頼まれた方が地球を丸ごとシェアする、これがコンセプトになっているそうです。今紹介してきた「INUA」も「HAJIME」も、提供する料理はどれも他にはないこだわりの料理です。シェフの思想や哲学などが料理に表現されていることが十分わかりますよね。高級レストランの予約サイトを運営する「一休」によりますと、富裕層が求めているのは美味しいというのは前提条件で、それに加えて本物感が必要であると言っています。

例えばある富裕層の方、マグロを食べるとなれば小田原の漁港近くで獲れたマグロの希少部位を提供する飲食店にわざわざ行くそうです。さらに、別の方は食事をしながら綺麗な海を見たいとあれば、それだけのためにハワイの海辺のレストランに行くこともあるそうです。これらを見てみますと、一般的な消費者では考えもつかないような消費行動を、富裕層は料理に対して取っていることがわかります。昔からそういった行動はあったと思うのですけれども、それが更に色々な形で本物感を求めて現地まで行く人が増えてきている、それが富裕層に見られるということですね。

イノベーティブなレストランは、「INUA」や「HAJIME」の他にも次々に開店しているそうです。やはりこの背景には、2020年に控えている東京オリンピックの影響がありそうです。世界中から多くの方々が来日されますが、中には勿論富裕層もいます。従来の日本料理だけではなくて、こういったイノベーティブなレストランにも行くわけです。

今日のまとめです。今回は富裕層向け商品の中でも、イノベーティブなレストランについて話を進めてきました。レストランの選択一つを取ってみましても、富裕層はイノベーティブという新たな視点を求めています。アベノミクスの効果で富裕層が増加する中、イノベーティブなレストランの存在は無視出来ないでしょう。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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