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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イギリスの迷走 (企業財務 M&A/村藤功)

イギリスの迷走

村藤功 企業財務 M&A

19/05/16

今日は、イギリスの迷走という話をしたいと思います。一体イギリスは何をしたいのか、どうもよく分かりません。みんな、国民投票でEUを離脱するということを決めたと思っていたわけです。今年の3月29日に離脱すると思っていたのですが、そう言っていたら去年の11月、メイ首相がEUと合意した協定案や政治宣言について、議会で承認を得られませんでした。協定案を有効にする為にはイギリス議会で承認した上でイギリス国内法として成立させる必要があり、EUとの合意が成立しないと合意なき離脱になってしまいます。合意なき離脱になるとGDPが10%位あっという間に下がってしまい大混乱になるので、それだけは避けたいという点はイギリス内でも一致しました。また、実はEUも、イギリスに合意なき離脱はさせたくないと思っているわけです。

そこは一致しているのですが、だけどそれならどうするのかが問題です。イギリスは離脱したい、ところが総選挙で大きく負けて、メイさんは強硬離脱派から穏健離脱派に変わりました。その結果、強硬離脱派とEU残留派の両方から反対を受けているので、今回EUとの合意案について、3回、イギリス議会で否決されたのです。駄目だから6月まで延ばして欲しいとイギリスがEUにお願いしたわけですが、EUが怒って駄目になりました。4月12日までは待つが、4月12日に合意出来ないのだったら合意なき離脱だと言ったわけです。ところが、合意出来そうもないので、イギリスとしてはやっぱり6月にして欲しい。そうしたらEUは何と言ったかというと、EU議会選挙が5月23日から始まるので、5月22日までに何とか出来るのだったら考えなくもないけど、もしそこに誰も出さないというのだったら合意なき離脱だと言いました。選挙に代表を出すのだったら10月まで待とうというのが現状です。

では、5月22日までに決められるのでしょうか? メイ首相は決めたいと言っていたのですけど、誰が見ても無理という事が段々判明してきています。その為、イギリス政府として、EU議会選挙に参加するということになってきたのです。イギリスからEU議会に代表を出すわけですけど、では一体どの党からどういう人が出てくるのでしょうか、そして、誰が勝ちそうな見込みなのでしょうか? イギリスは2大政党制でずっときているので、保守党と労働党が出てきそうです。その2つが来るのかなと思うかもしれませんが、5月2日の地方議会選挙では保守党も労働党も議席を失って、自由民主党が議席を延ばしたのです。自由民主党はマイナーな政党ですけど、EUに残留したいと言って、それを支持した人が自由民主党に入れました。

しかし、イギリスはもうEUに残留したくなったのかというと、実は地方議会選挙には参加しなかったブレクジット党というのも最近出来ています。EUから早いところ離脱したいという政党があるのです。5月23日からのEU議会選挙では、ブレクジット党が大勝して第1党になるだろうというのが今の見通しです。労働党は元々穏健離脱でいいのではと言っていたのを、あまりにも労働党の議員がやめていくので、党首がEU残留でどうでしょうと言っており、何を考えているかよく分かりません。メイさんも労働党も駄目だということで、2大政党は最近人気が無いのです。この間の地方議会選挙に参加したかったのだけど、実は今、ブレクジット党は途轍もなく人気を延ばしつつあり、EU議会選挙ではEU議会の議員なのだけどブレクジット党出身者がどうも1番になるだろうという見通しになってきました。

イギリス国内では離脱だという意見が多いという事なのか、どっちが多いのかもよく分からないのですよ。しかし、ブレクジット党が第1党になるかもしれないという事は、それを支持する人が多いということですよね。2番は労働党で3番は保守党、4番が自由民主党の見込みというぐらい両方が混じっているのです。離脱した人達と残留したい人達がほぼ半々で、よく分からないことになっているわけです。だから何を言っても決まりません。とりあえず、議会に参加するから10月まで延びるのはいいいのですけど、元々離脱予定だったのがなんで離脱出来なかったかというと、アイルランド問題を解決出来なかったからです。では、解決出来ないままに離脱するのか、それとも北アイルランドをあきらめて北アイルランドをアイルランドにやると言って、イギリスと北アイルランドの間に税関でも設けて、北アイルランドがイギリスから分離してそれで離脱するのか。それとも、折角北アイルランドを頂いているわけだからそうもいかないということで、EUに残留するという事になるのか。そして、これら三択から10月末にイギリスは選べるのか。選べない可能性がかなり高いと思いますね。

EUもどこまでも待てる話ではありません。正直に言うと、2016年6月の国民投票から3年近く経っているのです。また、EUも4月12日までに決まらなかったら合意なき離脱だと1回叫んだわけですよ。でもそんなことになったら、EUも困ると10月まで延ばしたので、EUも合意なき離脱が嫌です。今回やったことと同じく延ばしましょうという話が10月にも出てきそうで、では、いつになったらこの問題を解決するのか着地点が見えない状況です。イギリスは今まで没落を続けているわけですけど、さらに停滞するのでしょうか? 世界中の企業がイギリスから逃げて行っており、決着がつきません。

今日のまとめです。去年の11月に、イギリスとEUで一旦協定とか政治宣言に仮合意しました。しかし、今年の3月までにイギリスの議会で3回それが否決されたのです。ちょっと延ばしてということで最初6月まで延ばそうと思ったら、EUに4月12日までと言われたのですけど全然決められませんでした。4月10日に、まず5月23日からの議会選に参加せよ、参加出来ないのだったらその時点で合意なき離脱だということになりました。参加したら10月まで待つという話になって、参加した上で10月末の離脱スケジュールが暫定的に立っているのですけど、その時にどうなるのかまだ分からないという状況です。

分野: その他 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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