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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ゴーン再逮捕 (企業財務 M&A/村藤功)

ゴーン再逮捕

村藤功 企業財務 M&A

19/05/15

今日は、日産のゴーンさんの再逮捕という話をしたいと思います。ゴーンさんはどういう犯罪で逮捕・起訴されているか知っていますか? まずは、自分の報酬について虚偽記載をした有価証券虚偽記載罪。それから、特別背任が2つありました。1つ目がサウジルートというもので、最近のがオマーンルートです。去年の11月に逮捕された理由が有価証券虚偽記載罪で、虚偽記載していた最初の4年間を起訴しました。その後に、再逮捕して最近の3年間の有価証券虚偽記載罪で再逮捕して、サウジルートの方の特別背任罪で逮捕して、今年の1月になって追起訴したわけです。全部をまとめて1つの裁判で争おうと、有価証券虚偽記載罪2つと特別背任罪の1つ目であるサウジルートで起訴するというのが決まったところで、裁判所が保釈しました。

10億円という結構高いお金を払って保釈されたので、偉い人は保釈金が違うな、みたいなことを言いながら、なんで背広じゃなくて変装しているのかとか笑っていましたよね。ところが、びっくりしたことに、特別背任の2つ目のオマーンルートが出てきて、もう1回逮捕されたのです。保釈中なのにまた逮捕するのかと思ったのですが、このオマーンルートは、何が起こったのでしょうか。日産のCEOが使う予備費という、よく分からないお金のプールがあります。日産子会社からオマーンにあるゴーンさんのお友達の会社SBA(スヘール・バウワン・オートモビルズ)に対して、CEO予備費より15百万USドル送金しました。その内、5百万USドルをゴーンさんのGFI(グッド・フェイス・インベストメンツ)に送ったようです。そうすると、日産のアカウントからゴーンさんのアカウントに送ったのだから、それは特別背任という犯罪に当たることになるでしょう。これは大変な話なのですよ。更に、その後、どの様な疑いがあるかというと、GFIから奥さんのキャロルさんが代表を務めるバージン諸島のビューティー・ヨットとか、息子が経営するショウグン・インベストメントあたりにお金がいったようだという疑いがかかっているわけです。

ここで、妻のキャロルさんが出てきたのですけど、キャロルさんとベルサイユ宮殿のトリアノン宮殿で披露宴をしたというのがフランスで問題になっています。ゴーンさんは今65歳ぐらいで2016年6月なら3年ぐらい前のはずなのになんで披露宴なのと私も不審に思って調べてみたら、2015年に最初の奥さんと離婚して、2016年にキャロルさんと再婚しています。どうも、不倫がばれたので最初の奥さんと離婚して愛人だった今度の奥さんと結婚することになりました。再婚相手との披露宴をベルサイユ宮殿で開いた時のお金をどうもルノーが払ったらしいという疑惑があるわけです。キャロルさんは、そんなことはない、私たちが払ったと言っているので、事実がどうなのかはよく分かりません。日本ではなくてフランスで問題になっているのですが、フランスでは他にも色々な事が問題になっていて、ビジネスジェット機使用料400万ユーロをルノーに払わせたとか、リオのカーニバルやフランスのカンヌ映画祭に知人を招待してルノーに払わせたとか、レバノンの文化機関やパリにある子供のアメリカンスクールに対してルノーから寄付させたとか、犯罪かどうかは別として、公私混同しているのは間違いないでしょう。いくつかについて、ゴーンさんは返せばいいみたいなことをつぶやいているらしいのですけど、そういう問題ではないのです。

そういう意味では、日本だけではなくてフランスでもゴーンさんはかなり見放されてきています。最近フランス政府とルノーが持ち株会社を作ろうという話が出ており、持ち株会社を作ってフランスでも日本でもないところにおいて、その下に100%子会社としてルノーと日産をぶら下げようとしています。フランスのフロランジュ法といって、ずっと持っていた株主は持っている%の2倍の議決権を行使出来るのですが、フランスはルノーの14%しか持っていないのだけど、長いこと持っているので2倍行使出来るのです。しかし、日産的に言うと、これは嫌なのです。持ち株会社になってフランス政府が大株主で、あれこれ言われるみたいなことになっては嫌です。そこで、今回のルノー提案では、フランスでも日本でもなくて第三国に持ち株会社を作りましょう、ただ、パリと東京の両方に上場しましょう、そして、取締役を半分ずつくらい出すというのはどうか、という内容です。

日産は嫌がっているのですけど、元々規模では日産の方がはるかに大きい企業です。ただし、日産の弱いところは、ものすごく利益が減った事です。40~50%落っこちたところなのですよ。利益はルノーの方が上なくらいになってしまいました。ゴーンさんが突然いなくなって大混乱している中で、販売も落ちたりとか色々な事が起こっているので、日産の業績の方が悪いのです。そのため、持ち株会社作るという提案が一旦消えたかと思ったら、また最近出てきています。フランス政府とかルノーは、ゴーンさんは見捨てて、日産の取り込みに入っているというのが最近起こっていることですね。

今日のまとめです。ゴーンさんが折角保釈されたと思ったら、また再逮捕されて、さらにまた再保釈されました。最初が10億円で今回は5億円なので、今15億円保釈金として出しています、お金持ちですよね。今回の話は日産からオマーンのSBA経由でゴーンさんが保有するGFIに支出させて日産に損害を与えたという特別背任ですが、フランスでも色々公私混同疑惑が持ち上がっています。フランス政府は奥さんのキャロルさんに助けてと言われたのですけど、会議を回避して逃げたみたいです。4月の臨時株主総会でゴーンさんが取締役を解任されてルノー会長のスナールさんが取締役になったのですけど、ルノーとフランス政府は、持ち株会社化という提案を出してきました。日産の業績が今悪化しているところなので、これからどうなるのか注視しないといけないという状況です。

分野: その他 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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