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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 大学発技術の商業化方法 その2:ベンチャー・アセスメント(会社のタイプとビジネスモデル) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

大学発技術の商業化方法 その2:ベンチャー・アセスメント(会社のタイプとビジネスモデル)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

19/05/23

前回は、大学発技術の商業化プロセスの前半「テクノロジー・アセスメント」について解説した。今回から3回は、後半の「ベンチャー・アセスメント」について解説したい。
・「ベンチャー・アセスメント」では、有望な技術シードにもとづいてベンチャー企業を設立する場合に、本当に投資家から見て魅力的なベンチャー企業を設立でき、資金調達を行いながら事業を軌道に乗せることができるかを検証する。具体的には、「会社のタイプ」、「ビジネスモデル」、「予想財務諸表」、「資金調達計画」、「資本政策表」、「経営チーム」、「出口(exit)戦略」を検討する。
・まず、ベンチャー企業設立を検討するにあたって、何よりも重要なことは、「会社のタイプ=どのような会社か?」を決めることだ。タイプとは、(1)ライフスタイル会社(成長を指向せず、着実な黒字化を目指す)、(2)M&A可能な会社(一定程度の事業規模に成長させて大手企業に売却する)、(3)IPO可能な会社(株式上場し自己成長を目指す)、の3種類に分けられるが、どのタイプを選択するかによって、その後のビジネスモデル、経営者のリクルーティング、資金調達、従業員の雇用と社内のモチベーション形成、・・・等々の検討内容が全く異なってくる。ベンチャーキャピタルから投資を受ける前提で事業計画を策定し、投資を受けた後で、「やっぱり、株式上場は自分の価値観に合わないから、ライフスタイル会社に変更します・・」と言っても、キャピタルゲインを期待した資本が組み込まれている以上、変更が極めて難しい。会社のタイプの決定は、創業経営者が「腹をくくる」ようなものである。
・会社のタイプを決めたら、次にビジネスモデル(安定的に売上を確保するためのビジネスの仕組み)を検討する。近年では、「ビジネスモデル・キャンバス」など汎用的なツールも普及している。ビジネスモデルを検討する際に最も重要な部分は、前半の「テクノロジー・アセスメント」で検討したPM-Fit(プロダクト・マーケット・フィット)/TM-Fit(テクノロジー・マーケット・フィット)である。事業に用いられるコア技術が、どのセグメントの顧客に、どれほどの恩恵をもたらすか、という価値提案の根幹部分をしっかり検討しなければならない。
・ちなみに、同じ技術・製品を用いたビジネスでも、重点的な価値をどこに置くかによって、売上規模や顧客の囲い込みのポイントが大きく変わってくる。例えば、動画配信サービスの場合、動画1本単位で値段を付けて提供するのか、それとも、月々定額の会員制によって「見放題」とするのかによって、ビジネスモデルを成立させるために力を入れるべきポイントが変わってくる(前者は、良質なコンテンツの確保とそのプロモーション、後者は、ユーザーの利用体験の向上=空き時間に自然に手が伸びる)。
・ベンチャー企業は、保有する資源が少ないので、ビジネスモデル成立の鍵となる、力を入れるべきポイントに、優先的に資源配分する必要がある。例えば、技術力をウリにする製品の場合は、コア技術の開発と特許の取得が重要だ。あるいは、売り込みは難しいものの、いったん購入されれば顧客側で長く利用される製品の場合は、良質な営業人材の育成が不可欠となる。
・以上のように、自社が取り組もうとしている事業のビジネスモデル全体を俯瞰して、有利に戦うべきポイントがどこかを明確化することが鍵となる(ただし、実際に活動を始めると、様々な目論見違いが発生して、ビジネスモデルを変更する必要性もしばしば出てくるので、柔軟性もまた必要である)。
【今日のまとめ】
・ベンチャーの場合は保有資源が少ないので、ビジネスモデル全体を俯瞰して、有利に戦えるポイントを明確にすべきだ。ただし、実際に活動を始めると、様々な目論見違いが発生して、ビジネスモデルを変更する必要性もしばしば出てくるので、柔軟性も持つこともまた重要である。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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