QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イギリスの歴史(54):ブレクジット(2) (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

イギリスの歴史(54):ブレクジット(2)

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

19/05/14

前回からイギリスの歴史シリーズの中でイギリスのEU離脱についてお話しています。
今回はイギリスの近代史の一環としてお話をしていますが、前回は国民投票当時のこと、そしてその結果についてどう考えるかを見てきましたが、皆さんご存知の通り、ここのところ大きな動きがありました。そもそもは国民投票の後、イギリスがEUに対して正式に離脱の通知をしたのが2年前、2017年3月29日です。どういう風に離脱をするのか、交渉期限が2年間と予定されていて、2019年の3月29日に離脱を迎えるという形を関係者が取り決めていました。ところがなかなかイギリス国内がまとまらないのは皆さんもよく聞いていたと思いますが、問題は、政府の中の与党と野党のぶつかり合いみたいな単純な図式でないところから始まってしまったが為に、何をどう策を弄しても上手くいかない、という状態が生じたわけです。それは元はといえば、国民投票で離脱派が勝つだろうということが、実は離脱を支持していた人たちの中のかなりの人達も予想していなかったというきらいがあるからです。そこで残留派・離脱派どちらの側も、離脱になった場合のことを思い描けないでいるうちに、国民投票の結果が出てしまったというところがあり、一気に事態が流動化したのです。
2年間の交渉期間の間に、イギリス政府とEUとは一応、離脱協定案の合意に至りました。2018年11月のことです。そうすると、3月29日が離脱の日なのでそれまでの間にEU及びイギリスの国内でこの案がOKということになれば、めでたしめでたしとなるところでした。ですがご存じの通り、もう何度もイギリスの議会で離脱協定案がはねつけられたということは記憶に新しいかと思います。メイ首相にとって本当にこれは針の筵だと思います。自分の所属している保守党からも反乱者が沢山出て、何をどう出しても否決されてしまっています。まずは第1回目が1月15日でしたが、相当な大差で否決されました。採決をする度に少しずつ票は縮まっていきましたけれども、最初は我々もまさかと思うような票の開き方だったわけです。下院が離脱協定案を大差で否決した後、メイ首相はあの票差では絶対に通りそうもないので、EUと再交渉をしたわけです。その再交渉の2回目、今度は少し内容を変えて、3月12日に新しい案をイギリスの下院にかけたんですが、これも再び大差で否決されました。票差は前回よりも若干縮まりましたが、それでも大差で否決と言えるくらいでした。3月29日の締め切りを前にして一体どうすればいいんだということになり、予備的な投票をしたのを覚えていますでしょうか。つまり否決されたらまたやりなおしてもう一度採決するのではなく、この中身だったらどうだろうと、もう色々な案を出して1つ1つ探りをいれる模擬投票のような票の採り方をしたのです。ところがその時に出した8つのパターンも全て否決されました。ということは、何をどうしても駄目と言われているようなものなので、まさに八方ふさがりです。
ここを耐えるというのはメイ首相は本当に凄いです。サッチャー首相などは勢いに任せてブルドーザー方式でのやり方を通したところがありますが、メイ首相の場合は名誉も何もなく、どちらにいっても文句ばかり言われるという大変な役割を担っているのですが、結局3回目の採決も、またイギリス下院で離脱案が否決され、結局そのまま放っておいたら「合意なき離脱」で大変なことになるところだったのですが、緊急にEUでは4月12日までの延期を決めたのですが、その間もなんとかなりそうにないということになり、結局現在のところは10月末までとりあえず延期するから、その間にという話になっているわけです。EUの中には、もっと厳しくしてそんなに待てないというところもありましたし、年度末まで1年待とうという勢力もあったようですが、その間をとった形になったんでしょうか。イギリスが約半年、離脱を延期してもらって、何か案がまとまるのかとはなかなか思えません。
最初の48:52の残留と離脱の国民投票があった時に色々な見方が流れていて、色々な原因が指摘されている背景には、ちょっとした差でひっくり返っていただろう、だからほんのちょっとしたことが決定的に響いた可能性があるということが言われています。当時タイムズも8つくらい離脱派勝利の理由を書いていましたが、結局のところ、どれが功を奏すの反対で、どのような要因が国会の中の票の差に影響を与えてくるのかは本当に読めない状態です。私も専門家ではありませんが、専門家の方々もよくわからないと言っている状況ですので、皆さんもこれから何が起こるか是非注目していきましょう。
(今日のまとめ)
昨今のイギリスのEU離脱騒ぎ、展開がありましたが、現在約半年の延期になっています。その中でイギリスがきちんとした方針を出せるのか、離脱になるのか、はたまた残留なのか、それともそれ以外か注目したいところだというお話をしました。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ