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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 伸びる中食市場 (マーケティング/岩下仁)

伸びる中食市場

岩下仁 マーケティング

19/04/04

マーケティング戦略を中心に話を進めています。多くのカテゴリーが成熟した為、コモディティ化、つまり製品に違いが無くなり消費者が低価格のものを選んでしまう傾向が進む中で、先日取り上げた睡眠ビジネスのように、生活様式の変化によって新たなビジネスチャンスが生まれています。なかなか睡眠をしっかりとれない、だからこそ、睡眠の質にこだわるという所に着目して、新たなビジネスが生まれるという話でした。

こういった消費者の行動の変化を上手く捉えることによって、新しい市場が育ち、これまでにないサービスが作られていくわけです。今回は、共働き夫婦の増加によって変化した、中食市場について見て行きたいと思います。中食とは、材料を一から買って来て作るのではなくて、お惣菜や冷凍食品を買って来て手早く食事を作ることを言います。晩御飯を一から作っていたら大変で、なかなか時間がとれないという場合に、買って簡単に済ませちゃおうというのです。

やはり共働き夫婦の方は忙しいので、一から作っていられないというような所に中食市場の可能性があるわけです。中食市場の規模ですが、なんと10兆円にも及びます。そんな需要を取り込もうと、朝食や軽食が中心であったファーストフード企業は、様々な戦略で王者であるスーパーに戦いを挑み始めているのですよ。例えば、ランチや軽食のイメージを払拭する為に、ファーストフード業界はボリュームアップ戦略で中食市場に切り込み始めています。日本マクドナルドが2018年3月に全国展開した夜マックがありますが、これにはどのようなメニューがあるのでしょうか? 100円でパティが2倍になったり、マスタードやオニオンを多めに注文出来たりするのです。マクドナルド社の広報は、夜マックが夜時間の客数や売り上げに貢献していると言っています。

また日本サブウェイも、昨年の6月18日から午後5時以降、期間限定でサンドイッチの長さや具材の量が2倍になるお得なメニューとして「夜サブ」のテスト販売を始めています。日本サブウェイの角田社長は、働き方改革で食の形が変わってきた。仕事後の時間を運動や趣味に充てる方が増え、居酒屋や自宅でしっかり食べるより、ヘルシーな食材のカスタマイズという所にニーズがありますと言っています。そこで、ヘルシーという日本サブウェイの強みを生かしながら中食を取ることを全面に打ち出したそうです。結果として、一日の売り上げが2割も増えた店舗があると言われています。

あるいは、モスバーガーもボリュームが売りのごちそうチリバーガーを金曜日限定で発売しています。モスバーガーの王道のバーガーで中食需要を狙ったのです。このように、ファーストフード各社が中食市場に参入する中で、市場のリーダーであるスーパーも新たな戦略を打ち出しています。例えば、ライフコーポレーションでは、これまで総菜の販売ピークは午後4時頃であったのですが、夜間でも揚げ立てを販売することによってファーストフード店に対抗しようとしています。つまり、総菜の強みである出来立て、これで勝負するわけです。あるいは、イオンは中食市場を狙って新しいメニューを展開しています。イオンでは、今年の3月からミールキットと呼ばれるタイプの商品を売り始めています。ミールキットは肉や野菜といった食材や調味料などをセットにして、レシピも添付された調理キットです。日本では馴染みが薄いですが、欧米では宅配サービスを中心に市場が拡大しており、その特徴がまたユニークなのです。あえてひと手間を加えるようになっているのです。一からレシピを考えて、食材を探して、下ごしらえをする必要が無いのですが、フライパンなどで加熱するだけで10分から20分で完成するのです。面倒な料理の事前準備を店側が担っているというわけですね。イオンリテールの室井農産食品部長は、時短のニーズは年々高まっていますが、調理を全くしないことへの抵抗感を持つ人も多いと述べています。

このひと手間というニーズは、主婦の方から多く寄せられたそうです。やはり実際の消費者の声として、便利で早いけれども、きちんとした料理をしたという満足感もある、こういった意見があったそうなのです。わざとひと手間加えさせることによって、効率性とは逆の発想を取り入れている点が非常に面白いですよね。ミールキットの開発に当たっては、健康ニーズにも着目しているのですよ。ミールキットには必ず5種類以上の野菜を使うのです。和洋中のレシピを揃えていて、栄養などのバランスを考えて消費者が商品を選べるように工夫しています。レシピは50品目にも及び、健康への意識は必然的に高まっているので、消費者の購買意欲をそそりそうですよね。

しかし、スーパーなどで需要を増やす際、企業側が注意しなければならない事があります。それは需要のピークに合わせた供給力の確保です。売れる時間帯というのは確実に夕方で、おいしい総菜というのは手間がかかって、更に出来立てが売りになるわけですよね。ですので、欠品や売れ残りを上手くコントロールする必要があります。

今日のまとめです。本日は中食市場の拡大についてフォーカスしました。共働き夫婦の増加で、中食市場は今後も拡大していくでしょう。消費者のニーズを的確に捉えた企業が、今後中食市場を制すると言えます。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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