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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「ストレッチ」しましょう! (管理会計、コストマネジメント/丸田起大)

「ストレッチ」しましょう!

丸田起大 管理会計、コストマネジメント

19/04/18

今日は、「ストレッチしましょう」という話をしたいと思います。
ストレッチということは体を伸ばすということを思い浮かべますが、実は我々の研究するマネジメントの世界でも、ストレッチという言葉がよく使われています。それは文字通り背伸びした目標、挑戦的な目標を設定するというような意味です。
自分の目標設定よりも少し高い目標を設定する、ということでストレッチしようと言われるのです。
欧米では割と日常的な場面でも、そういう意味でストレッチというのが使われていると言われています。私の研究分野でもコストダウンの目標や、予算の目標をどのような水準に設定すれば良いかという問題と関わりを持っています。一般に人は、目標の水準が高くなっていくにつれて、その目標を達成してやろうという意欲が高まって、パフォーマンスも高まっていくということが期待されるのですが、ある水準を越えてしまうと逆に頑張っても達成出来そうにない、という諦めのような感情が強くなるので、努力の意欲を下げてしまって、パフォーマンスも下がってしまうということが分かっています。皆さんにも思い当たる節があるのではないでしょうか。
組織の中でも部下の意欲を高めるために、どのような水準に目標を設定してやれば良いか、というような問題に直面している方がいると思います。どのような水準がその分かれ目になるのかというような問題が研究されています。
結局、少し高い目標を設定した方が良いのだけれども、そのレベルをどれぐらいにするのか、ということです。
様々な研究がなされているのですが、結論から申し上げると、「2割から3割の達成率の目標水準が成果を最も高める」ということが分かってきています。例えば10人のうち、2人か3人しか達成出来ない目標とか、10回やれば2回から3回しか達成できないというような目標ということになります。
これは一見したところ難易度が高すぎるんじゃないかと思われるのではないでしょうか。
それでは、これくらいの難易度の水準がどんな良い効果をもたらすかというのを考えてみたいと思います。まず、このような水準で目標を設定すると、達成出来た2割から3割の人々は、いわゆる「勝ち組」のような存在になります。あえて目標を達成できた集団を少数にすることで、達成できた人には優越感を感じさせ、その地位に居続けたいという気持ちを刺激することで、努力の継続が期待出来ます。
ですが、目標達成出来なかった人というのが出てきますので、その人達は諦めてしまい、努力しないんじゃないかという風に思うのですが、必ずしもそうではないのではないか、という考え方もあります。そもそも人は何らかの目標があると、その目標のことが気になってしまって、それに引きずられていってチャレンジしようという性質を持っていると言われています。ではもし、達成出来なかった場合、それは自分の努力が足りなかったからじゃないか、というような反省のきっかけを与える可能性は間違い無く高まるのです。さらに人には達成出来た喜びももちろんあると思いますけれども、達成出来なかった悔しさの方をより気にしてしまうというような性質もあると言われています。つまり目標達成出来なかった場合には、次はどうすれば達成出来るかということが頭から離れなくなって、色々なアイディアを探そうとするのです。それはパズルで遊んだりする時に、あと少しでパズルが完成出来そうだな、という段階までくると、それを早く完成させたい、完成出来るまで止めたくない、という気持ちが強まってくるというような感覚です。
つまり欠けているものがあると、人はそれを埋めたくなるのではないかと思います。そのような性質を持っているのではないかということで、その性質を上手く利用して、刺激していこう、という考え方になるのです。あとは達成するためにどうすれば良いか、という創意工夫を引き出す上で、2割から3割くらいの達成率が丁度良いのではないかということが、研究によって分かってきています。これはビジネスの場面での研究ですが、日常生活の色々な場面で、何か目標設定しないといけないという時にも、参考になる目安ではないかと思います。
少し高い目標設定のような気もしますが、2割から3割の達成率というのが丁度良い水準だということが分かってきています。
しかし厄介なのは、そのような望ましい水準が分かっていても、それを誰が設定したのかという問題がパフォーマンスに大きな影響を与えることも分かっているということです。つまり同じ水準の目標であっても、それを上司が設定して部下に押しつけた場合と、部下が自らの意思でその水準に設定した場合では、達成の意欲に大きな違いが生まれるでしょう。しかし人間は自分に甘い生き物ですので、部下が自らの意思でそのような高い難易度の目標を進んで設定してくれるかというと、残念ながらそれも期待出来ないということで、結局、上司と部下でしっかり話し合いながらそのような水準の目標を納得して受け入れてもらうという努力が必要になるということになります。
今日のまとめ:ストレッチとは健康に良いというだけではなく、組織や部下の成長にとっても必要なものです。2割から3割の達成率という難易度を目安にして、上司と部下で一緒に話し合いながらストレッチな目標の設定を目指してくださいという話でした。

分野: コストマネジメント 管理会計 |スピーカー: 丸田起大

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