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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「経済連携協定の発効①」 (国際経営、国際物流/星野裕志)

「経済連携協定の発効①」

星野裕志 国際経営、国際物流

19/03/14

今日のまとめ:昨年12月30日に発効した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定と、去
       る2月1日に発効した日本とEU欧州連合経済連携協定のふたつの大きな  
       経済連携協定のインパクトについて、FTAとEPAの基本と共に説明いた
       しました。

昨年末の12月30日と去る2月1日に、ふたつの大きな経済連携協定が発効しました。
ひとつが、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定であり、もうひとつがEU欧州連合との間に締結された日本と欧州の経済連携協定です。今日は貿易の基本になるこれらの協定についてお話をしたいと思います。

日本は今までにも個別の国との間に、Free Trade Agreement (FTA)と呼ばれる自由貿易協定や、Economic Partnership Agreement (EPA) の経済連携協定を提携してきました。
例えば、2002年のシンガポールや2005年のメキシコとの協定がその始まりですが、その後もインドやモンゴル、スイスなど様々な国々と締結されています。それに対して、今回のTPPと日欧の経済連携協定は、対象国が広域で複数であり、かつ規模が大きいという特徴があります。

TPPの加盟国は、オーストラリア、ニュージーランドの大洋州、日本、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ブルネイなどのアジア諸国、カナダ、メキシコ、チリ、ペルーの米州を合わせて環太平洋の11カ国になりますが、それらの人口の合計は、5億人、GDPの合計で10兆円になります。これは、世界のGDPの13パーセントに相当するようです。

さらに日欧EPAの対象となるEU28カ国の人口も、5億人であり、GDPも日本と合わせると約22.2兆円と世界の3割弱を占めることになり、規模も範囲も従来とは大きさが違います。

ここで改めて、対象分野の違いとして、FTAとEPAの説明をしたいと思います。

FTAは、特定の国や地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃するこ
とを目的とする協定であり、基本的に自由な貿易の促進を目指します。かつて第二次世界大戦後に、GATTやWTOが多国間の枠組みで取り組んできました。

それに対して、EPAは貿易の自由化にとどまらず、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作りや様々な分野での協力を含む幅広い経済関係の強化を目的とする協定です。

フィリピン、インドネシア、ベトナムの三カ国との間で、経済連携協定に基づいて、看護師や介護士の候補が、日本で国家資格の取得を目指して活動していることは、よく知られています。まさに貿易に限定せず、人の移動や国と国の間で、協力関係の強化が意図されていることになります。いままでの日本政府の外国人受け入れ方針は、あくまでも高度人材に限定していたわけですが、EPAでは投資やひとの移動が意図されているわけですから、様々な枠組みでの受け入れは増加しています。一度締結された協定は戻すことができないため、ますます日本のグローバル化が促進されることになります。

今回の日欧間のEPAで考えると、日本からの自動車部品の関税が撤廃されることは、自動車関連産業にとって大きなチャンスと言えます。

一方で、ワインの関税が完全に撤廃され、チーズの関税が今後16年間で段階的に下がっていくとなると、日本の消費者には大歓迎ですが、山梨や北海道の生産者にとっては、深刻な問題ということになります。

豚肉の関税も段階的に引き下げされるそうですから、九州各県の特産品として、さらに競争力を高める努力が求められることになります。

そのように考えると消費者のメリットと輸出入に係る企業の利益は、必ずしも一致しないことにもなります。ヨーロッパからのコートやジャケットなどの繊維製品も、関税が撤廃されるそうですから、購入する側としては、価格の値下げも楽しみですね。

一方で、今まで規制で守られていた産業については、自由化の方向に向かうことは、なかなか厳しいことかもしれません。

ただFTAやEPAの締結で、貿易や投資が促進されることで経済が活性化することになりますし、輸入のソースや輸出先が多角化することは、チャンスを拡大しやリスクを軽減するという意味でも、全体として良いことと言えます。

それでは、今日のまとめです。

昨年12月30日に発効した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定と、去る2月1日に発効した日本とEU欧州連合経済連携協定のふたつの大きな経済連携協定のインパクトについて、FTAとEPAの基本と共に説明いたしました。今回のEPAの締結で、ビジネスの活性化=いわゆる商流が促進されることになりますが、
明日はそれに伴ってものが動く=物流についておはなしをしたいと思います。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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