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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 企業の社会的責任(CSR)とはなにか?① (企業倫理、リスクマネジメント/平野琢)

企業の社会的責任(CSR)とはなにか?①

平野琢 企業倫理、リスクマネジメント

19/03/21

今日は企業の社会的責任、CSRと言いますが、これがいかなるものかについてお話していきたいと思います。
皆さんはCSRという言葉をご存知でしょうか。はっきりは分からないという人が多いのではないかなと思います。1度は聞いた方も多いとは思いますが、CSRとは何かと聞かれるとなかなか答え辛いイメージがあるかなと思います。このCSRというのは英語のcorporate social responsibilityの略語で、日本では企業の社会的責任と訳される場合が多いです。では、企業の社会的責任、CSRを聞くとどのようなイメージを持つでしょうか。私も色々なアンケートを取ると、法律を守ること、または事故や不祥事を発生させないことなど社会で果たすべき役割についての答えも出てきますが、例えば慈善活動への参加や文化活動への寄付、そもそも企業は利益を上げることが社会的責任ではないかという人もいます。このように様々なイメージがありますが、面白いことにこれ全てが企業の社会的責任、CSRに入ります。
このように見てみると企業の社会的責任、CSRとは様々な事柄を含んでいますが、全体像がぼやけて見えにくいような気がしませんか。結局、何物かが分からなくなってしまいます。だから、そもそもCSRとは何を指しているのか、このあたりを今日から数回に分けて話していきたいと思います。

CSR、すなわち企業の社会的責任は、色々な観点から全体像を整理することが出来ますが、私はそもそも企業の役割とは何か、そして企業が社会にプラスになるためにはどのようなことが必要なのかという点から整理すると一番分かりやすいと思います。そもそも資本主義経済において企業の中心的な役割は経済活動を行うこと、簡単に言えば生産、物流、販売を通じて利益を上げることです。この活動がない限り経済そのものがなりゆかず、この活動をしていない組織を企業と呼ぶことは難しいと思います。ゆえに、CSR、企業の社会的責任の中心には商売をして利益を上げることがあると考えられます。この責任があるからこそ利益を上げることや利益を上げて企業を存続させることがCSR活動に含まれます。
では、この中心的な役割を果たしていればCSR、すなわち企業の社会的責任は十分に果たされたかと言えばそうではありません。例えば、利益を上げられればどのような商品を取り扱ってもいいというわけではありません。近年問題となった危険ドラッグや絶滅が危惧される動物の毛皮などはそのいい例と私は思います。確かに、これらの商品は残念ながら買う人がいて、売れば利益が得られるかもしれません。しかし、明らかにこれらの商品が流通することは社会にとってマイナスにしかなりません。また、利益が得られればどのような商売をしてもいいかというと、そうでもありません。談合やカルテル、不正な価格のつり上げなど時として手段を択ばない利益の追求は社会に大きな害悪をもたらします。利益を増やそうとした結果、安全や環境への配慮を怠り、それが結果的に事故や公害を発生させてしまうということも私はこれに当てはまると思います。
まとめれば、企業が社会にとってプラスの存在であるためには商売をして利益を上げることに加えて利益を得るために社会に悪影響を及ぼさないことが大変に重要になってきます。実はこの点がCSRのもう1つの重要な要素となります。

では、社会に迷惑をかけないために企業はどうすればよいのでしょうか。まずは社会のルールを守るということが重要になってきます。簡単に言えば法律を守るということです。商法や会社法、独占禁止法、不正競争防止法などその数は膨大です。しかし、法律さえ守っていれば社会に悪影響を及ぼさないかというとそうでもありません。法律は自由を拘束してしまう性質を持つことから多くの場合、社会に必要最低限の決まりを定めていることが多いです。また技術の進歩によって新しく生まれた製品やサービスに関してはそもそも法律が整備されていない場合があります。例えば情報化社会の進展によって出現した仮想通貨です。これについては普及の速度に法整備が追い付かず、様々なトラブルが発生したことは記憶に新しいと思います。つまり、法律を守っていれば社会に悪影響を及ぼさないということにはなりません。企業は自らの倫理観に照らしてどのような行動が望ましいかを考えて実践しなければ防ぐことは出来ません。
まとめれば、法律などの社会のルールを守ること、倫理的な配慮を持って行動すること、この2つを通じて利益を得るために社会に悪影響を及ぼさないことを実践することが企業の社会的責任、つまりCSRの重要な要素と言えます。この要素があるゆえに、コンプライアンス、法令遵守の活動や事故や公害を発生させないための安全管理活動などがCSR活動に含まれるということです。

さて、ここまでの話で何故利益の創出や企業の存続、そしてコンプラアンスや産業事故の防止がCSR、つまりは企業の社会的責任に含まれるかということが整理できたかと思います。次回は慈善事業への参加や文化活動への寄付、これらが何故CSRに含まれるかについて考えていきたいと思います。

今日のまとめです。CSRとは英語のcorporate social responsibilityの略語で、日本語では企業の社会的責任と訳されます。企業の社会的責任は様々な内容を含む為、その全体像が大変見えにくいです。しかし、そもそも企業の役割とは何か、そして企業が社会にプラスであるためには何が必要かという観点から整理すると、非常に分かりやすく理解出来ます。この観点から整理した場合、商売をして利益を上げること、利益を得るために社会に悪影響を及ぼさないこと、これが企業の社会的責任の重要な要素であることが分かります。

分野: 経営リスクマネジメント |スピーカー: 平野琢

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