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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 企業の社会的責任(CSR)とはなにか?② (企業倫理、リスクマネジメント/平野琢)

企業の社会的責任(CSR)とはなにか?②

平野琢 企業倫理、リスクマネジメント

19/03/22

前回からCSR、企業の社会的責任について話しています。企業の社会的責任と言うと非常に範囲が広いので、何を含むのか、色々な性質を持っているということでした。そもそも企業の役割は何か、そして企業が社会にプラスになる存在であるためには何が必要か、これらの観点から整理して、商売をして利益を上げることです。そして、もう1つは利益を得るために社会に悪い影響を及ぼさないことです。この2つが企業の社会的責任の重要な要素だという話でした。
今回は慈善事業への参加や文化活動への寄付、これらがなぜCSRに含まれるかについて考えていきたいと思います。社会に悪い影響を及ぼさないことです。そして利益を上げて企業を存続させることです。おそらくこの2つの要素を満たした場合、最低限度のCSRは達成されたと理解していいと思います。しかし、これで十分かと言うとCSRではそうではないということになってしまいます。資本主義経済が浸透するにつれ、企業が持つ社会的な影響力は日増しに強くなっています。私達の多くは企業が生産したもので生活し、企業が発信する情報から世界の今を知ると言っても過言ではありません。また多くの人々が企業に勤め、あるいは経営して日々の糧となる収入を得ていることを考えた場合、少し誤解を恐れずに言えば、我々の人生が企業の存在と密接に関わっていると言えると思います。現代社会において企業の影響力はそれほど大きいです。実は企業の社会的影響力の大きさがもう1つのCSRの要素をもたらします。

ノブレス・オブリージュという言葉をご存知でしょうか。これはフランス語で持つべき者の義務という意味で、富、権力、影響力を持つ人はより多くの社会的義務を負って、社会貢献や社会奉仕活動を積極的に行うべきであるということを示していると言われます。世の東西を問わず社会に影響力を持つ存在は、その影響力に応じた多くの義務を持つべきという考え方は非常に多く存在します。この思想から見た場合、社会的影響力を持つ企業もやはり同じように多くの社会的義務を負い、社会貢献や社会奉仕活動を積極的に行うべきであるという考え方が導き出されます。つまり、自分の社会的な影響力に応じて社会貢献や社会奉仕活動を行うことがCSRの3つ目の要素となります。この要素があるゆえに慈善事業への参加や文化活動への寄付などがCSR活動に含まれます。
実際、日本においても環境保護活動や文化活動において様々な社会貢献活動が企業によって実践されています。例えば、出光美術館やブリヂストン美術館など企業名を冠した文化施設をご存知の方は多いです。また、大きな災害が発生した際に被災地の復興支援や森林や河川の保全などに企業が積極的に関わっている事例をご存知の方は多いと思います。前回までの話をまとめれば、CSRとは商売をして利益を上げること、利益を得る為に社会に悪い影響を及ぼさないこと、そして自らの社会的影響力に応じて社会貢献や社会奉仕活動を行うことを通じて、企業が社会にプラスの存在であり続けることと言えると思います。実際にCSRの国際的な定義を見てみても、CSRとは企業の潜在的悪影響を特定し防止すること、株主と企業活動によって影響を受ける人々と社会の間で共通価値の創造、その最大化、この2つを推進することであり、これまでの話と重なる部分が多いです。

さて、2回にわたりCSR、企業の社会的責任とは何かについて話しました。それぞれの企業は実際にはどのような取り組みや工夫を行っているのでしょうか。もし少しでも興味がある方は是非CSR活動報告という言葉を検索してみて下さい。もし自分の気になる企業がある場合は、その企業名に加えてCSR活動報告という言葉を検索して頂くのもいいかもしれません。実は様々な企業が毎年自社のCSR活動報告について報告書を作成したり、その内容をホームページにおいて発信したりしています。各社それぞれに個性があり、日常生活ではなかなか見ることの出来ないその企業の思いや社会との関わりというものが見えてきて大変に面白いです。是非これを機に見て頂けると嬉しいです。
これが重要なのは毎年、しかもその活動を更新したり新しいものについてはその都度発信しているということです。かつ、この活動を見てみると面白いことは価格や製品では見れない企業の在り方というのが見えてきたりします。
私は就職活動する学生さんにもこれを見ることを勧めています。それは何故かと言うと、企業の理念や社会、従業員をそもそも企業はどう考えているかという本質的な意見を知ることが出来るからです。学生さんにも是非見て頂ければと思います。

今日のまとめです。CSRとは企業が商売をして利益を上げること、そして利益を得る為に社会に悪影響を及ぼさないこと、更に自分の社会的影響力に応じて社会貢献や社会奉仕活動を行うこと、この3つを通じて企業が社会にプラスの存在であり続けることと言えます。これを実現するための活動、すなわちCSR活動は現在多くの企業によって取り組まれており、その内容は各企業が公表するCSR活動報告から知ることが出来ます。是非これを機会に皆さん1度見て頂けると大変に嬉しいです。

分野: 経営リスクマネジメント |スピーカー: 平野琢

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