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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > リバース・ロジスティクス② (国際経営、国際物流/星野裕志)

リバース・ロジスティクス②

星野裕志 国際経営、国際物流

19/02/12

前回はリバースロジスティクスという話をしました。ロジスティクスというのは物流、物の流れです。通常は生産者から最終的なお客さんに向けた物の流れですが、その逆もあります。私達の元から今度はお店や工場に製品が戻るという返品も1つの例です。そのような逆の流れ、リバースロジスティクスもあるという話でした。

あまり聞きなれない言葉ですが、自動車のギアのRが後ろに下がるという意味であるように、顧客の購入した商品は今言われたように修理や返品、使用後の回収あるいは破棄を目的に、川下から川上に、生産者に物が戻っていく流れのことです。元々リバースロジスティクスは物流における消費者などから製造者への製品の動きと言われていましたが、実は現在ではその範囲はもっと拡大されて、例えば販売する店舗から生産者、あるいは生産者から原材料のサプライヤーに戻るという逆の流れも多く見られます。
前回はネットショッピングで様々な色やサイズが違う商品が届いて必要な物だけ購入してあとは返品するというサービスの例が実はあるという話もしました。購入した商品の返品や修理、使った後の回収、破棄と聞くと顧客としてはありがたいサービスと思いますが、それだけではありません。もちろん顧客に対するアフターサービスの意味合いも確かに大きいです。ただ、最近ではこのリバースロジスティクスの目的には様々な要素が加わってきています。特に法律の順守や環境配慮、資源の有効活用という観点からむしろもっと戦略的にものを考えるということになってきています。

例えば、法律的な遵守という観点では家電リサイクル法で冷蔵庫や洗濯機、パソコンの回収が義務付けられていて対応が必要になっています。使った人の義務ということで、新しい冷蔵庫や洗濯機、家電を購入したら配送してもらった時に引き取ってくれるというサービスもあります。
次に環境配慮の観点ですが、最近は消費者も環境に配慮して4つのRということを言われています。リフューズ、レジ袋や不要な物は断るということです。リデュース、出来るだけ詰め替えの容器などを使ってごみを減らすことです。リユース、まだ使用出来るものは再利用することです。そして最後リサイクルです。資源として活用するということです。消費者の立場からは今、リフューズ、リデュース、リユース、リサイクルという4つのRについて話しましたが、生産者側から考えてます。生産者や販売者というのは回収した商品を様々に利用することが出来ます。例えば、リユースやリファービッシュ、リマニファクチュア、リサイクルという活用法があります。商品そのものとして販売することも出来る、あるいはパーツや素材としての再利用も可能かもしれない、原料として使うことも出来るかもしれない、あるいは最終的に利用出来ないものだけが破棄されるということです。この流れが企業の中でも始まっています。
例えば中古車の販売って一般的ですが、単なる中古車ではなくて正規のディーラーが認定中古車として品質を保証して販売するケースが見られます。それと同様に回収してきた商品がまだ使えるのでメーカー自身が整備をし直して保証して販売するということもありますが、これはまさにそのままリユースされる例です。あるいは最近ではテレビでプリンターのインクカートリッジの回収の宣伝を積極的にされていますが、新しいインクを回収したカートリッジに充填することでまた再利用出来ます。浄水器のフィルターにも見られます。あるいは有償で引き取ってきたパソコンや携帯から十分に使える部品を再利用することも一般的です。最近ではこのような回収した商品や部品、素材を再利用することを見込んで最初から商品を設計、デザインすることも始まっています。
企業にしてみれば環境に配慮している企業であるということでCSR、企業の社会的責任の順守にも繋がって来るし、そのように評価もされます。それ以上に重要なことは、新たな原料、部品などを調達して購入しなくても十分に回収した物の中から資源が含まれているということになります。そのことで生産コストが低く出来るのであれば、むしろ積極的にリバースロジスティクスに取組むということにもなります。調達から生産、そして販売から顧客に至る物の流れと同様に、その逆の流れも非常に重要な意味を持ってきているということになります。
最近では国連のSDGs、持続可能な開発目標、企業の持続的な成長というのはキーワードのように言われていると思います。限りある資源で持続的な成長をする為には資源の有効活用という観点からもっとこれが取り組まれる必要があるし、それを支えるのがこのリバースロジスティクスという仕組みにあって、さらにこれから注目されることになると思っています。

今日のまとめです。企業が取り組むリバースロジスティクスは顧客へのサービスということに加えて法律の順守、環境の配慮、資源の有効利用という観点から非常に重要です。むしろ戦略的な意味合いが出てきているということを話しました。企業では回収した商品をリユース、リファービッシュ、リマニファクチュア、リサイクルといった手法で資源の有効活用が求められている。そこにロジスティクスも重要な役割を果たすということです。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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