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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 規制と規制緩和① (国際経営、国際物流/星野裕志)

規制と規制緩和①

星野裕志 国際経営、国際物流

19/02/04

最近、福岡空港に行くと見慣れない外国の航空会社の飛行機、沢山駐機しているのを見ます。いわゆるLCCローコストキャリアというものです。たまたま福岡空港の国際線の時刻表を確認してみたら、シンガポール航空や大韓航空、タイ航空といった既存の航空会社が13社国際線の航空会社が福岡空港に乗り入れていますが、同時にLCCも10社運航されています。そのうちの6社が韓国のLCCです。今、旅行行く時にLCCを使う方も沢山いらっしゃると思いますが、機内のサービスは殆どありません。その代わり運賃は安いです。例えば、手荷物預けたら有料です。

サービスがミニマムということが、この特徴です。LCCの特徴と言えば、まず使用機材を特定の小型機に統一していることです。あるいは航空券の予約や機内サービスを簡素化をしたり、比較的空いてる空港や簡素な施設を使ったターミネルでコストを下げたりして、その分が低運賃に繋がっています。今そういう航空会社をLCCと言います。多くのLCCの航空会社では単一の種類、小型機に統一しています。統一していれば整備士や必要なパーツは、その機材のだけを用意しておけばいいです。あるいはパイロットもそうですが、パイロットの免許は実はそれぞれの機材ごとに資格を取らないといけません。そうすると、運行も整備もサービスも慣れた一つの種類に集中することが出来ます。これが機材を統一する効果です。あと、空港の施設という意味では中々LCCの専用ターミネルは日本では数少ないですが、今、成田空港でも関空でも既存の航空会社が利用するターミネルと別な所に非常に簡素な内装のターミネルがあります。例えば、関空をそのベースにしているピーチャビレーションを見てみると、普通の座席をとるようなきちんとした機械に変えて、ここでは段ボール箱で作ったセットの中にパソコン一台置いてお客さんが利用します。そのような形でコスト落としています。

急速にLCCが増えてきた印象と思います。それは、多くの旅行者が座席が少し狭く、サービスが限られているが、格安の運賃で海外旅行したいと望んだ結果だと思います。今日、遅くなりましたけどもLCCの増加が、これを可能にしたのは、交通における規制と規制緩和なので、これについてお話したいと思います。
日本では、ピーチが2012年、まだ7年前です。しかし、欧米にはLCCの原型といえる物はかなり早くからありました。例えば1971年に設立されたアメリカのサウスウエスト航空が、それが始まりとも言われています。おそらく最も成功したLCCで、かつ現存してるLCCとしては、確かにサウスウエスト航空かもしれません。それだけではありませんが、今は存在しませんが英国にレイカー航空という航空会社があって、1960年代に設立されて70年代から80年代の初めにスカイトレイン、空の鉄道という名称で航空機の旅行の大衆化に目をつけました。例えば、僕自身も学生時代にロンドンからニューヨークまで、わずか140ドルで利用したことがあります。まさにスカイトレインも空の鉄道ということで誰にも乗れるっていう、今のLCCと同じ発想だと思います。そのようなことがその時代にあったのに、なぜか日本では2012年がLCC元年と言われています。
2012年に日本で何があったのかと考えてみると、オーストラリアの航空会社とJALが設立しているジェットスタージャパンと会社が出来ました。マレーシアのエアアジアとANE、エアーアジアジャパンというものがその当時設立されて、ピーチャビレーションのこの3社のLCCが、国内に飛び始めたのが2012年です。日本では航空業界に限らず運輸行政として、様々な規制があったし、今でもあります。例えば、航空券を購入する際の国際航空運賃ですが、国土交通省が日本初の運賃の下限、つまり一番安い価格について規制を撤廃したのは2007年で、翌年から原則自由化になりました。つまり安い運賃を出さなければLCCは既存の航空会社に勝ち目はありません。そのような規制の撤廃があって初めて安い運賃で市場に参入してきたということです。
もっと早く規制が緩和されても良かったのではないかという意見もあると思いますが、その答えは簡単ではありません。例えば、羽田空港は日本の航空ネットワークの中心ですが、従来であれば発着枠が限られていて、中々路線を拡大しようとしても出来なかったこともあります。国際線でいうと特にそうですが、国際線の参入というのは、乗り入れというのは原則として自国と相手国の二国の政府間協定で認める権益です。だから政府が絡んできます。何より1度事故があったら取り返しの付かない航空業界にあっては、やはりある程度の規制が必要だということです。
最近、パイロットやキャビンアテンダントの飲酒のニュースなどがしばしば聞かれます。これは論外だとしても、少しでもコストを下げるために整備の費用を削ったり、乗員の無理な勤務もあるということで安全性が脅かされます。つまり、完全に民間の企業に任せてみたら、そのようなことも有り得るかもしれません。事故のレベルではありませんが、預けた荷物が紛失した、あるいは空港に行ってみたら満席で乗れなかったけれども、何の保証もないということになると乗客に不利益が出てきます。そのために保障などの様々な規定が作られる必要があるということで全面的には企業任せに出来ません。

今日のまとめです。最近福岡空港でもLCCの航空会社の飛行機が多く見られるようになりました。なぜLCCが増加したのかということについて、航空業者の規制と規制の緩和の視点から今日は説明しました。明日はこの続きで運輸業界全般についての規制と規制緩和についてお話をしたいと思います。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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