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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > コンベンション・ビューローの役割 (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

コンベンション・ビューローの役割

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

19/02/13

【今回のまとめ】
・昨年12月2~5日のISPIM福岡に伴い、初期の誘致や準備、開催期間中の様々な場面で、福岡観光コンベンション・ビューローが極めて重要な役割を果たしていた。コンベンション関連の経済効果は大きく、優れたコンベンション・ビューローを持つことは都市経済に重要な意味を持つ。

・前回まで、ISPIM福岡というイノベーション関連の国際会議について報告したが、この会議誘致や運営を側面から支援したのが、福岡観光コンベンション・ビューローである。今回は、その役割についてお話したい。
・コンベンション・ビューローは多くの大都市に設置されているが、地域経済に多大な経済効果をもたらす観光誘致のみならず、近年ではMICE(マイス)と呼ばれるビジネストラベルの誘致に力が入れられている。MICEとは、Meeting(会議やセミナー)、Incentive Tour(報奨旅行や招待旅行)、Convention/Conference(学会や国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字で、多数の参加者が見込めるだけでなく、一般の観光旅行よりも消費額が大きいことなどから、世界中の大都市がMICE誘致に力を入れている。
・野村総研の岡村氏によると、2015年時点の国内の旅行消費額は約25兆円とのことで、農業生産の約10兆円、自動車産業の約50兆円と比較しても、観光産業が日本の経済に占める比率は極めて大きい。そのうち、MICE関連の市場規模は正確には不明とのことだが、アメリカの場合は、観光産業全体が約100兆円、うちMICE関連が約3割だと言われることからすると、日本でもそれなりの経済インパクトを持つと思われる。
・ISPIM福岡の開催が具体的に検討され始めたのは約2年前だが、以来、ISPIM関係者からの福岡観光コンベンションビューローに対する評価は極めて高い。毎年3回の国際会議を、都市を変えながら開催する彼らにとって、地元のコンベンション・ビューローの支援は極めて重要だが、福岡の場合は、単なる会議の会場紹介やアフター・コンベンションの観光ツアー紹介にとどまらず、ISPIMの主旨やテーマを理解し、それに合致する地元のイノベーション関係者を積極的に紹介するとともに、地元企業訪問や九大キャンパス見学のアレンジなど、ビジネス・アレンジメント的な支援を積極的に行う点が高く評価される所以である。
・ちなみに、近年の福岡の国際会議開催件数は高い水準を維持しており、2016年度までは8年連続で国内第2位(2017年度は国内4位、1位はダントツで東京)という実績を残している。(最多の2016年は383件、1位の東京は574件なので、人口比では圧倒的に開催件数が多い。)
・また、前出の岡村氏(野村総研)によると、MICE分野の消費支出の半分強が会議開催に伴う支出(会場費、その他経費)で、残りが参加者の観光支出だとのことなので、会議誘致に加えて、会議開催中、あるいはその前後で観光ツアー等を組み込むことで地元が得られる経済効果は少なくない。
・ISPIMの場合は、期間中のディナーは、二日目が博多湾クルーズ・ディナー、三日目が市内の石蔵酒造(博多区千代)での利き酒付き和食ディナーと趣向を凝らしたものだったが、これらもコンベンション・ビューローの紹介だったようで、当日も会場にスタッフが付き添い、参加者や店舗側に注意を払う様子が印象的だった。
・また、二日目と三日目のイノベーション関連の企業訪問でも、例えばTOTOのトイレ・ミュージアムや安川電機のロボット・ビレッジ、九州大学伊都キャンパスなどのユニークな訪問先を選定し、企業・大学側に協力を要請し、滞りなく見学を終えられるよう良好にアレンジされていた。このような地元企業・大学を、海外を含めたゲストが訪問し理解を深めてもらうことが、さらなるシティ・プロモーションにも繋がるため、その意味でもコンベンション・ビューローが果たす役割は大きい。
・ちなみに、最終日の夜は公式行事は予定されておらず、ISPIM事務局および海外からのコアメンバー達約30名が天神の「ざうを」に行くとのことで、高田も誘われて合流したのだが、日本人参加者は自分だけで、食事や飲み物のオーダーや釣堀での釣りのシステムの説明、釣り上げた魚の調理方法など、全てに渡って自分が通訳として関与せねばならない状況で、終わったときにはすっかりくたびれてしまっていた。このような努力をコンベンション・ビューローのスタッフが毎度行っているのかと思うと、彼らの努力ぶりに心から脱帽した次第である。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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