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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イノベーション関連の国際会議ISPIM福岡(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

イノベーション関連の国際会議ISPIM福岡(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

19/02/07

【今回のまとめ】
・ISPIM福岡でも、企業やコンサルタントなどの実務家と大学に所属する研究者がバランスよく参加し、活発な議論を通じて知識共有が行われていた。インターネットやSNSが発達しても、リアルに人が集って対面で言葉を交わし合う場を持つことは、極めて重要である。

・前回は、去る12月初旬に、日本初のISPIMが福岡で開催されたので、引き続きその様子を報告したい。
・1つ目の主要テーマである「高齢化社会への対応」に続いて、2つ目の主要テーマとして(2)スタートアップエコシステムの形成について、基調講演(東京大学周辺の大学発ベンチャーを中心とするエコシステム、およびニュージーランド・オークランド市におけるエコシステム形成の取組)とパネルディスカッションが行われた。福岡は、近年スタートアップ関連の活動が活発で、世界的にも注目されていることから、会場の関心も高かった。パネルディスカッションでは、国の創業特区指定を受けた「スタートアップ・ビザ」や大名小学校跡地でのスタートアップ・カフェ(起業家の相談受付や各種イベントの開催)の取組が紹介されたが、特に注目されたのは、福岡の居住環境の良さやビジネスコストの低さに加えて、トップ(高島市長)のリーダーシップがエコシステム形成に果たした役割に注目が集まっていた。現在の福岡市におけるエコシステム形成の取組は、トップ(市長)のリーダーシップに基づく福岡市の各種施策展開と国による創業特区制度での規制緩和等によって、イノベーションに向けて実験的な取組を行う環境が整備され、地元の起業家や企業のみならず、福岡外からの起業家や投資家が福岡に惹きつけられ、集積が加速するというメカニズムが特徴的で、これについて活発に議論がなされた。また、エコシステムの中で活発に活動するイノベーション人材を、地域で育成し輩出することが今後益々重要になるという点についても議論がなされた。
・続いて、二日目の午後には3つ目の主要テーマである(3)エネルギー転換について、九大カーボンニュートラルエネルギー研究所のソフロニス所長からの基調講演とパネルディスカッションが行われた。世界的には化石燃料の使用量削減によってCO2排出を減らす取組を各国が進める中で、日本は東日本大震災後の原子力発電所停止とそれに伴う火力発電所の稼働率急増によって石炭や重油など化石燃料の輸入とCO2排出が急増していることを踏まえて、今後、如何にして環境負荷の小さいエネルギー源への転換を果たしていくべきかについて議論された。その中で紹介された九大の水素エネルギー研究の取組は、世界的にも注目されており、2020年の東京オリンピックでの水素社会のデモンストレーションや再生可能エネルギーへの転換のあり方、その実現に向けた研究開発の重要性について活発に議論がなされた。
・その他に、ISOによるイノベーション・マネジメントの国際標準づくり(ISO56000シリーズ)に関するセッションや、「場」に着目したオープンイノベーションの仕組みづくりに関するセッションなどが開かれ、各会場で活発な発表と意見交換がなされていた。
・また、学術発表については、事務局によると世界から約160件の応募があったとのことで、事前のピア・レビューによって約80件に絞られて発表と質疑応答が行われた。
・以前の放送でISPIMの特徴について紹介した際に、企業やコンサルタントなどの実務家と大学に所属するアカデミシャンがバランスよく参加している点を挙げたが、今回も企業やコンサルタントなどの実務家と大学所属の研究者が参加し、イノベーションをテーマにそれぞれの視点から活発に議論がなされていた点が印象的であった。
・イノベーションには、企業における最新の取組み事例や実務家の経験則から学ぶことと、それらを学術的/科学的に解釈しエビデンスを伴った知識基盤を提供することの両方が重要であり、ISPIMは実務と学術の両方の視点から知識共有とネットワーク形成を図る場として認知されている。
・四日間の会議全体を通じ、コーヒーブレイクやランチ、ディナーの場で、参加者が活発に交流する姿も印象的であった。インターネットやSNSの発達によって、コミュニケーションは格段に取りやすくなったが、逆に、今回のISPIMのような、リアルに集って同じ時間を過ごし、対面で言葉を交わし合う場を持つことの重要性についても再認識することができた。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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