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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日産ゴーン事件 (企業財務 M&A/村藤功)

日産ゴーン事件

村藤功 企業財務 M&A

19/01/21

今日は、日産の会長だったゴーンさんの話をしたいと思います。去年の11月にゴーンさんとケリーさんが逮捕されて、皆びっくりしました。12月10日には、有価証券報告書虚偽記載でゴーンさん・ケリーさんと、日産の法人そのものも起訴されたのです。法人としての日産も起訴されたという事になると、日産がどうなるのかという問題と日産の取締役が日産に対して損害賠償を払えという問題があり、本当は日産の取締役も結構心配です。色々心配なことが起きる中、最初は2010年から15年までの5年間における有価証券報告書虚偽記載の話だったのですが、2回目の逮捕では最近の3年間、もう一回有価証券報告書虚偽記載で逮捕されました。裁判所は2回目の有価証券報告書虚偽記載について勾留延長を許さなかったのですが、検察はそれを予想していなかったらしく、それだったら特別背任で逮捕するという事で12月21日に特別背任で逮捕したのです。

最初は、報酬が1年あたり10億円くらい、5年で50億円くらい少なく書いていたという有価証券報告書虚偽記載での逮捕でした。しかし、その報酬は、まだ貰っていないのです。SAR(Stock Appreciation Right)と言って株価連動型インセンティブ受領権の事ですが、株式の変動にもとづいて1年が終わった時に報酬が決まるものです。特捜としては、決まった段階で開示しないといけないはずだと考えているのに対して、ゴーンさんは確定していないから書く必要が無いと言っています。最近の3年間と3年の前の5年間の内、最初の5年間についてまず逮捕されて、2回目は最近の3年について有価証券報告書虚偽記載で逮捕しました。その後逮捕となった特別背任は2008年から2009年で相当前の話です。そもそもゴーンさんとしては、生活がドルだからドルで給料を払ってくれと言っていたのですが、日産は円でしか払いたくない。そこで、ドル円のスワップを新生銀行と締結しておこうという話になりました。ところが、リーマンショックで円高になってしまって、10数億円の損失が生じたため、新生銀行が追加担保の提供を要求したのです。

ゴーンさんとしては、取り敢えず日産に付け替えておくという事で日産に付け替えました。しかし、自分の損失を日産に背負わせたというのは問題ですよね。証券取引等監視委員会や監査法人がそんなことは許さないと言って問題視したので、ゴーンさんとしては対応しないといけなくなったのです。そこで、サウジにハリド・ジュファリ氏という知人がいて、最初はここに30億円くらい融資して追加保証してもらおうとしたら、日産の中でダメと言われてしまったのです。そのため、ジャファリ氏に頼んで、知り合いの外資系銀行から新生銀行に信用状を差し入れてもらうという事で、30億円の信用状を差し入れてもらいました。これで信用状が来たので、一旦日産に移転した契約をゴーンさんの資産管理会社に再移転するという事をしたのです。その後に、随分お世話になったねということで1470万ドルを販売促進費として日産の中東子会社から払ったのですが、特捜はそんな高いお金を払う様な実態は無いと言っています。これが特別背任で3回目の逮捕したときの話です。

だけど、まだあるのです。海外の話なので今一つよく分からないのですが、日産がベンチャービジネスに投資しようというので60億円出して、オランダに「ジーア」という子会社を設立しました。ここからリオのマンションとかレバノンのベイルートの高級住宅とか、いろいろ買っています。それから、他にも家の改築費用だとか、ヨットクラブの会員権だとか日産に払わせているという話があったり、パリとかアムステルダムでも日産の持っている賃貸マンションを利用しながら家賃の一部が不払いだとか、家族と何度も行った旅行での飲食の支払いを日産にさせていたとか、ゴーンさんのお姉さんにコンサルティング契約を結ばせて数千万円を日産から払っていたとか、色々あります。しかし、今言ったあたりはまだ逮捕とか起訴の対象になっていないのです。最初の有価証券報告書虚偽記載と特別背任は逮捕したのですが、まだ捜査に時間がかかっていて他のものに手が回っていないという事で、特捜としては保釈したくないし、裁判所にも保釈してほしくないという状況があります。当分いることになるだろうと思っていたら、東京地裁が2回目の有価証券報告書虚偽記載について勾留延長を認めないと言ったもので、ちょっと特捜としてはショックだったようです。

そもそもゴーンさんってどういう人か知っています? 日産の前はミシュランで働いていたとか、日産リバイバルプランで日産が死にそうだったのを助けたとか、そういう話があるじゃないですか。そして、グレッグ・ケリーという人はゴーンさんの側近です。今回何が問題になっているかというと、日産とルノーと三菱自動車の三社連合が大事なところなのに、これからどうなってしまうのかという事です。2017年でいうと、フォルクスワーゲンに次いで販売台数ナンバー2です。3社合わせると結構大きなグローバルグループになっていますから、トップだったゴーンさんが東京拘置所にいると、これからどうなってしまうのかが問題で、日産とか三菱自動車は会長職をクビにしました。

この問題について、フランス政府やルノーはどう思っているのでしょうか? フランス政府としては、ルノーに日産を支配させようと考えていました。ルノーは日産の株式の43.4%を持っていて、日産はルノーの15%しか持っていません。正直に言うと、ルノーよりも販売台数とか収益力、株価や技術力とかみんな日産の方が上なのです。だけど、日産が死にそうだった時にルノーが助けてくれたという事で、ルノーが偉いということに今迄なっていて、フランス政府はルノーに日産を支配させようとずっとしてきたわけです。しかし、日産としては、それはちょっと嫌です。三社連合は別にいいのですが、ルノーの為に日産に損害が及ぶのは困るので、対等の関係を持ちたいと考えているようです。今、世界の自動車産業が変わる中で、ルノー・日産・三菱自動車の三社連合もいろいろ変わらなくてはいけないのに、トップがこんなことになってしまって大騒ぎです。

今日のまとめです。日産の会長だったゴーンさんが去年の11月に有価証券報告書虚偽記載で逮捕されて、日産と共に起訴されてしまいました。東京地裁は12月20日に勾留延長を却下したのですが、21日に特別背任の疑いで3度目の逮捕がされました。フランス政府やルノーは日産を支配したいし、日産はルノーの為に自分に損害が及ぶのは困ると考えており、これから一体、三社連合はどうなってしまうのかというところです。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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