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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 外国人の受入 (企業財務 M&A/村藤功)

外国人の受入

村藤功 企業財務 M&A

19/01/17

今日は外国人の受け入れの話をしたいと思います。これまで日本政府は、高度人材は受け入れるが、ブルーカラーと言われるような人達は受け入れないとしてきました。しかし、高度人材はなかなか来てもらえないし、単純労働者は受け入れないと言っても既に日本に来ている外国人留学生や技能実習生はそれぞれ27万人位います。事実上、働くために来ているという人が多いのです。

サイドドア方式とか回転ドア方式という言葉があります。留学生は勉強しに来ており技能実習生は日本で技術を習得して途上国に持ち帰るために来ているという横から見た建前がある一方で、正面から見ればほとんどの人は働きに来ているわけです。だからサイドドアではなくて、正面ドアから入れましょうというのが、まず1つ。それから、何年かいるけどぐるっと回って帰るのでしょう、3年とか5年働いて帰るのであり、結局ここにずっと住むわけではないという立場で受け入れるのを回転ドア方式と言います。

しかし、技能実習制度にはとても大きな問題があるので、これを何とかしなくてはいけません。また、人手不足であり、特に地方の中小企業には人が全然いないといって政治家に陳情に訪れている状況にあります。何とか人を入れなくてはいけないのでどうしようかという話になり、特定技能1号と特定技能2号という制度を設けました。特定技能2号について皆がこれは移民だと騒いだので、取り敢えず特定技能1号だけで34万人位受け入れようという話に今なっています。特定技能1号というのは、3年から5年の技能実習を終了したり、あるいは技能実習をしていなくても技能試験や日本語試験でそれなりに1号と認めて良いのではないかという人達を対象に、14業種で34万人受け入れようという制度です。人手不足で足りないのは145万人くらいと言われているので、145万人足りない内の34万人が外国人の受け入れですが、では後はどうするのというと、女性が働くとか、高齢者が働くとか、生産性が向上するとかAIやロボットが働くとかいった話になっています。

労働者不足が見込まれる中で、不足見込みの2割強を外国人で何とかしようという話をしているわけです。これまで技能実習生として去年では28万人くらい日本に来ているのですけど、これがまた大変かわいそうなことになっています。最低賃金を下回る低賃金で働かされているとか、発展途上国には悪質ブローカーがいて、「ちょっと日本は高給だけど、そこに行って働かない?」とか、「ちょっと保証金を出して下さい、そのお金を貸してあげるから」といって何百万、何千万というお金を貸すわけです。しかし、低賃金で働くでしょう? いつになっても返せないわけです。そのため、将来の明るい見通しが立たずに逃げたり、死者も8年で170人余り出たりしました。

とてもかわいそうなことになっていて、パワハラだとかいじめられたりだとかもよく起こるわけです。技能実習制度には問題が有るというのは皆が思っていました。そもそも、日本で技能を実習しても途上国に戻ったら覚えた技能で何か仕事があるのかというと、全然そんなものは無いのです。要するに、回転ドア方式で日本に出稼ぎに来ているわけです。そこで、正面から労働力として認めるというのが今回の制度ですが、日本は単一民族国家なので、そんなに外国人が入ってくるのはちょっと怖いみたいなことで、最初の5年は家族を連れて来るのは止めようという話になっています。2号は家族を連れてきて何度も更新できてずっといられるので本当は移民じゃないのかということで、2号はちょっと様子を見てから考えようということに今回なりました。取り敢えず1号だけで34万人、これから5年で受け入れて様子を見ようという話になっています。

海外はどうしているのかというのはちょっと気になるでしょう? 韓国もずっと民間企業で研修生を受け入れるというようなことをやっていたのです。その結果何が起こったかというと、途上国の悪質ブローカーが暗躍して、とてもかわいそうな研修生がいっぱい出来ました。そこで、2004年に民間で受け入れるのは止めさせて、許可制にする事にしました。韓国政府と途上国の間で、国と国が交渉して悪質ブローカーを取り締まろうという形で対策をしたのが韓国の現状です。

ドイツの場合ですが、ドイツも最初は回転ドア方式で受け入れていたのです。しかし、そうすると結局帰らない人達も出て、ドイツ語は出来ないしドイツ文化も分からないため、ドイツ人社会と移民社会の間に並行社会ができ、亀裂が生じました。なかなかドイツに馴染めないので、2005年に移民法でドイツ語とかドイツ文化の勉強してくださいという話になり、去年の年末には専門外国人人材移民法ができました。ドイツ語が出来て専門人材と言えるような人だったら、ドイツに入国して6ヶ月くらい仕事探しても良いという法律をちょうど作ったところです。ドイツは移民を受け入れて共生する方向に舵を切りました。

海外も色々な試行錯誤をやっているところです。日本も1号はどちらかというと回転ドアで、安倍首相も移民ではありませんよみたいな事を言っているのですが、2号は、本当は移民です。だってずっといるわけですから。そこで、これから一体どうやっていくのかですが、やっぱり来ていただくからには、日本語を勉強してもらって、日本人と会話ができ日本文化もそれなりに分かるということにしないといけないでしょう。ドイツの例を参考にし、移民として入っていただくのであれば共生して、一緒に仲良く住んでいくという話になれば良いなあと思っています。

今日のまとめです。これまで、サイドドア方式とか回転ドア方式で、留学生と技能実習生しか受け入れなかった日本ですが、出入国管理法を改正して正面から特定技能を持つ外国労働者を5年で最大34万人程度受け入れることになりました。ただし、これまで外国人を便利な需給調整として使っており、低賃金や現地の悪質ブローカーによる多額の保証金とか問題が多いので、今のところ日本語習得だとか日本文化習得といった共生の準備が出来ているとはちょっと言い難いです。政府はそういった総合対策を現在考えているところですけれども、ちゃんとした対策を考えて、来ていただくからには一緒に暮らしていけるような形にするということが望ましいと思います。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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