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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > フィンテックについて① (企業財務管理、国際金融/平松拓)

フィンテックについて①

平松拓 企業財務管理、国際金融

19/01/14

今日はフィンテック(FinTech)についてお話をしたいと思います。フィンテックという言葉もだいぶん耳に馴染んできたと思いますし、またフィンテックのサービスも非常に身近になってきたと思います。このフィンテックを銀行業との関連を中心に今回と次回の2回で取り上げたいと思います。

フィンテックのサービスとは、家計簿アプリや送金サービス、それ以外の決済サービスです。例えば、スマホでの決済や証券投資の際のロボティックアドバイザーなどがあります。実は、私も証券投資関連などの幾つかのフィンテックサービスのアプリケーションをダウンロードはしていますが、ほとんど実際は使っていないという実態です。
フィンテックとは、ファイナンス(Finance)金融とテクノロジー(Technology)を組み合わせたファイナンステクノロジーの略語ですが、所謂ICT(Information and Communication Technology)これを駆使して金融分野に革新的で破壊的な商品やサービスを産み出そうという動きです。基本的には既存の金融機関が持つ総合的な金融サービスの内の一部の機能に特化して、低コストかつより利便性の高いサービスを提供しようとしています。前にお話した仮想通貨などもこのフィンテックの産物と言えると思います。福岡では地方銀行も先進的なアプリケーションを開発してサービスを広げているところがあって、他県の地銀にもこれを提供してフィンテックのネットワークを広げようとしているという動きも見られます。
このフィンテックという言葉自体は、2000年代初頭から使われだしたらしいですが、草分けとしてはテスラでお馴染みのイーロン・マスク氏が1998年にアメリカに立ち上げた送金サービス会社PayPalが起源と言われています。小切手の振り出しや銀行のメインのコンピュータを動かすこと無しに、PayPal上に設けた口座間での送金を行うサービスです。利便性が受けましたが、この頃はまだPCでの利用が前提で、その他のフィンテックサービスが続々と続いてくるという展開にはなりませんでした。シェアリングサービスなどと同様に、2008年のiPhoneの発売によってフィンテックは爆発的な流れになったと言えると思います。日本ではインターネットユーザーが比較的限られていたことと、小切手決済ではなくて銀行振り込みが中心だこと、元々現金への依存度が高いことがアメリカとは状況が異なっていたこともあって、フィンテックとしての目立った展開は中々見られませんでした。
これが大きな話題となったのは2,3年前に海外での隆盛によって、それを視察に行ったメガ銀行の幹部によって銀行にとっての大きな脅威と捉えるようになってからと思います。このフィンテックの隆盛の一つの背景には、預金や為替の業務が銀行の固有業務として長らく銀行以外には許されない業務となってきたということがあって、その一方でそれが大規模なシステムの一環としてサービス提供されてきたために、使い勝手が決して良くなかったということがあります。何十万という口座の管理や膨大な数の取引の決済を確実に実施することが重視されて、その分個々のお客のニーズに沿った細やかなサービスには少し欠けていたということがあると思います。そのような意味で高コストで、しかも融通が利かなかったということです。しかし、ICTの進歩により大きな投資無しに顧客目線に立って銀行の固有業務に関連するサービスが安価に提供出来るようになって、新しい事業者に参入する余地が出てきました。銀行は当初預金業務が出来るのは銀行だけで、その利用を避けては通れないということ、それから預金口座という顧客との接点を銀行は押さえているということから、このフィンテックの脅威は限られたものだと見ていた節があります。しかし、フィンテック企業のサービスが多機能化して、預金者がフィンテック企業とその提携企業が形成するサービスのエコシステム、サービスの生態系です。これに取り組まれてしまうと、銀行などのサービスはフィンテックのサービスを通過させる土管のような存在になってしまうという危機感が強まりました。そのため、現在では銀行もフィンテック機能の取り込みを狙って、フィンテック事業者との提携、或いは買収に積極的になっている他、自らスタートアップ企業を見出すために、ハッカソン(hackathon)を行なっています。これはソフトウエア開発業者の技能やアイデアを競う様な催しです。このような傾向は各国で金融監督当局が規制緩和に動いていることもあり、この流れは強まっています。フィンテックに対する規制については、次回お話をしたいと思います。
銀行にとってはフィンテックはもう無視できない存在になっています。当初は脅威であって、でもそのフィンテックを巻き込んで一緒に共存していく方法を探っていかないといけないという事なんでしょうか。例えば、アメリカにJPモルガンという銀行がありますが、ここはフィンテックは基本的に影響は限られていると言いながら、今よく聞く話は、このJPモルガンが世界最大のフィンテック業者になるのではないかと言われています。

今日のまとめです。フィンテックとは、ファイナンスとテクノロジーを組み合わせたファイナンステクノロジーの略で、既存の金融機関が苦手な個々の顧客のニーズに沿った細やかなサービスを武器に顧客に浸透しつつあります。提携等によりサービスのエコシステムを形成することで、既存の金融機関と主客逆転をもたらしかねないという危機感から、銀行など金融機関も積極的にそのサービスの取り込みに動いています。

分野: ファイナンシャルマネジメント |スピーカー: 平松拓

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