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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 投資信託について考える(2) (企業財務管理、国際金融/平松拓)

投資信託について考える(2)

平松拓 企業財務管理、国際金融

18/12/20

前回は投資信託の基本的な仕組み、関与する関係者、そして分かりにくさの背景などについてお話ししました。今回は、投資信託のリスクや、運用成績を含めた投資信託のメリット、デメリットを考えてみたいと思います。

前回説明した通り、銀行預金の場合には銀行による運用成績に拘わらず、予め決められた利率に従って利息が支払われ、期日には元本も合わせ返済されます。投資信託の場合には運用成績の責任は投資者が負うことになっていて、期待以上にリターンが得られる可能性がある一方で、逆にリターンが得られないばかりではなく、元本が目減りするリスクすらあります。それでは、投資信託への投資を行う場合、具体的にどのようなリスクを考えておけばよいでしょうか。もちろん投資対象となる金融商品の内容によって異なりますが、一般的なところで考えてみたいと思います。
まず、第一に組み入れられている株式や債券の価格が様々な要因で変動する価格変動リスクがあります。第二に外国通貨建ての資産を組み入れているような商品の場合には、為替変動リスクも考える必要があります。第三には投資対象となる債券の発行国や発行企業が、財政難等によって支払不能に陥ったり、倒産に至るような信用リスクもあります。第四に(第一とも関係しますが)金利の変動により債券の価格が上下する金利変動リスクがあります。金利が変動すると、期間の長いものほど大きく価格が上下します。
運用方針にもよりますが、投資信託はこのように多くのリスクにさらされており、専門家が運用すると言っても簡単にリスクを回避できません。「リスクのないところにリターンなし」の格言を思い起こすことが必要です。
一方、銀行預金の場合は、預け入れている銀行が倒産すると、預金保険の付保対象の金額(1,000万円)を限度としてしか元本の返済を受けられないというリスクがあります。これに対して投資信託の場合は、信託銀行は自分の財産とは区分して信託財産を管理することが法律で義務づけられているために、投資家が預けたお金は、全額信託銀行において制度的に守られることになっています。
それでは、この点以外の投資信託のメリット、デメリットを考えてみたいと思います。1つ目のメリットとして、普通株式投資を自分で行うためには、取引単位の株数(単元株)を購入するために一定の資金が必要となりますが、投資信託であれば1万円程度から手軽に始めることが出来きます。2つ目に、自分で幾つもの銘柄を持たなくても、リスク分散をすることができます。3つ目は、専門家によって個人では難しい新興国の株式などへも投資出来ます。4つ目として、毎日、取引価格である基準価格が公表されており、高い透明性があります。
次に、デメリットにも触れておきたいと思います。その1つ目が、これまでにも見て来た通り、仕組みがやや複雑で分かりにくいことです。2つ目は手数料が高いことです。業者によって多少の差もありますが、特に小口運用の場合、手数料の負担割合が大きくなるケースが多いです。3つ目として、専門家に任せているがゆえに、市場が動いた時に、それが一体どの程度、自分の保有する投資信託の価値に影響するかが直接的には分かりにくいことです。
これ等のうち、投資信託の手数料が高いことはかねてより問題になっていますが、先日、投資信託を保有している顧客のうちで約半数の方の運用成績がマイナスになっているというレポートがありました。販売手数料の安い新興ネット証券などが販売する、独立系の運用会社による投資信託の中には良い成績を上げているものもありました。しかし、全体的に運用成績がそれほど上がらない中で、販売会社などの手数料が負担となって赤字となっているものが少なくないという内容でした。
投資信託には、経済の活性化や国民の健全な資産形成などを目的に、「貯蓄から投資へ」という流れを作る上での重要な役割が期待されています。しかしながら、現状の高めの手数料や不冴な運用成績もあって、国民の多くにとって、ややとっつきにくいものになっているかと思います。更なる投資信託の魅力の向上のために、関係者の一層の努力が期待されます。

今日のまとめです。投資信託に投資する場合、リターンに見合うリスクを受け入れる必要がありますが、一方で、少額から株式を含む商品に投資できたり、関係機関の倒産などの場合でも信託財産が保護される仕組みになっているなど魅力も少なくありません。現状の割高の手数料等や不冴な運用成績、分かりにくい取引明細などが、関係者の努力により改善され、より健全な形で広く利用されるようになることが期待されます。

分野: ファイナンス 国際金融 |スピーカー: 平松拓

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