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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 投資信託について考える(1) (企業財務管理、国際金融/平松拓)

投資信託について考える(1)

平松拓 企業財務管理、国際金融

18/12/19

今日は投資信託について考えて見ます。預金にほとんど金利がつかない昨今、金融機関に預けたお金について投資信託、ファンドとも言いますが、これでの運用を勧められることが増えて来たと思います。しかし、投資信託の場合、預金と違って一般に期日がなくて解約日に返ってくる金額も決まっておらず、その上種類も多く仕組みも複雑なので、少しとっつきにくいと考える方が少なくないと思います。そこで、今回と次回の2回で、この投資信託について採り上げます。

投資信託の分かりにくさには、様々な理由があると思います。第一に、まずその基本的な仕組みです。預金の場合には、銀行はそれを運用しますが、お金には色が付いていないため、預金者ばかりでなく、銀行自身も預金がどのような形で運用されたかを知ることは通常できません。それでも、銀行は倒産でもしない限り約束した金利を、期日に実際の運用成績に関わらず払ってくれ、元本もそのまま返金を保証してくれます。
これに対して、投資信託の場合は、多くの投資家からお金を集めて、ひとまとまりの資金として、これを専門家が予め公表した運用方針に基づいて株式や債券などで運用し、そのリターンを個々の投資家に対して、その投資金額に応じて分配する金融商品です。従って、投資家は自分のお金が大体どのような商品で運用されるはずかを知ることが出来ます。その代わり、運用の結果としての損益は、運用してくれる専門家ではなくて、投資家に帰属します。つまり、運用成績次第で投資家は得もすれば損もする訳で、損する場合には金利相当分はおろか、元本が目減りする可能性もある商品です。そのため、投資家は運用方針のみならず、投資信託運用会社の運用の上手さやパフォーマンスも見ておく必要があります。
次に、投資信託は関係者が多くて、その役割分担が複雑なことも話を分かりにくくしています。通常、投資信託は投資信託運用会社というところで作られます。多くは、○○投信や○○アセットマネジメントといった名前を持っている会社です。銀行や証券会社のグループ会社も多いですが、独立系もあります。そこで作られた投資信託は、証券会社や銀行、郵便局などの販売会社で販売されて、そのお金が一つにまとめられて、それを信託銀行が保管します。その際、信託銀行は自社の財産と区別して、信託財産として分けて管理することで、金庫番としての役割を果たしています。信託銀行は、このお金を用いて運用会社の指示に従って、例えば株式を買ったり、債券を売ったりします。
もう一つ、投資信託を分かりにくくしているのは、投資信託の計算書類です。投資信託の取引明細書を見ると、基準価格や分配金、口数など預金の時には見かけない項目が並びます。このうち、口数とは一定の価格がついた投資単位で数えて一体何単位の投資を行っているかを示す値です。この口数と、それから一口当たりの価格である基準価格、これを掛け合わせたものが投資残高、その時の投資評価額になります。原則、その口数は投資開始時点から変わりませんが、一口当たりの価格である基準価格が運用成績を反映して増減します。「何故そのような面倒くさいことをするのか」と思うかもしれませんが、投資信託の場合は多くの投資家から集めたお金を一纏めにして運用しているため、同じ百万円の投資でも投資の時点、タイミングが違うと、一口当たりの価格が異なって購入できる口数が変わるからです。
最後に分配金とは、投資信託の決算の際に支払われる払戻金のことですが、これには大きく二つあります。一つは普通分配金で、これは投資信託の運用に伴って生じる利子収入や証券の売買益などを原資に支払われるものです。もう一つは、特別分配金というものです。これは元本払戻金とも言われますが、予めその投資家との約定に基づいて支払われるもので、その投資信託の運用収益では支払原資がカバー出来ない場合でも、投資元本を取り崩して支払われます。いずれにしても、これらの分配金は投資信託財産の中から支払われるので、支払の後はその減少に伴って基準価格も低下することになります。
特別分配金の付いた投資信託は、毎月一定金額の支払を受けられることから、運用収益がなくても元本を取り崩して支払われることから投資家に錯覚を与えかねないとして、監督官庁からは睨まれていて、課税優遇制度の対象から漏れるといったこともありました。しかし一方で、毎月一定額の支払を受けられることから、年金の足しとして考える高齢者には根強い人気を保っています。
以上、今回は投資信託の基本的な枠組みを見てきましたが、次回は投資信託のリスクや投資信託の運用成績について考えてみたいと思います。

今日のまとめです。投資信託は預金金利が低い中で、個人の運用商品として注目が高まっていますが、当事者が多く、選択肢も多い分、仕組みも複雑となっています。活用するためには、まずは基本的なところを押さえて、それぞれの商品の性格を理解することが重要です。でも、取引明細書など、もう少し見やすい工夫をお願いしたいとも思います。

分野: ファイナンス 国際金融 |スピーカー: 平松拓

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