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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 離島航路の維持② (国際経営、国際物流/星野裕志)

離島航路の維持②

星野裕志 国際経営、国際物流

18/12/27

今日のまとめ:有人離島を支える離島航路の厳しい状況に加えて、ジェットフォイルと言
       う高速船の新造が今後不透明な中で、生活の足の確保のために、大きな転
       換の必要があると考えています。
      
前回、日本にある6,852の島の内416島が有人の離島であり、このほとんどの島で住民の生活が離島航路の船舶に依存していること、その離島航路が、人口の減少と高齢化で利用者が減少し、経営がなりたたず、とても不安定な状態にあり、その多くが国や地方自治体からの補助金頼みという状況にあるという現状をお伝えしました。

離島航路はまさに、生活の足といえます。博多港のベイサイドプレイスは、離島航路の発着地ですが、午前中に壱岐・対馬などからのフェリーや高速船の到着を見ていると、とても興味深い光景に出会います。高齢の方々が到着すると、福岡の大きな病院の人が看板を持って下船する乗客を待っていて、シャトルバスで病院に送っていく光景です。
壱岐・対馬には、自治体の運営する総合病院や私立のとても立派な病院があるのに、どうして福岡の病院にわざわざ来られるのか、最初は疑問に感じました。地元の方に理由をお聞きすると、やはり診療科によっては医師が常駐していなかったり、決まった医師の継続的な診断を得られなかったり、施設の制約などから、福岡に来られていることがわかりました。生活圏としては、福岡に依存していることになります。こうした状況が成立するためには、安定した航路があって、比較的簡単に来ることができるということが前提になります。それでも、島外から輸送されるガソリンや商品の値段が高く、魚や野菜など島内で完結するものであれば問題はないようですが、概して割高というお話をお聞きします。
現在でも、なお台風などで船舶が運休すると、お店の商品や生鮮品がなくなるというお話でした。こうした現状を踏まえると、やはり船に依存するということは、様々なリスクがあることがわかります。福岡と対馬の間には航空路もありますが、わずか35分のフライトで、片道の普通料金は15,900円と島民にとっても観光客にとっても、かなり割高です。そんな中で、今非常に気になるのは、ジェットフォイルの動向です。ジェットフォイルとは、航空機のボーイング社が製造したウォータージェット推進で、時速約45ノット=80キロで航行する高速船です。航空機のボーイング747や777と同様に、929という名称が付けられています。1989年以降は川崎重工がライセンスを得て、製造しています。ジェットフォイルは、博多から釜山の間でも運航されている高速船で、国内で20隻弱が運航されています。JR九州の博多・釜山航路以外でも、博多-壱岐・対馬、長崎-五島、鹿児島-種子島・屋久島などの航路で、九州で約半分のジェットフォイルが使われています。

ところが問題は、これらのジェットフォイルの多くは、船齢が30年前後と老朽化しつつあるということです。さらに船価=船の価格が、一隻50億円するとなると、昨日からお話している通り離島航路では、なかなか新しいジェットフォイルの発注ができない事情があります。さらにそのメーカーである川崎重工も、採算に合わないため、複数の発注がないと新造船を建造しないと言い続けてきました。幸いにこのことは、昨年東京の東海汽船が、伊豆諸島用に25年ぶりに発注して、再来年の引き渡しということで、とりあえず生産の再開はされましたが、今後の見通しはわかりません。

新しく建造されないとすれば、これから高速船がなくなる可能性があります。博多から壱岐の郷ノ浦港まで、ジェットフォイルを利用すれば70分前後で到着しますが、フェリーではその倍の時間がかかります。高速船があればこそ、対馬を7時、壱岐の芦辺港を8時10分に出て、9時15分にはベイサイドプレイス博多に着いて、病院にも通うことができ、観光客がこれらの自然と歴史にあふれる魅力的な島を手軽に訪れることができるのだと思います。この魅力に触れた今、もう高速船以前に戻ることは難しいと思います。島の人口が減少して利用者が少ないために、航路が安定しない、船舶の新造も難しく、高速船の維持ができないとなれば、まさに有人離島の維持がますます困難になるため、大きな転換が必要になります。

今日のまとめです。
前回に引き続き、有人離島を支える離島航路の厳しい状況をお話しました。さらに、ジェットフォイルと言う高速船の新造が今後不透明な中で、生活の足の確保のために、大きな転換の必要があると考えています。もちろん特効薬はありませんが、転換のために何をすべきなのかを次回お話したいと思います。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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