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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中途半端の効果 (産業組織心理学、社会心理学/三上聡美)

中途半端の効果

三上聡美 産業組織心理学、社会心理学

18/11/29

今日は、「中途半端がもたらす効果」についてお話します。
「中途半端」はあんまり良い意味で使われませんが、実は「中途半端」がもたらす効果があります。
その前に、多くの女の子が小さい時に一度は憧れるシンデレラのストーリーを思い出してみてください。。

少しだけ説明いたしましょう。継母や姉達にいじめられて舞踏会に連れていってもらえないシンデレラが魔法の力によってドレスアップし、舞踏会に参加します。しかし、その魔法は午前0時には消えてしまう約束でした。舞踏会では王子様に見初められ素敵な時間を過ごしたシンデレラでしたが、午前0時の鐘の音を聞いて急いでお城を後にしますが、その途中階段でガラスの靴を落としてしまいます。王子様はシンデレラを忘れることが出来ず、ガラスの靴を手掛かりにシンデレラを探します。王子様に見つけて貰ったシンデレラはお妃さまとしてむかえられ幸せに過ごしたというお話です。

ではここで問題ですが王子様はなぜ舞踏会が終わってもシンデレラを忘れられることが出来なかったのでしょうか。シンデレラが美人だったから、王子様のタイプだったからという回答は今回はなしにします。

注目すべき点は、「午前0時にシンデレラが帰ってしまった」という点です。つまり、舞踏会の途中でシンデレラが帰ってしまったことに理由があるのです。人は、完成された物事や達成できた事柄よりも、不完全なことや達成できなかった事柄を良く覚えている傾向があります。これを「ツァイガルニク効果」と言います。舞踏会の時間いっぱい興味をひかれたシンデレラと過ごせると思っていたところで突然シンデレラが帰ってしまったのですから、王子様にとっては中途半端な舞踏会になってしまったわけです。そのため、シンデレラへの思いはいっそう強くなり、中途半端なまま恋心を完成させるためにシンデレラを探し回ったのです。もしシンデレラが舞踏会の終わりまで王子様と一緒に過ごしていたら、思い出の1つになっただけで王子様の記憶にシンデレラは強く残らなかったかもしれません。落としたガラスの靴を持ってシンデレラを探しに行くこともなかったでしょう。

これは、普段の生活でも適用されます。例えば、合コンの途中で帰ってしまった場合、「この子良いな。もうちょっと一緒に過ごしたいな」と思っているということが前提ですが、相手の印象に残りやすくなります。

物事が完成して目的が達成されてしまうと、記憶はそれほど強く残らず、頭に何度も浮かんでくることもなくなるそうです。テレビを見ている時に「続きはCMの後で」と続きをわざと先送りにする番組を目にしたこともあると思います。ドラマでもラストが凄く盛り上がっちゃってもう少し見たいと思った所で終わってしまうと続きが気になって仕方がなくなりますよね。このように、知りたい内容が一旦遮断されてしまうとその内容がより強く気になってしまうというのも「ツァイガルニク効果」の特徴です。
また、スマホにラインなどのメールが届いた時メールの一部がホーム画面に表示されている設定をしている人は、途切れた続きが気になって作業中でも手を止めてラインを開いてしまうこともあるでしょう。反対にホーム画面でメールの内容を全て把握出来たらそれですっかり安心してしまい返信も後でと思って気が付いたら既読スルーになってしまったこともあるのはないでしょうか。

さて、「ツァイガルニク効果」を仕事で生かすにはどうしたら良いでしょうか。
仕事で中途半端にする1つの方法として、あえてキリのあまりよくない所で終わりにしてみるというものがあります。そうすると、中途半端になっていることでモヤモヤして、続きの作業をする時にその生産性が上がります。どこかキリが良い所までした方がいい気がしますが、実はキリの悪い所というのがミソです。「明日やろうは馬鹿野郎」という言葉が昔話題になりましたが、これは、明日何があるか分からないのでもし急な仕事が入ってしまっても困らないように先延ばしにしたりせずに今日出来る仕事は今日片づけてしまった方が良いと思わせてくれる言葉です。もちろん出来る時に出来ることをしておくに越したことはありません。しかし、あえて今日の仕事を残してみる、または明日夜の予定を少しやりかけて終わらせてみるのです。中途半端にしておくことで、作業のことが記憶に強く焼き付かれるため、次の日続きの作業する時にはスムーズに仕事ができます。取り掛かるのが早くなるわけです。キリのいい所で終わらせると先程もお話したように、何だかスッキリして仕事のことは忘れてしまいます。スッキリ終わらせた方が1日の終わりもスッキリした気持ちになりそうで良いかもしれませんが、仕事のことを考える時間が増えると、「明日はこうしてみよう」「こうやるともっと早く終わるかもしれない」ということを考えることにも繋がり、結果的に仕事の生産効率のアップに繋がる場合があります。
また、長時間ダラダラ作業を続けるよりも、途中で強制終了させた方が次の作業時の生産効率アップに繋がります。長時間作業をしていると疲れも溜まっていきますし、溜まった疲れは中々取れません。疲れたまま仕事をしていても中々作業効率が上がらないということもあるでしょう。途中で強制終了かけてみることで続きが気になる気持ちにさせておくと次仕事をする時に集中しやすくなるのです。

では、今日のまとめです。

人が達成出来なかった物事や中断している物事に対して、より強い記憶や印象持つ事をツァイガルニク効果と言います。中途半端が良い効果をもたらすこともあります。

分野: 社会心理学・組織心理学 |スピーカー: 三上聡美

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