QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 仮想通貨(ビットコイン)について(その2) (企業財務管理、国際金融/平松拓)

仮想通貨(ビットコイン)について(その2)

平松拓 企業財務管理、国際金融

18/11/21


今回は、ビットコインが関係者の間でどのように評価されているか、ということについて話したいと思います。

ビットコインは誕生してからわずか10年足らずですが、保有者数、それから価値総額の面で急成長をとげており、1単位当たりの価値では実にその当初の10百万倍にもなっています。これはビットコインに用いられた技術やシステムが、これまでの通貨に用いられてきた仕組みとは大きく異っていて、優れた面を持つことについての人々の期待を反映していることを示しています。

しかし、一方で円やドルやそれに先立つ数々の通貨は、より広く、そして数百年数千年の長きにわたって使われてきて、実用性を担保する為の様々な規制が確立してるのに対して、ビットコインの歴史は浅く、しかも少し前までは、本当に限られたコミュニティの関係者のみが扱っていたことから、粗削りで危うい部分もあります。そして規制らしい規制が長らく存在してこなかったこともあって、その将来性については評価が分かれています。ただ、ほぼ共通しているのはビットコインその物よりも、前回も話しましたが、ブロックチェーンという分散型台帳技術に対する高い評価です。

これは、既存通貨(フィアット通貨)における中央銀行や銀行システムのようなネットワークの管理者が不要で、コンピューターネットワーク上に取引記録を消去不能な形で残す技術です。国の機関のような胴元的な存在が不要であることから、不動産取引に於ける登記簿に代替する効率的なシステムとして、或いはまた、その文章を記録の改竄、捏造が不能な取引記録システムとしての活用が既に始まっています。そしてそのブロックチェーン技術を採用してるが故に、ビットコインは低コスト、それから恣意性が排除されており、また、効率性という点でも優れています。更に国境に遮られることなく流通して、国際的な決済に用いられる場合でも為替相場を勘案する必要がない、という非常に有利な面を持っています。

このようなビットコインの優れた点を積極評価する人は、昨年の改正資金決済法制定によって、ビットコインの法的な位置づけが明確にされたことを非常に評価しています。その後も、ビットコインの先物取引が海外で上場されたということもあって、ITベンチャーのみならず、既存のネット証券などの中にもこのビットコインを取り使う、仮想通貨交換所業務への参入を希望してる所が増えています。

これに対して、規制や監督が確立しておらずマネーロンダリング対策が不十分であることや、それぞれに独立した参加者で構成されるコンピューターネットワークが脆弱性を持つこと、あるいは盗難事故が頻発する取引業者のセキュリティ対策の危うさなどの問題から、システムの不完全性を警戒する意見は多くあります。また、現実にビットコインが通貨として決済等の目的にはほとんど利用されておらず、専ら投機的目的で保有されている状況を捉えて、ビットコイン等は通貨としての機能は果たしておらず、暗号資産と呼ばれるべきなどと、厳しい見方をする人も少なくありません。

さらに、ビットコインの供給量がスタート時点から2045年迄事前に決まっているために、価格が高騰してもそれを冷やすというメカニズムが存在しないといった点から、ビットコインの開発者には金融通貨制度に関連する専門領域の智識が欠如しており、そのシステム基本的な問題を抱えてるという指摘もなされています。こうした見方からすると、ビットコインの価値の上昇自体も、システムの欠陥の現れということになります。

このように意見は分かれていますが、このビットコインの利点を生かした、より優れた通貨の誕生への期待も強く、メガバンクなども競って新たな電子的な通貨の開発に乗り出しています。またビットコインの技術は広く公開されてることから、実際にビットコインに続く形で、何百という仮想通貨が既に生まれてきています。

最後に、仮想通貨の中では先頭を走ってきたがゆえに、ビットコインの存在感は今でも群を抜いており、時価総額で2位以下の通貨を5倍以上引き離しています。保有者の数でも同様です。しかし、それでも仮想通貨の全体の時価に占めるビットコインのシェアというのは確実に低下してきています。ビットコインが、円などのフィアット通貨にとって変わるという可能性を見ている人はそれ程多くありませんが、逆に、ビットコインが後発のより優れたシステムを持つ仮想通貨にとって代わられる可能性もあることを認識しておくべきだろうと思います。

今日のまとめです。ビットコインなどの仮想通貨はスタートしてまだ10年経っていませんが、時価総額では急速な成長を見せています。その一方で、これまでの通貨とは全く違う技術を基盤とするゆえの問題点も数々指摘されていて、まだその評価が定まったとは言えない状況にあります。仮に皆さんが投資をするにしても、この時間に触れる事の出来なかったビットコインの技術的な面も含めて、より慎重な検討が必要だろうだと思います。

分野: ファイナンス 国際金融 |スピーカー: 平松拓

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ