QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 自動車産業のCASE (企業財務 M&A/村藤功)

自動車産業のCASE

村藤功 企業財務 M&A

18/11/08

今日は自動車産業のCASEという話をしたいと思います。"ケース"ですが、ケーススタディのケースではないですよ。Cはコネクティッドで、繋がるという事です。最近では、スマホと繋がるとかインターネットと繋がっちゃうとか、色々な所に繋がるという話になっています。Aはオートノマスで、自動運転車。Sはなんでしょう? シェアで、共有するという事です。最近では、自分で買わなくても使えれば良いといった、シェアードという話が出てきています。Eはエレクトリックで、電気自動車という事ですね。コネクティッド・オートノマス・シェアード・エレクトリックのCASEという言葉が、自動車業界の人達は気になってしょうがないのです。

この間、トヨタとソフトバンクが合弁会社を作りました。そのコントロールはトヨタではなくてソフトバンクが取っています。トヨタが一体どういう危機感を持っているのかというと、今、世の中から製造業が無くなるのではという話になってきているのですよ。製造業が無くなって、皆サービス業だとか情報産業になってしまうのではないのかという危機感です。自動車産業は今までは新車を販売して売上を立てていました。ところが、電気で走る自動運転車を皆でシェアするというような事になってしまうと、別に使えるのなら買わなくてもいいことになるかもしれません。使うというサービスに対してお金を払うというように、産業の形が変わってしまうのではないかとトヨタが思い始めたわけです。

トヨタは、製造業ではなくて、サービス業にひょっとしたらなるのかもしれません。それに対して、ソフトバンクは情報通信やシェアードを握っています。ひょっとすると世の中は、自動車産業じゃなくてGoogleとかバイドゥだとかアマゾンだとかソフトバンクだとかそういう人達が覇権を握るのではないのかと考え、何をしているのかよくわからないから、とりあえずちょっとソフトバンクと合弁会社を作ってみたのかもしれません。配車サービスはソフトバンクがかなりのシェアを握っているので、今年中に配車サービスを始めて2年後の2020年には自動運転車による配車サービス始めるというような話になってきているわけです。そんなスピード感で物事が動いているのです。

ところで、GMが目指す3つのゼロの話は知っていますか? 衝突ゼロ、排ガスゼロ、交通渋滞ゼロ、です。衝突ゼロは自動運転という事ですが、交通渋滞ゼロも自動運転に関係しています。自動車が自分の周りだけをセンサーで見るのではなくて、自動車と自動車、それから周りのビルなんかともコネクトして、他の自動車とか他のビルから見たデータを交換しあうというのが、自動運転車なのです。その実験を今用意している所です。その為、ビックデータを握っている方が結局勝つという話に段々なってきました。

この間トヨタとソフトバンクが合弁会社作る時に、もう1つ大変な発表をしました。トヨタとトヨペットとカローラとネッツの4つの販売系列で五千店舗くらいあるのですが、これを全ての販売店で全ての車種を販売する事にするという事を言ったのです。以前は将来は電気自動車ではなくて水素自動車になるはずだって言っていたのですよ。ところが、水素はもう駄目だという事になり、どうも世の中の流れからすると電気自動車なので、電気自動車に物凄いお金をつっこまないといけなくなったのです。そうすると、あまり沢山の車種を作って色々な人向けに販売する事は出来なくなります。少数の良い車を作らないといけないので、販売系列を4つも持っているわけにはいかんだろうという事になって、全部統一しちゃおうということになりました。

カーシェアリングにより、新車販売ではなくてシェアードして使う事になりそうです。サービス産業でサービスレベニューをゲットするというビジネスモデルに変わってしまうので、カーシェアリングをやらないわけにいきません。そこで、販売だけではなく、カーシェアリングをこれから一生懸命始めるという事なのです。世の中、様々な所が変化していて、前回USCMAでメキシコとかカナダにあった工場、それから場合によっては日本の工場がアメリカに移転するという話をしました。もし、イギリスがEUを離脱する際の合意がちゃんと出来なかったら、工場をイギリスから引き払ってEUに移さないといけないという話もあります。今はもの凄いサプライチェーンネットワークが出来ており、一部が切り離されてしまうと困ります。もしイギリスがEUから無秩序離脱すると、EUから色々な部品を調達しているため、税関で邪魔をされるとイギリスで車をちゃんと作れないという事になってしまうのです。ちゃんとした部品調達が出来ないということになれば、イギリスからEUに工場を移さないといけません。

こういった色々な事が起こる中で、どうやってそれ全部に対応するかが問題です。1つだけに対応するわけにはいかないのですよ。部長さんだったら1つに対応すればいいかもしれないけど、自動車産業の大グループで、何十万人、何百万人がそれで食っているみたいな状況では、全てに対応する必要があり、今同時にやっているわけです。これはとても大変です。今はまだ殆ど電気自動車ではないけれど、将来どんどん電気自動車になっていきます。来年から中国ではNEVという電気自動車とかハイブリッドあたりじゃなきゃ駄目だとか、イギリスやフランスなんかは2040年までにエンジンで動く車は販売禁止にするとかいう事を言い始めているわけですよ。そうすると、電気自動車が自動運転されているみたいな未来の世界において、一体日本はどうやってマーケットシェアをとるのかということを考えないと、日本から自動車産業が無くなってしまう可能性があります。さっきお話ししたCASEの世界で、日本のとても大事な産業としてなんとか生き伸びる為にはどうしたら良いのかという戦いが始まったのです。例えば、中国はリチウム電池に必要なコバルトをおさえています。コンゴが3分の2くらい持っているのだけれど、コンゴの利権をおさえたりとかしています。それではまずいというので、コバルトの不要な全固体電池をオールジャパンで研究したりしている所です。

今日のまとめです。ネットに繋がった電気自動運転車とかライドシェアへの動きが凄い勢いで進み始めています。アメリカのトランプ大統領の発言や、イギリスのEU離脱による欧米のサプラインチェーンマネジメントの調整が必要な中で、製造業としての自動車産業がサービス業や情報産業にどうも変わりつつあるという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ