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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 高級品におけるシェアリング (マーケティング/岩下仁)

高級品におけるシェアリング

岩下仁 マーケティング

18/11/07

コモディティ化市場のマーケティング戦略ということでお話を進めています。差別化が難しい市場におきまして、企業の方は様々な取り組み或いは工夫をしないと消費者に振り向いてもらえないわけです。一方で、消費者の方にもいくつかマインド自体に変化が見られています。その変化を上手く捕らえた新たなビジネスが出現していることが分かると思います。

例えば、シェアリングという概念。こういったものは、実は、過去には消費者になかったわけです。しかし、今シェアリングは、民泊とか自動車等様々な場面に展開されていますよね。こういった概念は10年前にはありませんでした。こういったところがまさにこのマインドの変化に現れてきて、それを上手く企業の方が捉えると自社の売上げに繋げることができます。今日は、自分の所有しないモノやサービスを他人と共有して使用する、このシェアリングに注目して話を進めていきたいと思います。

最近、ファッション等の分野で高級品を次々に利用できるシェアリングサービスが登場しています。代表的なものの1つに高級時計のシェアリングがあります。KARITOKEというサービスですが、好きな高級時計を自由に借り換えられるシェアリングサービスです。月額3980円から利用出来て、ロレックスやオメガが借りられるプレミアムプランが月額9000円。さらにウブロも借りられるエグゼクティブプランが19800円で提供されているようです。3980円のプランで十分なような気もしますよね。ただ担当者の方によりますと、実際にはプレミアム、あるいはエグゼクティブプランを選択するお客さんも多いようです。

せっかく時計のシェアリングがあるのだったら、やはりロレックスやオメガ、それからウブロ。普段自分では買えないからこそ高級時計を多少高額なシェリング金額でも借りられるんだったら、というのは分かる気がします。この様な需要を捉えたのが、エグゼクティブプランやプレミアムプランになると思います。月額料金を支払うと、1ヶ月好きなタイミングで、好きな時計が借りられるのです。ただ、やはり人気のモデルは出払っていることもあるようです。

高額シェアリングサービスですけども、時計に限りません。自転車買い取り販売のちゃりカンパニーという企業では、2017年11月に定価20万円程度の自転車を、月額3480円で貸し出す、スニークルロングタイムシェアというサービスを始めています。安価な自転車であると、1万円以下で消費者は自転車を購入できるわけです。ところが、こだわりのロードバイクですとか電動アシスト自転車を求める消費者の事情に対応したわけです。常にメンテナンスされた状態で最高のパフォーマンスを発揮したい、こういったニーズに対応したということが言えると思います。このスニークルロングタイムシェアですけども、高級自転車を長く乗るのかを見極めるために、買う前にまずこのサービスを使う。こういったニーズを上手く捉えたようです。実際に自分がどんな使い方をして、どのぐらいの頻度で使うのか、借りて試せるということですよね。ちゃりカンパニーですけども、今後、50万円程度の超高額自転車を月額数万円で貸し出すプレミアムプランも計画しているようです。

高額シェアリングサービスですけれども、発祥地はアメリカです。例えば月額27000円で約80万円相当の宝石を借りられるFlontというサービスでは、カルティエですとかブルガリといった高級ブランドのジュエリーを自由に借りられるということもありまして、2016年には約11万人のユーザーがこのサービスを利用したようですよ。

あるいは、美しい自然に囲まれながら仕事とレジャーの両立を重視するカリフォルニアでは、流行っているサービスにサーフエアというものがあるそうです。月額35万円程度で、小型のプライベートジェット機をレンタルしまして、都会から気軽に自然溢れるリゾート地に行ける乗り放題のサービスのようです。スマートフォンで目的地を選んで、サーフボードに乗るような気軽さで、何度も飛行機に乗れるわけです。さらに、各地の空港では専用のラウンジを用意していまして、高級感に浸りながら、利用者の心をくすぐるような仕組みもなされています。2013年にシリコンバレーのIT企業で働く多くの人々にこのサービスを始めたわけですけども、2016年にはユーザー数が3000名程度になりました。2017年には、ロンドンとチューリッヒ間の空路も開設するなどして、ヨーロッパでも利用者が増えているそうです。

このような高級品のシェアリングサービスですけれども、消費者はなぜ受け入れ始めているのでしょうか。やはり物欲というものがベースにあると思いますが、メンテナンスの手間を無くすですとか、選択の楽しさ、こういったこともあります。メンテナンスですけれども、例えば時計ではオーバーホールや部品の切り替えといったものがあり、数年に1度の修理が必要です。自転車はパンクするので、それに対する修理があります。しかし、シェアリングでは一切この費用かかりません。選択の楽しさに関しては1つの高級品をずっと所有するのではなくて、さまざまな高級品の中から何度も選択できる、こういった選べる楽しさといったものがあるわけです。

今日のまとめです。今回は消費者のマインド変化という視点から、特に高級品のシェアリングにフォーカスして話を進めてきました。これまで敷居の高かった高級品ですが、シェアリングの概念を導入することによって、幅広い消費者が高級品を使用できる機会が増えているようです。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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