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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本的雇用は素晴らしい (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

日本的雇用は素晴らしい

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

18/10/30


今回は日本的雇用は素晴らしいという話です。日本的雇用というのは、終身雇用、年功序列賃金、企業別組合のことです。
終身雇用制とは、学校を卒業してから定年を迎えるまで同じ企業で働くということです。終身といっても、もちろん死ぬまで働くという事ではありません。人生90年時代とも言われているので、20歳から65歳までの45年間働くとすると、人生の半分だけですが、働いている間はずっとという所に意味があります。従業員が会社を辞めるのは自由ですが、会社から従業員を解雇するのは、きちんとした理由が必要で、簡単には解雇できません。これは、従業員にとって非常に大きな心の平和となっています。
日本でも外資系企業が営業していて、彼らの多くは終身雇用制ではありません。給料は日本企業より高いけれども、いつ解雇されるかわからないということです。そうなると、なかなか外資系企業で働こうという勇気ある日本人は多くないようです。
従業員にとっては安心感というメリットがある終身雇用ですが、会社にも大きなメリットがあります。一つには、社員が「会社のために頑張ろう」と思ってくれることです。一生勤める会社なので、会社が大きくなってくれたら社員も嬉しいです。そのためには自分も頑張ろうと社員が思ってくれたら会社にとても素晴らしいことです。例えば、運動会で紅組の生徒は自分の出ない競技でも紅組を応援します。それと同じ一体感ができることも素晴らしいです。何と言っても、40年間ずっと紅組で組み替えが無いがないので、会社は家族といった感じになります。

日本的雇用の二つ目、年功序列賃金は日本的です。学校やサークル、先輩には敬語を使っていたから、自然と会社でも先輩を敬います。同期は同じ給料で、先輩は少し高い給料ということで仲間意識も生まれます。仕事の実績によって給料を決めると同僚がライバルになるので、皆で協力して仕事に取り組もうということが難しくなります。もちろん、働いても働かなくても同じ給料になると、仕事をサボる人が出てくるので、頑張った人は将来部長や重役になれるかもというニンジンをぶら下げてあります。社員にとっては、若い時はそれほど金がいないので安い給料で良いと思います。子供の教育費がかかったり、住宅ローンを返したりする中高年になってから給料が上がるというのは嬉しいです。

会社にとっても、年功序列賃金は、実は凄い仕掛けです。若手社員は、会社のために働いても、働きに応じた給料を払ってもらえませんが、ベテランになると働きに応じた給料よりも高い給料を払ってもらえます。つまり、若手が会社に給料を貸しておいて、ベテランになってから返してもらいます。社員が転職すると、会社に貸してある部分が帰ってこなくなるので、社員は転職を躊躇するようになります。つまり、年功序列賃金は一度雇った社員を定年まで会社に繋ぎ止めておく機能を持っています。これがあるので、会社としては社員の教育に金をかけることが出来ます。社員がいつ辞めてしまうかわからないと、金をかけて社員教育をするのが会社としては怖いです。

日本的雇用の3つ目、企業別組合についてです。労働組合が企業別というのは、終身雇用制などを併せて考えると素晴らしいことです。不況期に無理な賃上げを要求して会社が傾いてしまったら、自分が一生勤める会社が発展しなくなって自分が困ってしまいます。そこで、会社と組合がウインーウインの関係を探ることが出来るようになります。日本的雇用というと、「古臭いものだから、変えていかなければいけない」という人も多いですが、私はそうは思いません。終身雇用にも年功序列賃金にも企業別組合にも、それぞれ大きな利点があるので、今後も続いていくと思います。
もっとも、人生100年時代だから70歳まで働こうといった動きが広まると、同じ会社にずっと勤めるよりは、セカンドキャリアを探したいという人が増えてくるかも知れません。企業側も年功序列賃金を70歳まで払い続けるのは無理だと思うので、定年後再雇用などで高齢者の賃金を抑える工夫は広がっていくと思います。少しずつ変質はしていきながらも、本質は変わらないと思います。

今日のまとめです。終身雇用は素晴らしいです。日本人がもっとも重視するのは「首にならない安心感」ですが、終身雇用によってそれが得られます。年功序列も素晴らしいです。同僚がライバルでは無いので、仲間として協力できます。日本的経営は素晴らしいので、今後も続いていくと思います。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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