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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > レゴブロックを活用したビジネス教育 (管理会計、コストマネジメント/丸田起大)

レゴブロックを活用したビジネス教育

丸田起大 管理会計、コストマネジメント

18/10/18

今日は、大学でのビジネス教育でおもちゃのレゴブロックを活用しているというお話をしたいと思います。皆さんのお家でお子さんが遊んでいる、あのレゴブロックですね。大学の授業で学生にブロック遊びをさせているのかとお叱りを受けそうですが、実はなかなか教育上の効果を発揮しているというお話です。と言いますのも、今、大学でのビジネス教育の場面では、学生の意欲を引き出して教育効果を高めるために様々な工夫がなされています。そもそも学部の授業を受けているのは、高校からそのまま進学してきた学生達ですので、多少のアルバイト経験はあるにせよ、ビジネス実務の経験は無いのが前提です。従って、学んでいる事の実感を得る事が難しくて、なかなか意欲が高まらないという事が起こりがちなのです。

例えば、私は学部の授業で原価計算を教える事があるのですが、学生達のアルバイト経験を聞いてみても、家庭講師や塾講師などのサービス業が多くて、製造業の物作りの現場を見た事が無いという学生はかなり多いです。そのような学生を相手にして、例えば労務費の話をすると、それは自分のアルバイト代の事だと理解はされやすいのですが、材料費や経費の話をしてもあまりピンと来ないという事が実情です。

そこで、例えば私のゼミでは、教育の一環として毎年学園祭にお店を出して、プチ起業体験みたいな事をさせています。自分達で出資金を出して、商品を企画し、材料を調達し、設備をレンタルし、繰り返し試作等をさせて、原価を計算し、値段を決めるといった一連の経験をする事ができる貴重な機会となっています。必要な資金を集めるためには予算を編成しなければなりませんし、設備のレンタル代等の固定費が発生しますので、何個以上売れなければ利益が出ないのかという損益分岐点の計算もします。学生達は自分達で出資するという事もありまして、事業を成功させようと日頃の学習段階からとても真剣になります。私のゼミでは毎年出店を続けていまして、先輩からのノウハウ等も蓄積されてきますので、ここ数年は利益が出る結果となっています。

しかし、教育の一環ですので単に利益を追求するというだけではなくて、例えば材料の調達に当たっては、大学周辺のスーパーから一定割合以上を仕入れようという地場調達のルールを定めたり、幸いにして利益を得る事ができた場合には、災害被災地への寄付に充てようというような社会的貢献活動にも繋げるようにしています。そして、学生達はこのような体験を就職活動の時に話す事ができるという事で、自己ピーアールのネタにもなるというメリットも有ります。このような学生の主体性を引き出そうという取り組みを、一般にはアクティブラーニングと呼んでいます。このアクティブラーニングの手段の1つとして注目されているのが、おもちゃのレゴブロックを活用するという事です。

例えばブロックを使えば、ブロックを組み立てて1台の車を完成させるといった製造工程の流れみたいなものを教室の中で擬似的に再現できるということができます。ブロックには大きさとか形状、様々な種類がありますので、それぞれに材料費とか労務費の単価を設定しておきます。

しかし、コストはブロックの大きさが大きければ高いとか、小さければ低いとかそういう単純なものではありません。小さいブロックは確かに材料費が安くなるけれども、小さいほど組付けるのは大変手間がかかります。そうすると、その分労務費が高くなるといったトレードオフも実際組み立て作業をやらせながら体験させる事ができます。また、例えば特殊な形状のブロックが色々有りますが、そういったものは極力減らして、同じ形状のブロックを多用した方が規模の経済性が働いて、コストを下げる事ができるという部品の共有化の効果も経験できたりします。でも幸いブロックは大変安価ですので、多種多様なブロッックを学生の人数分用意してもそれほど高額にはならず、毎年繰り返し使えるので、教材コストという面でも非常に経済的だと言えます。

子供の頃から慣れ親しんでいるブロックですので、学生達は作業自体に楽しさを感じる事ができる。それによって学生の満足度が高まり、教育効果も得られるという期待をされていまして、このような取り組みは日本だけではなく、世界中で行われているという事になります。そして、頭だけで考えるよりは手も動かしながら、且つ楽しいという非常に良い効果が有ると期待されています。

今日のまとめです。皆さんのお宅で後片付けが大変で困らせているだろう、あのレゴブロックですが、実は大学でのビジネス教育で大変活躍しているというお話でした。

分野: コストマネジメント 管理会計 |スピーカー: 丸田起大

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