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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 年金制度は破綻しない (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

年金制度は破綻しない

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

18/10/17

今回は、年金制度は破綻しないという話です。
日本の公的年金は、私たちの老後を支えてくれる非常に心強い存在です。どんなに長生きしても最後まで払ってもらえますし、インフレが来れば原則としてその分だけ支給額を増やしてもらえるからです。ただ、問題があって、現役世代が支払った年金保険料で高齢者の年金を支払う制度なので、少子高齢化によって現役世代が減っていき、高齢者世代が増えていくと、高齢者に十分な年金が支払えなくなります。

そこで、今の若い人たちの中には、「どうせ将来は年金が貰えないのだから、年金保険料なんて払いたく無い」と考える人が少なくないと言われています。サラリーマンは年金保険料が給料から天引きされるので、払いたく無いと言っても無理ですが、自営業の人は払わない人もいるようです。自営業者は、若い時に年金保険料を払っておかないと老後の年金が受け取れません。年金の半分は税金なので、せっかく税金を使って払っているのに年金がもらえないというのでは勿体ないです。今日の話を聞いて、将来も年金は受け取れるのだという事をご理解いただき、年金保険料を払いましょう。

若い人も将来の年金はもらえるかというと、今の高齢者が受け取っている年金よりは少なくなるでしょうが、貰えない事はありません。現役世代が払った年金保険料を高齢者が受け取るので、現役世代と高齢者の人数の比率が変化していくと、その分だけ高齢者の受け取る年金が減りますが、ゼロにはなりません。
現在の制度は、マクロ経済スライドという変な名前で、予想される少子高齢化のペースを元に計算して、毎年少しずつ高齢者の受け取る年金が減っていくようになっています。したがって、今後の少子化のペースが急に速まったりしない限りは、決められたペースでゆっくりと減っていく事になると思います。
厚生労働省の試算では、今の若者は今の高齢者より2割くらい少ない年金で我慢するという事になっています。インフレ率で調整した後なので、今の高齢者より2割くらい貧しい老後を送ることになります。専門家たちの間では、厚生労働省の試算は少し甘いかも知れませんが、年金が貰えなくなるという事は有りえないという人が多いです。少し苦しいですが、貰えないわけではないという事はお分かりいただけたと思います。
今の高齢者より2割以上少ないとなると結構苦しいですが、その最大の原因は高齢者が皆んな長生きをするようになったという事なので仕方ないと思いましょう。
 
一方で、悪い話ばかりではありません。高齢者が長生きするようになった一方で、元気な高齢者も増えました。サザエさんに登場する波平さんという人は、54歳です。高度成長期に55歳が定年だったのは、バリバリ働く事が難しい年齢だからお引き取り願ったという事でした。それと比べると、今の高齢者は元気です。70歳くらいまでは十分働ける人も多いでしょう。そして、少子高齢化による労働力不足が深刻なので、70歳の高齢者でも仕事を探せば比較的簡単に見つかると思います。つまり、これからは70歳まで働く時代になります。
65歳から年金を受け取って、それを引退後のために貯金しておいても良いですが、私がオススメするのは、年金の受取開始を70歳まで待つことです。普通は65歳から受け取りますが、それを70歳まで待つと、老後に受け取れる毎回の受取額が42%も増えます。そうすると、今の若者は今の高齢者より2割年金が少ないとしても、70歳まで受け取り開始を待てば、今の高齢者より年金が多くもらえます。40年間平均的なサラリーマンとして働いた人と、その専業主婦は、2人あわせて22万円くらいの年金が受け取れます。それが2割減ったとしても、年金の受け取り開始を70歳まで待てば、42%割り増しになるので、毎月25万円ほど年金が受け取れる計算になります。それなら老後の生活は何とかなりそうです。

それでも不安だという方にも安心してもらえる話をしましょう。総理大臣になったつもりで考えてみましょう。年金を支払う金が足りなかったらどうしますか?高齢者に支払う年金を削りますか?私なら削りません。理由は二つあります。
一つ目です。高齢者は人数が多く、選挙に行くので、年金を削った総理大臣は、次の選挙で落選してしまうかも知れません。もう一つです。年金を削ったら、大勢の高齢者が生活保護を求めて来るでしょう。そのような事になったら、ただでさえ金が足りないのに、もっと足りなくなってしまいます。そのような事態を避けるためには、他の予算を削っても増税しても、とにかく年金だけは支払うと思います。
皆さんが総理大臣でも、同じことを考えると思いますよ。どうでしょうか。安心していただけたでしょうか。

今日のまとめです。公的年金は、長生きしてもインフレになっても老後の生活を支えてくれる心強い味方です。将来は年金がもらえないと思っている若者が多いようですが、専門家たちは大丈夫だと言っています。私も、大丈夫だと思います。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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