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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > リーダーに必要な 心の拠り所・軸 経営者 ・コンサルタントとして学んだ5つのこと② (企業家リーダーシップ/廣瀬 聡)

リーダーに必要な 心の拠り所・軸 経営者 ・コンサルタントとして学んだ5つのこと②

廣瀬 聡 企業家リーダーシップ

18/10/08

前回は、「経営は矛盾との対峙である」という話をしました。今日は、「優れたリーダーは、心の拠り所、判断の軸、価値観がある」というお話です。

まずは、一つ私の実体験についてお話しします

私がある会社の役員になった時、社長補佐をさせていただくことになりました。社長がいない時に社長の代わりに判断する役割だったため、この社長がどういう判断するのだろうかと日々その様子を見ていました。その時に、会社の社長は9分間に平均して1個ずつ何らかの判断をしていることに気付きました。
もちろん会社によって違いますが、私がいた会社の多くでは、他の役員や副社長が決められなかった案件が、ひっきりなしに「どうしましょう社長」と社長室に入ってくるわけです。それに対応する社長を見ながら、どうしてこの人は、こんなに難しいことをパッパッと判断できるのだろうと考えていた時期がありました。そうしているうちに、この社長にはとても大切な心の拠り所、判断の軸がある、ということをようやく発見することができたのです。

しかし、そこでもう一つ疑問が生じました。

そもそもその判断の拠り所の軸を社長達はどうやって見つけていくのだろうか。

そこで、私は実際にこの社長に、そしてその後お仕えすることになった社長達に同じことを聞くようになりました。「社長、どうしてこのような判断の軸を持てるようになったのですか?」「あなたの軸はどこで生まれたのですか?」

そこにはある共通点・類似点があったように思います。
それは苦しいとき、辛い時に、自分の心の中から聞こえてくる「言葉」が、どうもあるようなのです。

ところで皆さんは何か生活で苦しいことがあった時に、心の中から聞こえてくる声はありますか?その時、どういう声が聞こえてきますか?人によっては神様の声かもしれないし、お父さん、お母さんの声、お祖父さん、お祖母さんの声。人によっては自分のお子さんの声だったりします。それぞれが色んな「心の声」を持っているわけです。

社長の皆さんにもそのような「内なる声」がある。その声を聞きながら、社長の皆さんは難しい判断を下されている。例えば、「顧客第一の経営」とか、「社員の皆さんを大切にする経営」とか、「分権化を進める経営」とか、「スピードを最重視する経営」等。
そういった言葉を皆さんは最後の判断の拠り所にしているようでした。

ではこの心の声をどうやって見つけていくのかというと、恐らく対立軸の中で考え、選択をしているのだろうと思います。例えば、「長期vs短期」「集権vs分権」「自由vs規律」「根本治療vs対処療法」「一元的な判断vs多面的な判断」など、頭の中に対立概念があり、自分が一番心に刺さる概念を、それぞれの経営者の方々が、社員から管理職、役員、社長になる過程の中で、それぞれが磨き上げていき、その中で自分の判断の軸、拠り所となる言葉を組み立てていらっしゃる方が役員になって、最後は社長になっているのではないか、という仮説を持つようになりました。

実は、私自身も新しい会社で役員になる時には必ず、この職場での自分の判断の軸はこれだ!というものを考えてから経営に携わるようにしています。ある会社の時には3つの軸がありました。1つは「標準化」です。物事全てを標準的にしていきましょう。特別対応や仕事の属人化はやめましょう、ということです。2つ目は、「集中化」です。細かい仕事は全部一ヶ所に集中化していきましょう。3つ目の言葉は、「細分化」です。セグメント化と言い、全てのお客さん1つで見るのではなく、それぞれ一人一人のお客さまのニーズをしっかり見ていきましょうということでした。
この3つの言葉をまず決めて、それを常に自分のスタッフの皆さんにお伝えするようにしていました。やってみて分かったことは、上司が「これを自分の判断の拠り所にしている」ということをスタッフの皆さんにしっかりお伝えすれば、結果として皆さんがそれをしっかりとご自身の拠り所にしてくれ、現場で一つ一つの判断をしてくれるようになる、ということです。
結果的にそうやって1つの価値観を持った組織になり、強い組織になります。みんながだんだんと社長の言うことを聞くのではなく、共通の判断軸を基に徐々に自分なりの判断ができるようになっていきます。

また私も、部下の皆さんに対しては、常に「あなたの判断の拠り所は何ですか?」「何でこういう判断をしたの?」「その判断の拠り所は何?」「それはもう一つ上のポジションになっても使える?」というようなことを聞きながら、役員として、次に役員を育てるために判断の拠り所を一緒に作っていくようなことをするようになりました。

更に、可能であれば自分の判断の軸を人に伝えていくようにしています。そうすることによって、「それはこの会社には合わないと思うよ」と指摘してもらえるかもしれませんし、そうした指摘を受けて、さらに軸を進化させることができます。そうした繰り返しが結果的には自分の判断の軸が会社の判断の軸になり、会社の価値観と自分の価値観、仲間の価値観が一体され、より強いチームになっていくように思います。

では、今日のまとめです。優れた経営者や優れたリーダーは、恐らくみなさん揺るがない判断の軸、価値観をお持ちだと思います。みなさんも是非、そういったものを持てるように、日々自分に対して問いかけていただきたいと思います。

分野: 企業家リーダーシップ |スピーカー: 廣瀬 聡

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