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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > デフレはなぜ悪いのか? (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

デフレはなぜ悪いのか?

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

18/10/04

今日はデフレがなぜ悪いのかという話です。政府も日銀もデフレからの脱却を目指しているわけです。ということは、デフレというのは悪いことに違いありませんよね。デフレをご存じですか?日本ではデフレという言葉を物価が下がるという意味と景気が悪いという意味と、両方の意味に使う人がいるのですが、正確には物価が下がることです。

物価が下がるというのは消費者にとっては嬉しいのですが、日本経済にとっては嬉しくないというお話です。消費者の立場からして物の値段が下がってくると思ったら物を買いませんよね。値下がりするのを待ちます。皆がそう思って買わないと物が売れなくなるので、企業は物を作らなくなりますよ。そうすると労働者を雇わなくなります。そうなると失業者が増えます。消費者としては物の値段が下がって嬉しいのですが、奥さんが物の値段が下がって嬉しいなといっていたら旦那さんが失業したということが起きる可能性があるということです。失業はちょっと極端ですが、物が売れないで失業が増えてくると景気が悪くなりますから、サラリーマンは給料が上がらなかったりボーナスが下がったりします。非正規労働は世の中に失業者が大勢いると時給がどんどん下がっていくわけです。「文句があるなら辞めて良いよ、安い時給で雇える失業者がいっぱいいるからね」と言われてしまうと、「わかりました時給を下げていただいて結構です」と言わざるをえないです。

さらに問題な事があり、デフレになると景気が悪くなる。つまりますますデフレが進むという悪循環に陥る可能性があります。悪循環の事をデフレスパイラルと呼んでいます。物が売れないということは需要が少ないわけですから、売り手は値段を下げても売ろうとして頑張る。ところがライバルも同じ事を考えるので、値下げ競争になる。お互いに値下げ競争をして値段を下げると、業界全体としての売り上げがうんと増えてくれればいいですが、そうでもないと、お互いに値段を下げただけで、売り上げの量が増えなくてどっちも赤字になってしまいます。最悪の場合はどちらかが倒産するまでお互いに譲らず値下げ競争が続くということもありうるわけです。もう一つは、賃金が下がるので、企業は賃金コストが下がった事で値下げして売っても大丈夫だとする事です。これは企業にとってみればコストが下がった分売値を下げるのだから別に倒産したりはしないのですが、売値が下がっていくと買い手の側が待っていれば下がるだろうからということで、物が売れなくなっていくのですよね。そうやって物が売れなくなっていくと、やっぱり倒産が増えるということになるかもしれません。ということで、デフレは困ったことだよね、だから政府と日銀がインフレ率を2%にしようと頑張っているということです。

デフレは大変なことなのでインフレ率を2%にしようというのですが、インフレ率0%ではだめなのでしょうか? 政府と日銀は色々な理由を付けて2%を目指すと言っています。一つは統計の問題で、インフレ率の統計を正確に作るのは難しいので、実際のインフレ率よりも高い数字が出てしまうらしいのです。つまり発表されるインフレ率が0%ということは実際には物価が下がっているということになります。そのため、少しプラスじゃないといけない。もう1つあるのは、物価が0%ではいけない理由として、景気が悪くなった時に物価が上がっている国で金利を0%にすると人々が買い急ぎをします。値上がりする前に買っておこうとする動きが出てきます。そのため、物価が0%よりは物価が若干上がっている国の方が景気対策は楽だという面もあるらしいのです。

あと1つ、これは本当にわかりにくいと思うのですが、アメリカとヨーロッパが2%を目指している時に日本だけ1%を目指すと、円高になってしまうのです。世の中にはドルの売り買いをしているプロがいっぱいいますよね。そのプロたちの中には日銀が金融緩和に熱心じゃないと円高になる、と信じている人がけっこういるわけです。日銀が金融緩和に熱心じゃないと円高になるというのは、理屈で説明するのは難しいのですが、理屈はともかく皆がそう思っているとそうなるというのが、株や為替レートの世界ですよね。皆が円高になると思うと、それが合っているかは関係なく皆が円を買うので、実際に円が高くなってしまうというわけです。それが分かった上で欧米諸国がインフレ率を2%になるまで金融緩和を続けますといっている時に日本だけがインフレ率が1%になったので金融緩和を止めますと言ったら何がおきるでしょうか? 日銀だけ金融緩和に熱心じゃないよね、じゃあ円高になるよねと思った人々が円を買うので、実際に円高になってしまうということが起きるわけです。ドルや株の値動きは本当に難しくて、何が正しいかではなく、人々がどう考えているかということが大事なので、とってもわかりにくいのですが、とにかく欧米と同じ目標にしておかないと円高になってしまうから、欧米と同じ2%にそろえるという事だという事です。

今日のまとめです。デフレというのは物価が下がることです。人々が物価は下がると予想すると、値下がりするまで買わずに待とうと考える人が増え、景気が悪化して失業が増えます。景気の悪化がさらに物価を押し下げて、悪循環になる場合があります。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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