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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > コモディティ化の流通業③ (マーケティング/岩下仁)

コモディティ化の流通業③

岩下仁 マーケティング

18/08/07

今日は、コモディティ化市場の流通業というテーマで話を進めています。このコモディティ化というのは、他と比較対象が無い一般的な商品ということでした。全く同じように見えてしまっているために決定要素が価格になってしまう、こういった状態がコモディティ化に陥っている市場ということです。洗剤とかシャンプー、ビールとかが当てはまります。

実は、メーカーと同様に流通業者にもコモディティ化の波が押し寄せています。流通業者も他社との差別化を図らないと淘汰されてしまう時代にあります。今回は、流通業がコモディティ化に陥らないためにはどうしたらよいかという視点で話を進めていきます。特に流通業における異業種融合の話をしたいと思います。

これまでにマーケティングにおいて異業種融合というと、製造業同士、つまりメーカー同士が手を取り合って新製品を開発するケースが多く見られてきました。例えば身近なところですと、お菓子屋さんである亀田製菓と乳製品メーカーである明治乳業がコラボレーションをして、ハッピーターンアイスを売り出して、SNSなどで話題となってヒット商品となりました。

こういうコラボ商品、本当に増えましたよね。他にも、ルマンドアイスはブルボンとアイスクリームメーカーがコラボしてヒットした商品等があります。最近では、この異業種融合の流れが流通業にも見られ始めているのです。そこで今回は、広島駅前にあるエディオン蔦谷家電を例に見ていきたいと思います。

このエディオン蔦谷家電ですが、家電量販店大手のエディオンが、レンタルDVDに始まり本や雑貨店、カフェなどを複合的に経営する蔦谷を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブと共に手がける、世界で一番イケていることをコンセプトにした店舗です。広い店内には、家電機器と書籍を組み合わせてライフスタイルを提案する売り場が実現されているのですよ。例えば美容製品の売り場1つをとっても、ヘアドライヤーの横には最新のヘアスタイルを紹介する本、そして脱毛器の隣には美肌検定といった肌に関する本が置かれており、思わず手に取りたくなってしまうかと思います。

さらに、電気シェーバーの棚の下には身だしなみに気を遣う男性が読みたくなりそうな靴完全読本や男の服装術といったタイトルの本が並んでいるのです。僕だったら手に取って見てみたくなってしまいますね。さらに、それぞれの売り場にいるエディオンの社員さんたちは専門知識を備えたコンシェルジュですので、お客さんの相談とかヘアアイロンを使って実際のスタイリングのアドバイスもしてくれます。

最近では、パナソニックを中心に美顔器などが販売されてヒットしていますが、中には使い方が分からずに困っている方も多いはずです。こういったお客さんに目をつけたマーケティング戦略というわけです。さらに、カメラ売り場のコンシェルジュにはなんと元プロカメラマンも居るのです。商品を説明するだけではなくて、新商品が売り出された時にはそれをアピールするために、写真撮影イベントでは自ら顧客の撮影に当たるそうです。ネット通販にはない、こうした人の力もエディオン蔦谷家電のパワーの源泉になっていると言えると思います。

ところで3階建ての建物に入る、このエディオン蔦谷家電の売り場面積は7600m2です。これは他の蔦谷と余り変わりません。そこに13万冊以上の書籍や雑貨に加え、家電を取り扱うわけですので、家電の取扱数はどうしても減少してしまいますよね。つまり、品揃えが少なくて売り場面積も狭く、でも価格設定がエディオンの他の店舗とほぼ同じなのですが、なんと他の店舗と同程度の売り上げを稼いでいます。

この理由が今回のテーマであった異業種の融合にあります。家電だけなら一人当たりの来店回数は年間6、7回程度と言われています。ところが書籍を適切に配置することで、来店頻度が2倍程度にまで向上したのです。最新の情報を発信する書籍と家電を組み合わせた売り場は、来店頻度を高めると共に実際の家電購入にも繋がっているわけです。流通業同士ではありませんが、蔦谷の親会社であるカルチュア・コンビニエンス・クラブは、これまでもスターバックスとコラボレーションをして、東京の代官山に店舗を出すことをはじめとして、福岡にも六本松でお店を出しています。また、ビッグカメラもUNIQLOと、ビックロというコラボの店舗を新宿に出店して話題を呼びました。エディオン蔦谷家電を見てみますと、今後も異なる業種同士の異業種融合が新たな価値を生み出すと言えそうです。

今日のまとめです。本日は流通業者のコモディティ化対応ということで、これまでにない異業種融合が有効である話をしました。エディオン蔦谷家電の例を見て分かるとおり、書籍や家電といった、これまでにない流通業者同士のコラボレーションが新たな価値を生み出す可能性があると思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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