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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 朝鮮半島の非核化 (企業財務 M&A/村藤功)

朝鮮半島の非核化

村藤功 企業財務 M&A

18/08/02

今日は、朝鮮半島の非核化はどうなっているのかという話です。6月12日にトランプ大統領と金正恩が会談したのですが、その後非核化は進んでいると思いますか?

去年、北朝鮮が弾道ミサイル発射や核実験をし、金正恩がこれでアメリカに核ミサイルが届くぞ、みたいな事を言っていました。アメリカは、まさかとは思うけれども核ミサイルが飛んできていたら嫌だな、と思っていました。そういう意味では、トランプ大統領にとってアメリカに核ミサイルが飛んでこないようにするというのが、プライオリティナンバーワンです。以前は何か軍事オプションも考えている気配だったのが、ここの所それを考えているようには見えないという違いはありますよね。会談から帰ってきたらトランプ大統領の支持率が上がっているのです。アメリカにとっては、シンガポールでの会談の前と後とでは状況が違うという事です。

あの時、一体何を合意したのかという事をちょっと思い返してみたいと思います。北朝鮮にとっては、韓国と北朝鮮の二つの体制の維持を保証して欲しい、また、アメリカと韓国の軍事演習を毎年やられる度に危険を感じるのであれをやめて欲しい。そして、もしやめてくれたら非核化を考える、でした。その様な事を合意した気配はあります。

ただ、以前に言っていたCVIDですが、Complete:完全な、Verification:確認するで、ちゃんと非核化を確認するという意味ですよね。そして、Irreversibleというのは元に戻せない、つまり、元に戻せない様に非核化するのです。Dには色々な解釈がありDismantlementという意味もあるのですけど、今回はDenuclearizationにしておきましょうか。

7月にポンペオ国務長官と金英哲副委員長が会談しました。アメリカ以外の国はブツブツ文句を言ったので、ポンペオ国務長官としてもCVIDでちゃんと非核化を約束したと言ったわけです。しかし金英哲副委員長は、アメリカは強盗みたいなもので、何も動かさずに全部やらせようとするみたいな事を言っていたのでした。どうも、金英哲は朝鮮戦争の終結や制裁解除の話をしていたということで、北朝鮮はそちらの方がもちろん気になっているわけです。

それで日本が注意しないといけないのは、国によってプライオリティが違うという事です。例えば、韓国にとっては朝鮮戦争の終結はとっても大事な事なのです。4月に板門店宣言をしたのを覚えています? 金正恩と文在寅大統領が板門店で会って、今年一杯で戦争終結をしましょうとしました。韓国の半島には東側の東海と西側の黄海沿いに、韓国側にも北朝鮮側にも鉄道の線路があります。この線路を連結すると、朝鮮半島の鉄道が出来上がるわけです。同じ民族ですから、北朝鮮と韓国が元に戻って、二つが一つになり色々な事が出来るというのがプライオリティナンバーワンです。そういう意味では、アメリカにとってのプライオリティーはアメリカに核ミサイルが飛んでこないようにすることで、韓国にとってのプライオリティーは戦争を終結して朝鮮半島を一つにする事です。

では、日本にとっては何でしょうか? 非核化と拉致問題がありますよね。拉致問題はトランプ大統領との会談の後に、もうすぐじゃないかという噂が一瞬飛び交いました。その後、アッと言う間にもうあの話は終わった話だから何もしないみたいになり、拉致問題は全く進んでいる気配がありません。非核化の話をポンペオ長官は色々するのだけど、最近もう話自体が殆ど出てこなくなってきている。そもそも会談をする前に、北朝鮮が中国に行っていたじゃないですか。5月にもう一回行って、6月にもさらに一回行きました。凄い短期間の間に、もう三回も中国に行っている。

結局の所、この間からお話ししている様に、アメリカと中国が二つのスーパーパワーです。従って、北朝鮮が中国というスーパーパワーに見放されてアメリカと交渉するのと、中国にくっついて交渉するのとでは話が全然違うわけです。中国がくっついた北朝鮮に対してはCVIDを一気にやれみたいな話ではなく、時間はいくらかかってもいいから段階的な非核化でいいのではないかと、最初からそんな話なわけです。なぜかというと、中国とかロシアあたりの大国が段階的非核化で平和的に解決するようにとか、軍事オプションは使わない方がいいでしょうと言っているのです。

その結果、非核化に関しては膠着状態ですよね。北朝鮮では施設を解体している様にみせるみたいな事が起こっています。専門家に言わせるとどうもあれはパフォーマンスで、2~3日で元に戻せるということです。どうも核物質も作り続けているらしいのです。その様な中で、中国とかロシアの経済制裁が緩んでいる気配があるわけです。去年、ミサイルを撃ったり核実験したりしたもので、国連で様々な経済制裁をしようという話になりました。その結果、過去五年位の北朝鮮の実質経済成長率が3%~7%位だったのが、去年はマイナス3.5%位に落ちたのです。皆が協力していたから効果があったわけですね。特に中国やロシアがちゃんとやるというのと、中国やロシアが緩めるというのは随分違うのです。

瀬取りって知っていますか? 海の上で石油製品を中国とかロシアが船で持っていって、北朝鮮の船に海の上で移し替えているというような事がどうも起こっている気配です。アメリカとか日本や韓国あたりは、米韓軍事演習は止めたけど非核化まで制裁は辞めないという事を言っているのだけど、その制裁というのはどうなっているのかというと、そんなに苦しくない制裁に中国とロシアの所為でなっている気配があります。しかし、トランプ大統領にとっては、秋の中間選挙に向けてアメリカに核ミサイルが飛んでこないという事で、どうも国内支持率が上がってきているという状況です。そのため、とりあえず今は何もしなくてもいいという事になっているわけですね。

今日のまとめです。6月にシンガポールでトランプ大統領と金正恩が会談し、中国の支援を得て、体制保証と制裁解除を約束するのだったら段階的に非核化しようというような共同声明が出ました。しかし、北朝鮮は先に非核化してしまうのは嫌だし、日米韓は非核化まで制裁解除しないという事で、何も起こらないという膠着状態になっているというのが現状です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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