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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 幸福・成功のための哲学② (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

幸福・成功のための哲学②

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

18/07/18

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。
 前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。
 他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 吾唯足知と感謝神経
 幸福の源泉としての満足に関連して、我が国には昔から「満足の哲学」がある。すなわち、石庭で有名な京都の龍安寺にあるつくばいに、「吾唯足知」(吾唯足るを知る)という有名な言葉がある。これは、西洋的な物質文明を基礎とする自らの生存水準を超えた生活の論理に基づく欲望を抑え、現在自分に与えられた状況に、東洋的な精神文明における心豊かさである「あるある精神」を基礎として満足・感謝することによって、幸せを感じる、ということである。すなわち、幸せのためには、現在自分の持っているものに満足し、それを楽しむ方が、自分の飽くなき欲望に従ってより多くのものを手に入れようとして苦しむよりも、より重要である、ということである。言い換えれば、満足・感謝が幸せの大切な入り口の一つだからである。

2 幸福への片道切符と笑門来福
 このように、誰でもが求めている幸せであるが、これを得る究極の方法はあるのか。
 答えは、Yesである。前述のように、幸せは極めて主観的なものなので、自分が幸せと感じたときが、幸せなのである。しかも、人間は謙虚に満足し、感謝し、楽しみ、喜びそして笑っているときに、必ず幸せを感じている。したがって、幸せをできるだけ多く日常的に感じるノウハウは、この満足、感謝、楽しみ、喜びと笑いという心地よい状態を、他人が与えてくれるのを待っているのではなく、できるだけ多く自分自身で作り出す努力をすることである。すなわち、簡単にいえば、「満足・感謝・楽しみ・喜び・笑いの習慣を身につけること」(「満足・感謝・楽しみ・喜び・笑いの習慣化」)であり、そのためには、どんな小さなこととでも、その良い側面・明るい側面・積極的な側面に着目し、満足や感謝などの対象となることに気づき、それに感謝するように努力することである。そして、いつでも、このような心地よい状態を維持できるように、自己を上手くコントロールし、自分の機嫌を取って行くことが、真の幸せ上手となるコツである。このように、感謝と幸せとは同じコインの裏表であり、感謝を感じられるほど、幸せになれるという関係にある。

3 幸福度
 この幸せを数値で測ろうとするとき、一般に「幸福度」という算式が考えられている。
 すなわち、一般的に幸福度は、まず自己の主観的な期待としての理想の状態を想定し、その理想や目標に対する客観的な条件としての現実の状態として表すことができる。そこでは、現実が理想と近ければ、幸福度は高い、ということを意味している。

4 天命・運命・使命
 この場合に、何を理想とするかについて、注意すべき点がある。それは、天命と運命の区別である。ここで、「天命」(天から与えられた命)とは、「宿命」(宿る命)とも呼ばれ、この大宇宙の作用の結果として生まれたときから先天的に天によって自己に与えられた命のことで、自己の努力ではどうにもならないもののことである。これには、例えば、サウジアラビア(地理的)に現在(時間的)王家(身分的)の王子(性的)として生まれることなどのようなものがある。これは、自己の努力ではどうにもならにものなので、天命として素直に受け入れると同時に、理想・目標から外すことである。
 他方、「運命」(運ぶ命)とは、自己の命を上手く運ぶということであり、その運び方によって、コントロールすることが可能である。これには、例えば、社長になることなどがある。これは、努力によって達成可能なものなので、夢や目標として設定し、その達成のために、日々最大限の努力をし続けることが望ましい。すなわち、運命とは、自ら切り拓くものである。この場合、人生において天から与えられた任務や仕事が「使命」(ミッション)である。

5 本心と野心
 この運命に関連して、幸せになるために、生命力の現れである夢や希望に関する本心と野心を区別する必要がある。「本心からの夢や希望」は、自己の利益のみならず、社会に貢献するという広い視点があり、世のため人のため、すなわち社会の一層の繁栄のために貢献しようというものである。他方、「野心からの夢や希望」(野望)は、自己だけの利益の最大化という狭い視点があり、自己の利害のために、何かをしようというものである。

6 むすび
 幸福のための哲学においては、幸福に生きるために、知足と感謝神経が大切である。また、天命と運命の違いを正確に見極めて、適切に取り扱っていくことが幸せになるための前提となる。

〔参考〕松下幸之助『松下幸之助の哲学』PHP文庫
    稲盛和夫『京セラフィロソヒィ』サンマーク出版

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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