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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中国対米貿易戦争 (企業財務 M&A/村藤功)

中国対米貿易戦争

村藤功 企業財務 M&A

18/07/06

前回からの続きの話ですけど、今日は中国とアメリカが貿易戦争を始めたという話です。アメリカファーストという事で、トランプ大統領が高い関税をかけるという事が始まりでした。しかし習近平にとっては、国内は固めたのですがアメリカとはすぐには戦いたくはないという事で、貿易赤字が大きいと言うのだったらアメリカから少し輸入してあげようかと言い始めました。ところが、トランプ大統領がそれにのってこなかったわけです。

去年、トランプ大統領が北京を訪問した頃には2,500憶ドル位輸入を増やしましょうと言って、トランプ大統領を喜ばせていたわけです。ところが、鉄・アルミに関税をかけるぞとか、それから知的財産でズルしているから関税をかけるぞと言い始めたので、中国は次の日に報復関税を出したのです。大体こうくるならこうやるぞと予め考えていてすぐ報復する、両国は戦争しているのですよ。

中国から見れば、まだやっぱりアメリカに追いついてはいない。いざ戦って勝てるとは思っていないので、周りを味方につけようという作戦に出ています。日本とちょっと仲良くしようとか、インドと仲良くしようとか、アフリカと仲良くしようとか、なんか北朝鮮が寄ってきたぞとか、色々な形でお友達を募ってきているという状況です。日本に対してここのところずっと冷たくあしらっていたのが、5月に李克強が来日しました。安倍首相がちょっと日本にも来ないかと習主席に言いに行こうかみたいな、ちょっとした雪解けムードになっています。

北朝鮮はご存じと思いますけど、金正恩はトランプと会う前の3月と5月の2回、習近平に会いに行っています。いつの間にか冷たくなっていた関係が元に戻っていたみたいで、お金や人のやり取りが始まっている気配です。北朝鮮の貿易はほとんど中国相手なので、中国がダメと言うと本当に死ぬのだけど、何か色々なものが緩んできているように見えるという状況です。アフリカに対しても、2000年ぐらいから中国・アフリカ協力フォーラムを作りました。先進国が良いところを全部取って行ってしまったので、アフリカ辺りにしか資源がある国がなかったという事情もあります。アメリカと戦おうとすると、周りに味方が多ければ多い方がいいというような事情です。

ところで、TPPがダメだったらRCEP(アールセップ)だという話があります。RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership)には、日本・中国・韓国・インド・ASEAN・オーストラリア・ニュージーランドを含むパシフィックなどの16ヶ国が含まれています。TPPからアメリカが抜けたので、TPPがダメならRCEPだという話になったわけです。日本の当初の想定は、アメリカとTPPを作って中国にプレッシャーをかけようという事だったわけですけど、アメリカが突然いなくなってしまい、しょうがないからRCEPだと言って、今年中に合意をしようとASEANは思っています。日本は、出来ればそれなりのクオリティーで、自由貿易の質が高いものにして、アメリカにまたTPPに戻ってもらいたいという気持ちがあるので、あまりいい加減な内容のRCEPを作りたくありません。ちょっとその辺が、今ASEANの人達は、日本さえいなければ今年中に合意できるのにみたいな事を言っているところです。

昨日始めた米中貿易戦争の話ですけど、中国にとっては中進国でいるのがイヤなわけです。1人当たりのGDPが1万ドルを超えたら先進国なのですが、今中国は8千ドル~9千ドルまできたところです。ラテンアメリカも中進国でとまってしまって、なかなか中進国から先進国にいけない。しかも、中国の国内の人件費も上がってきたわけです。そうすると安ければいいという相手は南アジアに行ってしまう。

ところが、先進国入りしてトップを争う事になると研究・開発で1番になる必要があります。それで中国が何をしたかというと、「中国製造2025」と言って、10個の重点分野に対して国が補助金を出しながら何とか世界を制覇しようとしています。先進国から超大国になって、中国はアメリカと世界一を争う構図にしたいと考えているわけです。そうすると、アメリカも黙っていられないわけです。第二次大戦後、ずっと世界をリードしてきたと思っていたのですが、中国にとってみれば偉大な中国を復活するという事で、超大国2つでもめないわけがないわけです。

この間、ZTEという中国の通信大手がイランに何か流したのではないかという事で、トップ全部総入れ替えだとか、アメリカ企業と取引出来ないという事で、一旦、破綻しかけました。また、ファーウェイというZTEよりさらに大きく強い会社があるのですけど、ファーウェイやZTEをアメリカとしては潰しにかかっているというのが1つの背景にあるわけです。アメリカにとってみれば、中国企業によるアメリカ企業に対する買収を放置すると、アメリカのAIやロボットといった先端技術が中国に流れていって、場合によっては軍事目的に使われるかもしれないという事で、何とかしないといけない。

ところが中国だけではなくて、何だか分からないけど、EUだとかカナダとかメキシコだとか日本だとか色々な国がトランプさんの関税を上げよう作戦に引っかかって、大変な事になっています。第三次世界大戦は大丈夫かというのがとても心配な状況です。トランプ大統領は、様々な事を選挙時に公約していました。イランの核合意は許さないという話も、核合意から抜けたと言って制裁が復活しようとしています。また、イランの原油は買うなみたいな事を言うので、世界の原油価格に影響しています。みんなに買うなというような事を言っているのですが、中国・ロシア・インドは大国なのでそんな事言われたってと反対意見を言えるのですけど、日本は小さい国ですからそんな事って思ったって言えないので、アメリカのお友達として「はーい」と言って、たぶんイランの原油を買わない事になるでしょう。でもそれは困りますよね。日本も、原油や自動車だとか言われる事になると、日本国の安全保障の問題が出てくるので、簡単にはいかないのです。

アメリカと中国の貿易戦争が始まった。でもこれは貿易だけではありません。ソビエトが消えてからアメリカの一強だったわけです。ところが、もう中国がロシアを遥かに超えて大きくなってきたという状況で、アメリカ対中国という2つのスーパーパワーの戦いが始まっています。要するに政治戦争であり、日本は今までアメリカに引っ付いていたのだけど、昔の話を考えれば、平安京とか平城京はどこからきたのかとか、漢字ってどこから持ってきたのですかというとちょっと微妙な立場です。だから、直接アメリカとか中国と戦うみたいな事はせずに、何とか賢く生き延びるべきでしょう。中国とアメリカに戦争をされてしまうと先になくなってしまうのは日本だというのが、残念ながら今の現実ですから、ちょっとこれから何をするのか落ち着いて考えないといけないという事です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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