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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イノベーションの専門家が集うISPIM(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

イノベーションの専門家が集うISPIM(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

18/07/24

【今回のまとめ】
・ISPIMというイノベーションに関する国際会議では、企業やコンサルタントなどの実務家と大学に所属するアカデミシャンがバランスよく参加し、イノベーションという共通課題に対して両方の視点から情報提供や知識共有が行われる点が特徴となっている。

・6月中旬に、スウェーデンのストックホルムで開催されたISPIMというイノベーションに関する国際会議に参加してきたので、今日から3回に渡ってその様子を報告したい。
・ISPIMとは、International Society for Professional Innovation Managementの略で、1983年にノルウェーで創設されて以来、50回を超えるイノベーションの国際会議を開催してきた実績を持つ。近年は英国マンチェスターに専属の事務局を設置し、ヨーロッパ地域、米国・カナダ地域、アジア・オセアニア地域の3つのタイムゾーンで、それぞれ年1回の会議を定期的に開催している。最近は、トロント、ウィーン、メルボルン、ボストン、ストックホルム・・といった都市で会議を開催している。
・今回の開催都市だったストックホルムは、スウェーデンでの初開催ということもあり、ヨーロッパを中心に500名以上の参加者が世界各国から集まり、3日間に渡って講演や学術発表、ワークショップ、市内の企業や施設見学が行われた。
・ISPIMの特徴として、企業やコンサルタントなどの実務家と大学に所属するアカデミシャンがバランスよく参加している点が挙げられる。イノベーションを実現するうえで、企業における最新の取組み事例や実務家の経験則から学ぶことと、それらを学術的/科学的に解釈しエビデンスを伴った知識基盤を提供することの両方が重要であり、ISPIMは実務と学術の両方の視点からイノベーションについて知識共有とネットワーク形成を図るという主旨で開催されているのである。
・実際に、全体のプログラムの概要としては、まず開催前日の日曜の午後に「Ph.Dラボ」という博士課程の学生を対象としたワークショップが開催され、学術ジャーナルの編集者やベテラン教授の参加を得て、研究の進め方や論文投稿のコツなど、博士課程の学生に有用な知識共有の時間が取られる。その日の夜のレセプションが実際のカンファレンスのスタートとして位置づけられ、参加者にネットワーキングの機会が提供される。今回のストックホルムでは、ノーベル賞授賞式後の晩餐会が行われるストックホルム市庁舎が会場であった。
・実質的な初日(月曜)は、午前中に著名な実務家や大学教授による基調講演が行われ、午後からは7~8のトラックに分かれて学術発表が行われる。
・二日目から三日目の午前中まで、講演、学術発表、ワークショップ(特定のテーマについてファシリテーターを囲んで小グループでディスカッションを行う)が開催される。三日目の午後には、市内でイノベーションにまつわるユニークな活動を行っている機関や施設を訪問するツアーが行われて、カンファレンスは終了する。自分は、KTH(王立工科大学)の「KTH Innovation」や「Open Lab」、近隣のコワーキング・スペースを周るツアーに参加し、大学や企業によるオープンイノベーションの空間作りのコツについて学ぶことができた。
・ちなみに、最終日の午前中のワークショップでは、ISPIMの顧客評価(ボイス・オブ・カスタマー:VoC)に関する調査(=初日に調査のためのカードが配られ、様々な項目について他のカンファレンスと比較して評価を記入し提出したもの)について集計結果が紹介されたのだが、ISPIMの最大の強みとされた項目は、"broaden my thinking and mind-set"、つまり「自分の考えやマインドセットを広げることにつながった」であった。これは、冒頭で説明したように、実務家とアカデミシャンの両方がバランスよく参加し、イノベーションという共通テーマについて知識や経験を共有し議論することが高く評価されているためで、自分自身の感想とも合致する結果だった。

・次回は、今回のISPIM Stockholmで得たイノベーションに関する近年の傾向について紹介したい。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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